おすすめ度：69％
結婚相談所度：100％
結婚への執着度：100％
原題：블랙의 신부 / Remarriage & Desires (全8話)
家族を崩壊させた女性への復讐は結婚相談所が舞台だった…2022年の愛憎劇。
あらすじ・キャスト
幸せのはずだった結婚生活を送っていたヘスン（キム・ヒソンさん）は、ある日突然夫から離婚を切り出される。
夫は他の女性ユヒ（チョン・ユジンさん）を愛していたのだった。更にその夫に驚くべきスキャンダルと不幸が積み重なる。ヘスンは全ての元凶であるユヒに復讐を誓う。
その後、結婚相談所で資産家でもあるヒョンジュ（イ・ヒョヌクさん）に出会うが…。
感想
ネタ山盛り
怒涛のトラブルが独特の古臭い展開と共にノンストップで押し寄せるドラマで、終始半笑いで視聴しました。
意味不明にグイグイ来るストロングスタイルで、色々な意味で面白かったです。
作品的には復讐心や嫉妬心を、様々なネタ特盛で”上流階級”のパッケージで若干オシャレに包んである感じのドラマですが、そのネタの安っぽさやダサさが全く隠しきれていない点が、個人的には逆に好感度が上がりました。
視聴後は「何を見ていたのか…（無）」という感想のみしか残りませんが（すみません）、この手のドラマの中毒性はやはり強いなあと改めて痛感。エンタメとして定期的に摂取したいタイプの作品ではあるかと思います。
ただ、もう少し”やりすぎ”感があっても良かったかなとは感じ、視聴後は物足りなさは残りました。ちょっとインパクトが弱いというか…。
事の顛末も今ひとつパンチに欠ける印象があり、もっと大胆さが欲しかったかもしれません。
とはいえ、全8話という観やすい尺で、よくわかんねえ盛ったストーリーに我々が胸焼けする頃に最終回！！正直、助かったなと胸を撫で下ろした次第です。
ドラマの雰囲気としては、ドロドロとした話を主流としたものですが、主演のキム・ヒソンさんがサラサラした雰囲気をお持ちなので、良い意味で中和されているなとは思いました。
だからでしょうか、ネタは色々な意味でヒドイなと思うシーンも、ヒソンさんの存在で生々しくならない、クドくなりすぎない絵面になっているのはとても良かったなと印象に残りました。
一応シーズン2への布石もありはしますが、（あるとしたら）次は20代〜向けのレックス相談所の誕生という感じでしょうか。
ゆるいネタバレありの感想
イ・ヒョヌクさんインスタグラムより
ヘスンは夫と結婚生活15年、問題はないと思われたその日々は突然終わりを告げます。夫から離婚を切り出されたのです。その影にはユヒという女性が存在したのでした。
もう夫の気持ちは戻らないと悟ったヘスン、離婚に応じることを決意します。しかし、物事は単純ではなかったのです。
問題の夫はこのユヒに騙されていた挙句、でっち上げられた事件で夫は文字通り全てを失ってしまったのでした。絶望の末、夫はヘスンに遺書を残し命を絶ってしまいます。
この一連の悲劇の元凶ユヒに、ヘスンは怒りを抑えられません。しかし確固たる証拠などはなく、ヘスンはユヒをどうすることもできないのでした。
そんなヘスンと一人娘を心配したヘスン母は、結婚相談所REX（レックス）にヘスンを勝手に入会させます。結婚の傷は結婚で埋めるスタイル。
このレックスですが、謎めいた代表ユソンが運営している会社。
何でも0.001％しか存在しないらしい最上流階級の人々も会員（通称ブラック会員）だという、エグゼクティブな結婚相談所。
とはいえ、0.001%の人のみを相手にしていても商売は無理なのか、一般人のヘスンでもお金さえ払えば入会できるので（ランクは色々ありますが）、間口はそれなりに広い相談所のようです。
結婚に乗り気ではないヘスンは入会キャンセルをしようと、他のドラマでもお馴染み、汎用性の高い建物へ出向きます。
ですが、何とレックスでユヒに再会！
極悪人ユヒは、誰かと結婚しようとしている！？それは許せねえ！！！再び怒りに燃えたヘスンさん、この”機会”をユヒへの復讐に使うことを決意。
このように、ヘスンvsユヒの因縁の女の戦いが幕を開けるのでした。
ネタ仮面舞踏会
レックス代表の計画で、粋な仮面舞踏会がブラック会員向けに開催。（場所は様々な作品でお馴染みのクセ強め建物）
これぞ上流階級！！のパーティですが、なぜかヘスンも特別枠で参加。どうやら代表はヘスンに対して何か思惑があるようです…。
このパーティの趣旨として「普段は仮面をつけて生きているのも同然、だから仮面を着けて〜」とのことですが、プラスマイナスゼロ的なことでしょうか？
そんなパーティですが、女性たちの狙いはほぼ1名の男性、資産家でゲーム会社社長のヒョンジュ。彼はバツイチで子供が1人いますが、お金持ちで（比較的）若いとのことで、ユヒや他の女性も彼との繋がりを目論んでいるのでした。
パーティの終盤、各々が仮面を外し自己紹介→その後気に入った相手を決めると言う流れ。
ただ、仮面を外した後に相手を投票するなら、（特にヒョンジュ狙いの方は）仮面の意味があるのかないのか…と観ていて微妙に思ってしまいましたが…。
ヒョンジュとソクジンを間違えて接していたユヒの行動が、後々2人の関係性に影響を及ぼすのかと考えていたのですが、別に意味がない状況で真顔になってしまいました。
ヒョンジュ狙い
ヘスンがいつ過去をバラしてくるのかヒヤヒヤしながらも、攻撃の手は決して緩めないユヒさん。彼女のモットーは「攻撃は最大の防御」といったところでしょうか。
あくまでも”ヒョンジュとの結婚”を目標とし、文字通り全身を使って行動あるのみ。強い。
一方のヘスンさんですが、ユヒの目的を察知して外堀を埋める作戦に出ます。
ヒョンジュの”家”に入り込むことに成功。彼女はヒョンジュの一人息子の家庭教師となったのです。速攻でヘスンに懐いてしまうヒョンジュのご子息です。
それぞれの思惑
このドラマの特徴として、ヘソン以外にもほぼ全ての人が主に家族事情によって”恨み”を腹に抱えているところです。
ユヒの実の父、ソクジンと父、代表と会長、ヒョンジュと友人、ヒョンジュと元妻…などなど、複雑かと思いきや、そうでもないのが良いですね。
彼らは「仮面」を被って表面上はブラック会員として最上流階級を生きているわけですが、その復讐爆弾をどこでぶち上げるのか虎視眈々とタイミングを待っていました。
ちなみに元妻と友人の裏切りに対するヒョンジュの”復讐”は、パンチ1発のシーンでアッサリ終了していたりと、軽めの復讐タイプもあるんだなと思った次第です。
一方ユヒさんは、そのアグレシッブさを最後まで失わず、殺意をちらつかせまくりでキャラ的に面白かったですが、彼女の自信が一体どこから来たものなのかは最後まで謎でした。
レックス代表の置物感
なぜか人々はレックス代表のユソンに絶大な信頼を置いており、本人及び相手の意思は完全無視で「結婚させろ！」と迫る日々。
その都度意味深に対応する代表でしたが、どう考えても代表が大して活躍しておらず、視聴していて正直なところ「何だったの」感が強かった。
彼女自身がソクジン父である訳アリ爺と結婚して、レックス代表の立場を手に入れた過去があります。
このユソンがヘソンに意味深に接する意図を「奪われた者vs奪った者」として自分を投影したり、奪われた者がどれだけ勝ち上がるのかを楽しんでいるのかと考えていたのですが、残念ながらあまり語られません。
序盤にヘソンに「恐れられる存在になれ」と伝えた時は、かなりのドラマ性を感じましたが…。
単に彼女もお金目的の点も多かったように思えますが、役割が持てておらず微妙な存在だと個人的にはこのキャラに面白味はあまり感じませんでした。残念。
ちなみに彼女が抱えていた怒りを夫にぶつけた時のシーンですが、単純に面白かったです。
最終的には、悪は滅びてヘソンは勝利を得ます。しかし、復讐に成功しても気は晴れないヘソンさん。
ここで満を持してもちろんヒョンジュの登場となりますが、視聴していて何となくスッキリしない理由を考えてみると、やはりヘソン夫の死でしょうか。彼を（浮気した点は許せないとしても）憎みきれない部分ヒョンジュの中に残っているのがわかるだけに、若干後味が悪いと言いますか…。
とはいえ、愛で傷ついたヘソンとヒョンジュが、色々トラブルに見舞われつつも、無事結婚相談所を通して、再び愛する相手を見つけたという心温まるストレートなお話で良かったなと思った次第です。
最終回エンディングでレックスを閉めようとする代表の元に、謎の男性（パク・ジフンさん）が訪れていましたが、レックスはまだまだ終わらないぜ！となるのでしょうか。
ということで、娯楽ドラマとして面白くコンパクトに仕上がっていて、個人的にはツッコミつつも楽しく視聴しました。
