おすすめ度：64％
長すぎる片想い度：100％
長すぎるすれ違い度：100％
原題：경우의 수 / More Than Friends (全16話)
決して忘れられない初恋、そして再会。2人の恋の行方は？2020年放送のラブストーリー。
あらすじ・キャスト
カリグラファーを目指しながらもアルバイトを掛け持ちし忙しいウヨン（シン・イェウンさん）は、
いつしか自身が本気の恋愛ができないと気付く。理由はイ・ス（オン・ソンウさん）の存在、ウヨンはイ・スに10年も実らない片思いをしていたのだった…。
感想
このシーンn回目
私は妙にハマってしまい真顔のまま一気に寝不足状態で視聴したのですが、結論、面白いドラマではありません。（すみません）
ただ、個人的に夢中で視聴を終えた理由としては、小3の頃に少女漫画を初めて読み始めた感覚、そんな眠っていた淡い気持ちを思い出させてくれるような作品だったからかもしれません。
ウヨンとイ・スのメインカップルの2人の恋愛テーマはズバリ”すれ違い”。
ひたすらこのネタだけで全16話ぶち抜きで特集している、裸一貫的な構成になっています。
このすれ違いをヒネリもなく超ストレートに描く物語に、何となくノスタルジックさを感じてしまい、そういう意味で個人的には結構楽しんで視聴しました。
ただもう一度強調しておきたいのは、特に中盤以降からつまらないと感じる方が大半かなと思います。
根本的主題が本当にネックになっていて、気持ちのじれったさ・切なさ…そのような感情が全て無になるぐらい、すれ違ってしまうこと。その回数だけでなく、このシーン使いまわしかな？（違います）というぐらいの既視感シーン・セリフの多さもなかなかでした。
ちょっと彼らの”行動範囲”が狭すぎるのも変わり映えがなく、シーン的にデジャブ感がすごくて損をしているなあと思いました。
ただ長所としては、メインカップルを演じるオン・ソンウさんとシン・イェウンさん、お2人の雰囲気がとても合っていて、単純に良いなあと思いました。ただ2人が演じるキャラ、イ・スもウヨンも、とにかくめんどくせえ…と思わせられるので、そこは微妙ですが…。
そして、個人的に最も良いと思ったのが、途中のエピソードにフューチャーされたソウルの各エリアの街の細かな風景です。
ソウル街歩きのようにもなっていて、旅行気分を味わえるようになっていて素敵でした。
率直に言うとぐずぐず進むラブストーリーではありますが、個人的には昔の無駄に連載の長い少女漫画を彷彿とさせられる展開。その商法（？）に乗せられ、私はかなりしっかり最後まで集中して楽しみはしました。
ただ話はありきたりで先が読めるものですが、それなりにツボは押さえられているドラマにはなってはいます。
ゆるいネタバレありの感想
オン・ソンウさんインスタグラムより
2人の始まり
ウヨンとイ・ス、2人の出会いは高校生の時。真面目だけどどこか抜けているウヨンに、そして人気者のイ・ス。そんなイ・スはウヨンとなぜかいつも仲良くしていました。
だけどウヨンは気付いてしまったのです…、イ・スのことが好きだと。
イ・スも自分には”特別に”優しいかもしれない…友人たちの助言にウヨンの気持ちも高まります。もしかして告白されるかも？そんなクリスマスイブの日、イ・スがウヨンに”告白”したことは、何とアメリカへの留学。
ウヨンは大ショックを受けますが、自分から出発前にイ・スに告白することを決意。
しかし、そんな彼女の勇気の言葉にイ・スは「お前は友達だ」とアッサリとウヨンを断ります。
2回目の告白
そして数年後。ウヨンはまだイ・スのことを忘れられてはいませんでした。大学生になっても卒業しても、恋人はできたとしても、長続きしていません。
そんなある日、ウヨンはイ・スと再会。彼はビザ更新のために一時帰国していたのでした。ウヨンは久しぶりに会ったイ・スに、気持ちが盛り上がります。
女友達のヨンヒ（アン・ウンジンさん）に「やることをやっていないから」ひきずっているんだ！と一喝されるウヨン。”やること”の範囲がなかなか広そうだなと思いつつも、一理あると視聴していて同意。
ウヨンは再度イ・スに自分の気持ちをぶつけます。（やることは、告白だったんですね…？）「友達にはなれない、好き」だと。
しかし、ここでもイ・スの返事は即答でNO...イ・スさん一体どうして…？
通算2回もフラれてしまったウヨン、彼にはもう会いたくないと告げます。そりゃそうですよね。しかし、どう考えてもイ・スもウヨンの事が好きそうでしたが…。
10年目の片思い
2回目フラれてから3年経過。アルバイトを掛け持ちし、カリグラファーとしての夢を密かに追っているウヨン。
一方でやはり恋愛は全くうまくいきません、やはりというか、イ・スの事を全く100％諦めきれないウヨンさん。とんでもないレベルでイ・スのことが好きなんですね。
酔ってはイ・スに電話をかけたりしていますが、その電話は一体どこに繋がっているのか…。
そんなウヨンは済州島でのアルバイトの際、なんとイ・スに会ってしまうのでした。驚く2人。
ウヨンはもちろん気まずい表情を浮かべるものの、イ・スは特に気にしていない様子。そして飄々と「会いたかった」と笑顔のイ・スさん。罪が重すぎる。
なんでもイ・スさんは、アメリカの芸大を卒業してからカメラマンとして売れっ子になっていたのでした。
ソウルには苦い思い出があるらしいイ・ス。両親のことやヨンヒとの別れが背景にあるようですが、理由がそれだけ？的には思えましたが。
済州島でも過去の告白は全くなかったかのように、優しく接してくるイ・スにウヨンはモヤモヤした気持ちを抱えます。
再び気持ちを抑えられなくなりそうなウヨン、「呪いを解かなければならない」と、ウヨンはイ・スにキスをして関係に終止符を打ちます。（ここで終われば良かったのですが…呪いは続きます）
待つ社長の登場
ソウルに戻ってきたウヨン。しかし新たな出会いがあったのです。
済州島で出会った男性が出版社の社長ジュンス（キム・ドンジュンさん）、それが縁でウヨンはイ・スとも再び強制的に会うことに。
ウヨンはカリグラファーとしてイ・スと仕事をすることになり、並行してこの社長ジュンスともプライベートで”付き合う”ことになります。この突然登場した社長のジュンスさん、いきなりウヨンのことが好きになっていたのでした。
なかなか押しが強めの社長、ほぼ毎日ウヨンの家の前で待っているというシーンが連発され、少々困惑しました。こんなに実家の前で待たれると逆効果のような気も個人的にはしましたが…。
しかし、このジュンスの登場で気持ちが揺さぶられる方が1名…そう、イ・ス君。
ウヨンがジュンスと頻繁に会うことに、完全な嫉妬症状丸出しのイ・スさん。
一方で「人を愛し続ける自信もない」と恋愛不信のために、ずっと誰かを愛することを敢えて避けていたとこぼすイ・ス。
彼の両親は幼いころから不仲でケンカばかりながらも表面的な夫婦関係を続けていたり、イ・スにとってはそれが長年トラウマになっているようでした。
このイ・スがウヨンとの関係を踏み込むのを留まらせている理由が、この親子関係に起因すると暗に描写されている訳です。が、私は視聴していて根本的にこの理由がちょっと”ぬるい”と思ってしまいました。
彼の両親は不仲で仮面夫婦のようでしたが、とはいえ現在も連絡を取り合い修復を考えています。彼だけが30歳近くになっても未だ（ある意味）成長せず、意固地にイ・スを拒否していただけのようで、ちょっと説得力があまりないというか、共感しにくい理由だなとやや不満に思いました。
ウヨンのターン
ジュンス社長の登場が刺激になったのか、イ・スは突然「ウヨンが好きだった！」と齢28歳で気付き始めます。おせえ。
あれだけウヨンを「友達」として退けていた彼は、心を入れ替えます（？）が時すでに遅し。ウヨンはジュンスと交際を決めてしまいます。
ウヨンもイ・スの態度に心が揺さぶられるのですが、彼女にもプライドがあるのでしょう、イ・スを拒否します。
彼女の気持ちは理解はできますが、視聴していて「これは長丁場になる予感…」と絶望しました。ちなみに観ていた私の気持ちを見透かすように、イ・ス君が「今度はオレが10年片思いする！」という絶望に輪をかけるようなセリフを発したので、違う意味で私は泣いてしまいました。
イ・ス＆ウヨンのカップル話ですが、この後も90％が上述した流れをリピートした内容が続きます。
これまで＆これからの流れを端的にまとめますと：
ウヨン「好き」
イ・ス「友達な」
ウヨン「諦められない、好き」
イ・ス「友達な」
ウヨン「もう2度と会いたくない」
イ・ス「久しぶり！会いたかった」
ウヨン「カッコイイけど許せない」
社長（家の前で待機）
ウヨン「もう社長と付き合う」
イ・ス「気付いた、ウヨンが好き」
ウヨン「今更おせえよ」
社長（家の前で待機）
イ・ス「待つ！好き！待つ！」
ウヨン「いい加減にしろ」
社長（家の前で待機）
イ・ス「今度は俺が片想いする！」
ウヨン「信じられない」
社長（家の前で待機）
ウヨン「やっぱりイ・スが好き」
社長「・・・。」
イ・ス「もう離さない」
イ・ス「海外にいくかも」
ウヨン「一緒に行けない」
社長（ウヨンを忘れられない）
ウヨン「別れよう」
イ・ス「わかった…」
社長（店で待機）
以上がエンディング直前までの内容となります。これで85％ぐらいは完全ネタバレ同然になってしまうぐらいかなと思います。
気持ちがやっと繋がり2人は仲良しカップルとなる訳ですが、仕事が原因となるすれ違いで再び「別れ」を選択してしまうウヨンとイ・ス。
凝りない2人、一体どうなってしまうのか…？！正直、もうどうでもいい！と言ってしまいそうになるとは思いますが、是非最後まで視聴して頂ければと思います。
更にネタバレをしますとご想像通りハッピーエンドにはしっかりなっていますので、ご安心頂ければと思います。
ということで、単なる水掛け論的なドラマになっていて、なかなか近年のラブコメでは珍しい内容だなあと逆に新鮮に感じてしまいました。
私はテーマの古臭さも含めて色々な意味で面白いな〜と謎に熱心に視聴したものの、ドラマ自体はあまりお勧めはしません。
オン・ソンウさんが気になる方は、素敵でしたので是非視聴をして頂ければと思います。
