ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ 恋愛なんていらない (感想)

おすすめ度:40%
リアリティ番組度:100%
ご近所度:100%
原題:얼어죽을 연애따위 / Love Is for Suckers (全16話)

韓国ドラマ 恋愛なんていらない 感想レビュー

男女の友情は変化するのか…?2022年放送のラブコメ

あらすじ・キャスト

テレビ局でプロデューサー(PD)として働くヨルム(イ・ダヒさん)は、担当番組が打ち切りとなってしまう。
ライバルでもある同期のチェリ(チョ・スヒャンさん)が担当する人気の恋愛リアリティ番組の元で新人サンウ(イ・デフィさん)らと共にP働くことに。
番組制作でトラブルになったヨルムは、長年親友のジェフン(チェ・シウォンさん)に出演を打診するが…。

感想

20年来の男女の友情が恋愛に…という、王道を行くと思われたラブコメ
序盤は特に非常にテンポが良く、当初の期待を大きく上回る”楽しい”ラブコメになっていて驚きました。
ただ残念ながら途中から、どんどんと雲行きがあやしくなりました。
当初の上回る期待をさらに上回って相当失速したように感じガックリしましたが…。(個人的な感想です)
願望としては序盤のテンポを突き通して、明るいラブコメとして描いて欲しかったです。
恋愛リアリティのテレビ番組の雰囲気も取り入れながら進むので、一見飽きない展開と思えたのですが、メインの2人の関係性に大して”効いて”おらず、逆に焦点が定まらないバラついた茶番のようで私はリアリティショーのシーンでのヨルム&ジェフンについては、総じて中だるみを感じました。
ただ!!!完全なダークホースとして、ヨルムたちよりも面白いカップルがいましたので、ほぼその2人をメインに個人的には楽しめました。

基本的にヨルムのことが1話目から大好き丸出しのジェフンさん。彼が近年稀にみるぐらいとにかく健気。
こんなに”振り回しても応じてくれる”人間(恋愛感情抜きにしても)いるの?というぐらいに全面的にヨルムを100%バックアップしてくれる姿を何度も目の当たりにし、関係ないのに思わず涙しそうになるレベルでした。
ジェフンさんの忠誠心がとにかくすごい。
この一切の揺らぎのない気持ちの描写が、ある意味古風なドラマスタイルで観やすいラブコメにはなっています。
ただこの固すぎる相手へ想いが、良くも悪くも「動きがない」原因にはなっているかなあと思いました。ドラマを観ていて切なさを感じる点がないというか…。
もちろん逆に安定感があってヒヤヒヤせずに観れるという長所でもある訳ですが…。
そのあたりがちょっと平坦でつまらなさに繋がる気もしました。

ちなみにこれはドラマ本筋とは関係ないですが、ちょっと気になったのはこのドラマのヨルムのファッションでしょうか。
イ・ダヒさん、尋常じゃないぐらいにスタイルが良い方なのですが用意されている衣装があまりスタイルに合っているように見えず、個人的には素敵だとは思えず勿体無いと思いました。ついつい妙に白いブーツなどに注目してしまった次第です。

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
 
 
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イ・ダヒさんインスタグラムより

テレビ局のDP(プロデューサー)のヨルム。
彼女には長年の友人がいました。ヨルム宅の2階の住むジェフン。困ったことがあったりすると必ず駆けつけてくれるジェフンさん。
悪態をつきながらも「絶対に裏切らない」雰囲気がすごいジェフン。素晴らしい男友達ですね…。
ヨルムは密かに番組を通じて付き合っていた年下イケメンシェフにフラれたこの日も、ジェフンはもちろん”ヘルプ”に来てくれます。
その視線や行動から、初見で100%ヨルムのことが好きだと丸わかりなジェフン。完全に王道の男女間の友情・愛情に悩むパターンがスタートします。とはいえ、ヨルムには全くその気が無い様子。
年下のシェフとの破局の後、ジェフンの順番になるかと思いきや何と次に登場したのがヨルム元カレ。実はヨルムはこの元カレのイヌさんとは過去に婚約していた仲…。
イヌはヨルムと破談後に1人ニューヨークに赴任してしまい、彼女はその傷がなかなか癒えなかったようです。
その古傷をやっと忘れていた今になって、再び現れたイヌさん。妙に積極的にヨルムに迫るのですが、ヨルムもまんざらでもなさそう。
シェフとの失恋、37歳の誕生日…ふと”普通”の結婚をしたくなったヨルム。そんなタイミングで再会した元カレ。
まさにとんとん拍子、とんでもねえスピードで結婚を決めてしまうヨルム。
そんな彼女の決断を苦しそうに「理解する」ジェフンさんでした。

ジェフンがダメな理由が謎
このドラマの場合ですが、最初からジェフンがあまりにもヨルム一筋という点。
これは一切悪くないですし、観ていて安心感があり良かった。ただ、そうなると問題はヨルムさんになってきます。
家が超近所というか、同じ敷地内に住んでいるのもあり、ジェフンとは近すぎる関係。
そこが2人を微妙な空気感が包んでいるのは理解できますし、家族のような存在になっているのかと思わせられるのですが、序盤にヨルムもジェフンを男性として意識しているようなシーンもあります。
割と最初から2人が”意識してあっている”のが明らかだったので、ヨルムが「何故ジェフンへの気持ちを認めないのか」にイマイチ説得力を感じされませんでした。
そのため途中でリアリティ番組が入ったとしても「ヨルム待ち」が長すぎて、ストーリーはのらりくらり。ただただジェフンが可哀想だな…と同情してしまいました。
まあ、ヨルムが早々に気持ちを認めてしまうと全5話で終わってしまうのですが…。
個人的には「ヨルム待ち」ばかりで肝心の2人の気持ちの駆け引きがあまりにも少ないため、恋愛ドラマとしては私は面白味を感じませんでした。(個人的な感想です、すみません)

『愛の王国』の見どころ
このメインの2人の恋愛事情があまりにも動きがないのもあり、個人的に中盤から特に興味を大きく引いたのがヨルムPD&チェリPD率いる人気番組『愛の王国』の中の、シェフ・ジョン&漫画家ジワンのカップリングです。
というか、もっとこの2人のエピソード見せて欲しい…と感じるように。
普通にこの2人のラブストーリーがこのドラマで一番面白かったです。(すみません)
このリアリティ番組のシーンでした、似たようなカットの多用、前回と同じシーンじゃないのかという場面ばかりと苛々する進行ではありましたが、このシェフとジワンは唯一ストーリー軸がそれなりに確立してあり興味を引きました。

終盤の詰め込みとズレ
気楽なラブコメかと思いきや、所々で差し込まれる暗い影。
ジェフンの医時代問題、チェリさんの家族問題、ジヨンさん完全に当て馬問題、ジェフンの資産の謎、チェリさん突然の部屋突撃、しつこい空気清浄機問題、ネットのゴシップ問題、イヌさんは何だったのか問題などなど…。
総じて、何だったのかっていう。
単純なラブコメにしたくなかったという気負いは理解できるのですが、みんなが抱えている問題が深そうなクセにやたら表面的なものが多すぎて、観ていてついつい考察してしまうのですが、大して広がりがないので無駄なことに気付き正直イラつくというか…。(すみません)
ちょっと社会問題へのミスリード(?)というか、触れてますよ感が露骨で個人的にはあまり良い印象は受けませんでした。
藪から棒というか、突然問題を思いつきでぶち上げてきてその後無言を貫くようなスタイルはちょっと避けて頂きたいとは思えました。
時系列が良くわからないカットを頻繁に挟みつつ、最終回ではヨルムとジェフンのキャリア問題に焦点合わせてきて困惑しつつ…。
恋愛でなく、2人の仕事に対する向き合い方…それがテーマとして語りたいことだったのでしょうか…。

ということで、美味しそうな炒飯のようにパラッパラにバラついたラブコメでしたが、エンディングで思いっきり力技で思いっきり丸くまとめてあり、とりあえずは良かったなと思った次第です。
ですが「ハッピーエンドとは何だろう?」とラストシーンで問いかけてきた時は、お茶を噴きそうになりました。
ストーリー軸のズレを、まさか視聴者へ問われるとは思ってもみませんでした。ただ突然の質問でしたので、考えている間にドラマが終わってしまいましたが…。
とりあえず私が視聴後に最も気になったのはただ1つ:
1話冒頭のウェディングシーンはどこに繋がったのか?
ということでしょうか。
愛の王国メンバーが全員新郎新婦のような衣装を着て、ヨルムに挨拶するシーン。どう考えてもあれは番組最後のセッティングだと考えられますが…。謎というか、雑だなあと思えてしまいました。
ドラマ最初の入りはとてもアップテンポでラブコメ色100%で楽しかったのですが、途中から大きくブレてしまい、気楽でそれなりに面白かったものの「どうしてこうなった」と思いながら渋い気持ちで視聴を終えました。

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