ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ 偉大な誘惑者 (感想)

おすすめ度:73%
深い友情度:100%
ガラス戸度:100%
原題:위대한 유혹자 全32話

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固い友情で結ばれた3人が始めた危険なゲームとは?2018年のラブストーリー。

 あらすじ・キャスト

御曹司のシヒョン(ウ・ドファンさん)は、同じような境遇で固い友情で結ばれた大親友のスジ(ムン・ガヨンさん)とセジュ(キム・ミンジェさん)の3人でいつも遊んで過ごしていた。
ある日、スジが付き合っていた男性にフラれてしまった腹いせに、復讐を考える。その男性が大切にしている初恋相手のテヒ(ジョイさんRed Velvet)をシヒョンが惑わせて夢中にさせて捨てるという、危険なゲームをテヒに仕掛けることを思いつく3人だったが…。

感想

序盤はかなり楽しく視聴していたのですが、中盤から失速したように感じたドラマでした。
悪意のある嘘から始まった恋。ゲームを始めた張本人のシヒョンも彼女に真剣になってしまい…という、メインカップルであるシヒョンとテヒの恋。
加えて、”同士”として男性2人と女性1人という微妙なバランスで成り立っていた友情関係。このあたりの設定はとても魅力的でしたし、良かった!!スジの意地悪でワガママな態度も漫画っぽくて面白いなあ、と思っていました。
ただ中盤から親問題が妙に大きくなってきて、「この界隈、一体…」という、愛がやたら密集した3家族のゴタゴタの描写が少しクドイように思え、その部分が面白くなく、中だるみを感じてしまいました。
設定は大変面白かっただけに、もう少し3人だけにフォーカスしてくれたら、もっと良かった気がしました。
ゆるい元ネタは1782年のフランスの貴族社会を舞台にした小説『危険な関係』らしいですが、この小説は読んだことがありません。が、かなり古い小説を(アイデアとして)原作にしているんだな、と興味深く思えました。タイトルが仰々しいなと少し思ったのですが、この小説の"スタイル"を踏襲した風にしたかったのかもしれません。

クォン・シヒョン役ウ・ドファンさん
JKグループの孫。2年前に母親を亡くしている。
母は父のせいで死んだと思い込んでおり、父親との関係が悪い。
女性からとてもモテるが、恋愛を遊びのように考えている。
チュソン高校卒業後も大学進学は考えていない。絵を描くのが得意。

ウン・テヒ役ジョイさん
名門ソウル大に合格している優秀な学生。
スジの親の財団から奨学金を受け取っている。
両親の離婚のため、芸術家の母親とは不仲。そのせいか、恋愛には一切興味がない。

チェ・スジ役ムン・ガヨンさん
病院を経営する母の一人娘。
"世界一美しいセレブ"と言われるスジ。プライドが高く、ワガママなところがある。
シヒョン、セジュとは大親友。

イ・セジュ役キム・ミンジェさん
財閥の息子だが、女性が好きで遊び歩いている。
後継者争いには一切興味がなく、親からは怒られるばかり。
密にスジの事を想っている。

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
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ウ・ドファンさんインスタグラムより

強い結束力のセレブ3人…。スジという中心にいる"クィーン”を守る、シヒョンとセジュの2人の男性という構図。
彼らはいつも一緒にいます。同じ境遇であるからこそ理解できる同士であり戦友。家族問題含め、色々な悩みを共有しながら、時に危険なゲームを行っています。
シヒョンは女性にモテるため、そんな女性をからかうかの様に気持ちをもてあそんでいました。

そんなスジはある日、ボーイフレンドのギヨンから家を"格下"扱いにされ、バカにされたようにフラれてしまいます。これにプライドの高いスジは激怒。ギヨンに対して復讐すると誓います。

ギヨン本人に直接復讐すれば話が早い気がしますが、スジはなぜか「ギヨンが大切にしている初恋相手=テヒ」を痛い目に遭わせることを計画。
スジさんのセオリーは「大切なものを奪うのが最高の復讐」なかなかの歪んだ性格の悪さがうかがえます。
そしていつものようなゲームをシヒョンに行うよう、スジは指示します。シヒョンがテヒを誘惑し、彼女がシヒョンに”落ちた”ところで無残に捨てるという、なんとも人の気持ちを馬鹿にした危険なゲームを始めることにする3人。
ギヨンとテヒが付き合っている訳でもないのに、強引すぎるでしょ…と、この計画にはテヒに初っ端から同情しました。

女性を落とすことには、絶対的に自信があるシヒョンさん。
スジさん曰く「シヒョンを拒否する女はいない」とのこと。
演じるウ・ドファンさんがとんでもないレベルで声が良いということもあり(お顔ももちろん素敵ですが)、声による催眠効果もあるかも…と納得してしまいました。

早速ターゲットとなるテヒに不自然に近づくシヒョン君ですが、様々なテクニックを我々にも披露してくれます。
テヒも恋愛に興味がないという当初設定を速攻で忘れてしまったのか、6話(U-Next版)では「私、あなたの事が好きになっちゃったみたい」と想像以上に早くシヒョンへ陥落。これには視聴していて、やや拍子抜けしました。

しかし問題なのはシヒョンです。
彼も無邪気なテヒにどんどんと夢中になっていきますが、彼を縛り付けているのがスジとの"ゲーム”。
一大イベントであるスジの誕生日にもシヒョンが顔を出さなかったりと、スジの怒りレベルは次第に上がっていきます。
スジもシヒョンの気持ちがテヒへ向かっていることに気付いています。もちろん、スジはシヒョンの事が実はずっと好きなのでした。

スジはテヒを傷つけることに目的を変更(?)というか、最早ギヨンの事は忘れているようです…。テヒに「私とシヒョンはお互い想い合っている」と告げ、自分の優位な立場をアピールするスジ。
またそんなテヒも彼ら3人が、「深い友情」で繋がっていることを痛感。自分は踏み込めない領域を持つ3人の関係に、疎外感を覚えます。
このあたりはとても面白かったです、お金持ちでありながらどこか愛情不足を感じて育っていた3人…彼らしか理解しえない関係、という設定は良かった!!

そんなテヒはシヒョンに「恋人になりたかった」「私だけが好きだった」と胸の内を告げ、シヒョンの心は揺らぎます。
一方でスジの気持ちを感じ取ったシヒョンは複雑。なぜなら、彼もまたスジが好き"だった"のでした。
しかし、シヒョンの現在の自分の気持ちは、テヒへ向いています。
テヒに「俺もお前が好きみたいだ」とシヒョンは告げ、2人の気持ちがやっと重なります。

しかし…。
前からざわついていた親の問題が表面化。
元々シヒョン父とスジ母が再婚するというニュースがありました。加えてここに来て、シヒョン父が他の女性(テヒ母)と親しくしている、という情報をスジが手に入れます。
これをネタにして、スジはシヒョンにテヒを捨てるように仕向けます。スジさん…。

3人が集まっている場所に呼ばれて来たテヒさん。
しかし、つい先程「好きみたいだ」とテヒに告げたシヒョン君。
いきなり手のひら返しの冷酷な態度で、「俺とお前は正反対」「ここに来た(テヒが)気まずい」などと、自分がテヒを呼び出したクセに訳の分からないことを言い始めます。
他の2人(と視聴していた私は)無言に。
スジさんがご所望された「捨てられるテヒの顔が見たい」を、無事叶えてあげた様子のシヒョン君です。

このように、2人が仲良くなったと思いきや、彼らの親たちのネタに振り回されてしまい、関係が全く安定しないシヒョンとテヒ。
加えて根本的に「テヒを騙す」という始まりを明かしていなかったという、時限爆弾を抱えているシヒョンは常にテヒに対して罪悪感を感じ、素直に彼女へ向き合えません。
さっさと言えば問題なさそうなのですが…。
テヒさん、シヒョン君にはかなり甘い様子なので、正直に白状すれば割と速攻で許してくれるタイプだと思います。

色々とトラブルがありつつ、主にテヒが入り込んできたため今までの関係が崩壊しつつあった例の3人の仲間。
セジュがそれにキレてしまい、ついにテヒに「秘密」をネタバレしてしまいます。
そもそも何の目的でセジュ君が録画したのか謎ですが、シヒョンがスジに「テヒに"ゲームをしかける”」と、笑って話す様子の動画を観たテヒはショックを受けます。
泣いて許しを請うシヒョンに、これにはさすがに別れを告げます。
そして…?

上記の後に、とんでもねえ一波乱があるのですが、かなり無言になりつつ、とりあえず落ち着くところにストーリーは着陸。無事シヒョン君とテヒさん、ハッピーエンドで良かったなと思った次第です。

ということで、
・シヒョンの部屋の真ん中にあるガラス戸(?)の是非
・ウ・ドファンさんの声
・偉大な誘惑者とは?
以上の3点でお送りされたドラマでした。

つまらないというよりも、親のゴタゴタが長くてとにかく面倒くさくてしつこいなあ…と思ってしまい、その部分が個人的に印象が悪かったです。
せっかく"3人だけしか理解し得ない”独特の関係に部外者のテヒが入ってきて、バランスが崩れるという面白い状況を、親の介入で複雑にしすぎて逆に水を差したようにも思えました。面白いスタートと面白いキャラ達だっただけに、勿体ないなと感じて視聴を終えました。
ウ・ドファンさんやジョイさん、そしてムン・ガヨンさんがとにかく役柄に合っていて、それだけでも視聴価値はあるかなと思います、俳優さん達はとても良かったです!

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