ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ 離婚弁護士シン・ソンハン (感想)

おすすめ度:70%
子役度:100%
ラーメン屋度:100%
原題:신성한, 이혼 /  Divorce Attorney Shin (全12話)

離婚弁護士シンソンハン 感想レビュー考察

離婚専門の弁護士、彼が願う”勝利”とは…。2023年のヒューマンドラマ。

あらすじ・キャスト

弁護士シン・ソンハン(チョ・スンウさん)は離婚を専門としている。
友人んでもあるヒョングン(キム・ソンギョンさん)を弁護士事務所の事務長として、こじんまりとマイペースに仕事をするソンハンら。
そんな時、ヒョングンも大ファンのラジオDJのイ・ソジン(ハン・ヘジンさん)が事務所を訪れ、離婚訴訟の弁護をソンハンに依頼するのだった…。

感想

面白いですが、少々ボンヤリしたドラマだなと思いました。
主人公ソンハンと親友のヒョングン、ジョンシク(チョン・ムンソンさん)の男性3名の掛け合いは、随所に笑いを誘う小芝居が散りばめられている素晴らしい演技で、観ていて楽しかったです。
(もちろん実生活は存じ上げませんが)本当3人は仲が良さそうで、また大人の男性として落ち着いた雰囲気もありましたし、みなさんの滑らかなセリフ回しと演技はさすがだなあと何度も思いました。
個人的にはこの3人のダラダラした(?)シーンこそが、このドラマの最も特徴的で面白い部分だったと感じました。
ただ、肝心のストーリーがどうにもパンチが足りていないというか…。
大変申し訳ないですが、お話は可もなく不可もなくという感じで、強く目立ったり印象に残るエピソードがとにかくないなと感じました。(すみません、個人的な感想です)
弁護士のお話なので様々な離婚を考えているクライアントが登場し、ソンハンが解決していきます。
またソンハンの過去や、彼がこだわっている件が次第に明らかになる訳ですが、そのどれもが大した驚きもなく、設定も生かされていおらずエピソードも広がらないというか…。

加えてこの3名の他に、ソジンという芸能人の女性がストーリーにそれなりに関わってくるのですが、このキャラクターが正直なところ作品自体から”浮いている”ようにも感じました。
3人の雰囲気に純粋に噛み合ってないというか…。(ハン・ヘジンさんご本人さんではなく、キャラクターについての感想です)
ソジンというキャラが作品に対して役割を持てておらず、とても中途半端な気がしました。

全12話という長さも合ってか軽妙で観やすい作品ではありましたが、ちょっとドラマとして”コレ”といった強みが無いかなと思えた次第です。
原作は同名のWEBトゥーンです。

ゆるいネタバレありの感想

JTBC Dramaインスタグラムより

レトロなビルの一室で離婚専門の弁護士として働くソンハン。
稼ぎも大きいはずの事件は扱わずある意味のんびりとやっている彼の元に、ある日芸能人がクライアントとしてやって来ます。
その相手とはイ・ソジン。彼女は不倫相手からスキャンダラスな動画を出され話題になっていた渦中の女性。離婚への裁判、ソジンは一人息子の親権だけは得たいとソンハンの依頼するのでした。
ソジンの(元)夫の問題点もあり、無事に親権を勝ち取った裁判。しかし、それだけでは世間からの彼女の偏見への視線を変えることはできません。ソジンはなぜかソンハンの事務所に「勤務するため」やって来るのでした。
困惑するソンハン…。
しかし、ここに来てタイミング良く新たな弁護士が。
そう、ソジンの件で相手弁護士で敵でもあった、チェ・ジュン。彼が”刺客”としてソンハンの事務所に仕事を求めてやってきたのでした。
ソンハンの事務所が一気に騒がしくなります。

ソンハンの苦悩
弁護士のソンハン、しかし彼の過去はピアノの”専門家”だったことが明らかになります。
大切な妹を亡くし、残された息子(ソンハンの甥)ギヨンの存在がとにかく気がかりなソンハン。彼が弁護士へ転身したのも、この妹と甥が理由だったのでした。
そう、彼には「得るべき」目的があったのでした。

子供の幸せ
1話からのソジンのエピソードもそうですが、このドラマの主軸として離婚の影にある傷ついた子供の存在が描かれています。
彼らなりに悩む両親。そしてそんな親を持つ残された子供たちの気持ちにソンハンは寄り添い、「何が大切か」という点をブレずに描きたかったのだと感じました。

離婚弁護士シン・ソンハン 考察批評レビュー

ソジンのエピソード
ソンハンも大切にしている甥っ子ギヨンの”親権”についてが、最終的な焦点だった今作。
それの前フリのようにソジンのエピソードが1話からスタートします。彼女も過去を乗り越えて、息子との関係性に試行錯誤しながら、新しい人生をスタートさせるという前向きなストーリー軸が据えられています。
ただ個人的な感想ですが、どうもこのソジンのお話については率直に言うとイマイチだったと思います。
彼女の物語の先が見えすぎてベタというのもそうですし、ソンハン&事務所の説明しにくい”ゆるいけど真面目な雰囲気”と根本的にあまり合っていないような…。ソジン話になると、急にドラマのトーンが妙に堅苦しくなるというか。
そもそもソジンが事務所にとって、そしてソンハンにとって必要な人物だという点がほとんど見えてきませんでした。
そんなこんなで私個人としては、このソジンに関するエピソード全部がどうもしっくり来ず、この部分が全く楽しめませんでした。(すみません、あくまでもキャラに対しての個人の感想です)
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最終的にギヨンの親権を無事に得たソンハン。やっと「ピアノでも~」という気持ちになって良かったなと思います。
特に12話は派手さはありませんが、今まで溜めていたソンハンの怒りと強さ、愛情が強く出ていて素晴らしかったです。
ただ全12話という尺もあったかもしれませんが、個人的にはソジンのパートよりも(すみません…)ソンハンとピアノの設定などをもう少し深く描いても良かったのではないかなとも思えました。
彼が教授をしていて~という設定自体も、そこまでドラマ内で活かしきれていないような気もしました。
ドラマ自体は中途半端とも思わず、物足りなさもそこまで感じはしませんでした。子役の方の演技も抜群に上手かったですし、作品のクオリティも全体的に高いドラマだったと思います。
ですが、その割に大して印象に残る点がなく、強く惹きつけるような何かがちょっと足りないように感じた次第です。

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