ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国映画 猟奇的な彼女 (感想)

おすすめ度:65%
怖い彼女度:100%
ハイヒール度:100%
原題:엽기적인 그녀 123分

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偶然出会った"彼女"と振り回される僕のラブコメディ、2001年公開映画。

 あらすじ・キャスト

大学生のキョヌ(チャ・テヒョンさん)は、ある夜に地下鉄のホームで泥酔した"彼女"(チョン・ジヒョンさん)と出会う。
なりゆきで酔った彼女をしょうがなくホテルまで連れていき介抱したキョヌだったが、罪に問われてしまう。それ以来、"彼女"に振り回されてしまい…。

感想

「前半戦」のコメディが強めの描写が、ちょっともっさりして面白くないと思ってしまい、微妙な気持ちで視聴していたのですが、終盤にかけて盛り上がり楽しめました。
2001年の作品と、かなり古い映画なので、ファッションや風景も今の韓国ドラマや映画で見るものとは違っていて、その点でも色々と興味深かったです。
また当然ですが、チャ・テヒョンさんもチョン・ジヒョンさんも若い!と強く思ってしまいました。

恋人との辛い別れを経験した"彼女"、エキセントリックで暴力的に振る舞うのですが、キョヌはそんな彼女をどこかほおってはおけず、どんどん深入りしてしまう…というストーリー展開です。
原作はネット小説で、書籍化してベストセラーになり、この映画化に結び付いたそうです。

ゆるいネタバレありの感想

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面白いなあと思ったのが、冒頭からのキョヌが第三者のようにナレーターとして存在する点です。
これの理由は後半明らかにされるのですが、「何かが控えている」と最初からある程度わかるので、ワクワクさせるものがありその点はとても良かった!また、問題の猟奇的な女性を”彼女”と三人称で呼び、名前を明らかにせず"しているのも大変良いなと思いました。

7歳まで女の子のように親に育てられたせいなのか、ややお人よしで適当、勉強にも熱が入らないという男子大学生がキョヌです。ただ、気弱っぽい割には女性に対してはかなり積極的にナンパをしかけようとする点が謎だなとは思いましたが。
そんなキョヌ君ですが、ある夜、駅のホームで酔った女性を助けます。その女性と同じ電車に乗り込みますが、彼女は泥酔したまま…。何となく心配になったのか、彼女から目が離せないキョヌ。
しかし車内で彼女はトラブルを起こしてしまい、キョヌは「彼氏」のように周囲から勘違いされることに。

この序盤の駅の車内でのシーンですが、個人的に非常にきつく感じました。私は吐瀉物および嘔吐シーンを観るのが大変苦手なので、こんなに長時間映さないで…と本気で泣きそうになりました。シチュエーション的にもかなり気持ち悪かったです。同じように苦手な方はご注意ください。

そんな泥酔した彼女放置するわけにはいかず、成り行きでキョヌは安そうなホテルへとりあえず彼女を連れていきます。
ですが、犯罪を疑われてしまい、通報され一晩留置所で過ごすはめに。

翌日勘違いした"彼女"から呼び出され、シラフで彼女はキョヌと再び顔を合わせます。そしてそこから半ば召使と女王のような、2人の関係が始まります。
彼女はやたら上から目線で、口癖は「ぶっ殺すよ?」という女性。妙にツブ貝にうるさかったり、マナーに厳しかったり、キョヌだけでなく他人にも喧嘩を売りまくるようなまさに「猟奇的」な人物。
その度にキョヌは他人のフリをしたり、彼女の機嫌を取ったりと、なかなか大変そうです。完全にドSとドMの関係性でしょうか?

しかしそんな彼女もふと寂しさを見せたり、可愛らしいところを持っているところをキョヌは知っています。そんなギャップのある彼女に夢中になっていくキョヌ君。
何度も何度も"デート"を重ねていきますが、2人は全く彼氏彼女の仲には進展しません。彼女はキョヌの気持ちを知っています。

カップルになるというゴールに一向に進まない2人の関係性に答えを出そうとするかのように、2人はとある場所に向かいます。これが最後のデート…。
タイムカプセルを埋めるため、お互いへの手紙を書き、2年後に同じ場所で再会するという約束をして2人は結局別れてしまいます。(親の反対もありますが)

そして2年後…。
キョヌはWEB小説で"彼女"との思い出を書き綴っており、映画化まで進んでいるようでした。シナリオライターを目指していた"彼女"でしたが、理系だったキョヌの方が向いていたようです。
キョヌは1人あの場所へ向かい、タイプカプセルを開け、彼女からの手紙を読みます。今までの彼女の葛藤や悲しみ、彼への気持ちを知ります。
そして…更に1年後…彼女は1人約束の場所で向かっていました。

ということで、冒頭からの語り口も美しく回収され、エンディングはなかなか素敵な
終わり方になっていました。
楽しいラブコメ映画だとは思いますが、個人的にはエピソードの数々が妙にわざとらしくてイマイチ作品の世界に入り込むことができませんでした。
特に彼女の親の反対や、脱走兵のお話は、うーん…と思ってしまいました。ですが!後から考えると、特にこの脱走兵のネタはキョヌの「お話」の中の脚色の可能性があるのでは…と、考察できるかなとは思います。

"彼女"が暴力的でエキセントリックに振る舞うような部分も、自分で自分の感情を
整理できずに自暴自棄のような形で表現していて、キョヌを壁のように使っているという描写は理解できました。
また彼女自身もそんな「どうしようもない自分」を自覚していて、キョヌに申し訳なく思っているという表現はぐっと来ました。山のシーンは、彼女らしくて本当に良かった!!

ということで、かなり古い映画ですが、ラブコメとして上手い山場があって、最終的には爽やかさも保ちつつ胸に来る展開という、人気作品だったのが理解できるラブストーリーでした。個人的には、そこまで作品に入り込むことはできませんでしたが、楽しく視聴しました。

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