ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ 静かなる海 (感想)

おすすめ度:79%
月面度:100%
ミニマム度:100%
原題:고요의 바다(全8話)

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閉ざされた問題の月面基地へミッション遂行のため到着したクルー。しかしそこは想像もつかない場所だった。2021年公開のSF系ミステリードラマ。

あらすじ・キャスト

最も重要な水という資源が枯渇した地球で、ハン隊長(コン・ユさん)、ソン・ジアン博士(ペ・ドゥナさん)、ホン医師(キム・ソニョンさん)らの精鋭部隊が月にある基地にあるミッションを任され向かうことに。
いわくつきの月面基地だったが、到着後も基地内には不審な点が多く隊員たちに緊張と不安が付きまとうが…。

感想

SF系として重厚感を持たせつつ、押し付けがましくないヒューマンドラマとしても秀逸で良い作品だなと思いました、面白かったです!一気に試聴しました。
宇宙空間という閉鎖空間とそれぞれの人々の思惑、基地の謎など、ミステリー的な切り口もあります。宇宙が舞台なので独特の緊張感が常にあり、試聴していて素直に新鮮で良かったです。

全8話というNetflixではよくある長さですが、映画とドラマの良い所を取っているサイズは今作にピッタリでした。
エンディングですが少々スッキリしない感が残ったものの、個人的には面白い終わり方だなと感じました。
ただ、Netflixのこのサイズのドラマとしては、(好評だったら?)シーズン2の可能性も考慮されていると思われるので、2へ続く余白を単純に残さざる得ない構成になっているのかなという邪推もできますが…。

個人的にこのドラマで最も気に入ったところは、作品の持つミニマムさ。特に俳優陣のものすごく抑えた演技が素晴らしかったです。
タイトルの「静かなる海」とも関係しているかも知れませんが、女性も男性も大声を張り上げるようなシーンが一切なく、作品として知的にコントロールされているという印象を強く受け、その演出がとても効いているなと思いました。
各キャラクターたちが感情を剥き出しにしないという点が、彼らが住む地球の悲劇的な状況ともリンクしていて、良かった。
あまり余計でエピソード稼ぎのような無駄な動きを各々がしないのも、その演出の意図かなと思われました。

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
 
 
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ペ・ドゥナさんインスタグラムより

局長に集められた精鋭たちは、とあるミッションのために呼ばれた者たちです。
放射能で汚染されていると言われる月面基地、パレ基地。過去にその基地ではその事故により、研究者ら117名が死亡しているという問題のある基地です。
彼らはその基地に残ったままになっている宇宙のサンプルを回収してくるというミッションを伝えられます。その残っているサンプルが一体何なのか…詳細は全く伝えられません。
宇宙生物学者で現在は動物行動学者のソン・ジアンは不信感を抱きますが、彼女はパレ基地に行きたいという理由があったのでした。
ただ、成功して無事戻ってきた際には彼等は昇級が約束されているようです。水が大変な貴重品で人は等級によって水の配分をされている社会では、この昇給が何よりも大きな意味を示していました。
とにかくミッションを成功させて帰って来れば良い、そうなれば等級も上がり水もたくさん得ることができる、と楽観的に考える者が多数のようです。

そんな人々の思惑と共にヌリ11号に搭乗した一同、色々トラブルに見舞われつつも、なんとか月に到着。
目的地である、想像以上に巨大な規模のパレ基地へ。基地は無人ながらも電源など失っておらずほぼ問題なさそうです。
しかし探査隊は事前情報として「放射能に汚染された基地」という情報が合致しないという点にまず気が付きます。また、基地内を確認中に複数名の死者の遺体を発見しますが、どれも溺死の死因を示していることも気にかかります。水など存在しないのに一体なぜ…?
そんな中で隊員の1人に犠牲者が。彼は突然大量の水を吐き、まるで”溺死のように”亡くなってしまいます。
惨事を目の当たりにしたクルーはショックを受けると共に、この基地で研究されいた事、当局が隠していた秘密…そんな重大な背景をうっすら感じ取ることに。
隊員の死から、チームドクターのガヨンと博士のジアンらは体からすごい勢いで排出された不思議な”水”について調べ始めます。その水が何らかの形で宿主に移り血液などを媒介して急激に増殖して発生していることを突き止めます。
そう、このパレ基地で行われていた極秘実験それはこの謎の”水”を制御して産業化し、水資源が枯渇した地球で使おうとしていたのでした。
それに気づいたジアンらは隊長に詰め寄ります「”水”のことを知っていたのか」と…。
この隊長ですが地球と交信できないと言いながら、裏では実は局長と密に連絡を取り合っていた謎の人物。
また一方で、ジアンも姉がこのパレ基地の研究者。彼女は密かに姉からの基地で行われた重大な秘密について「メッセージ」を受け取っていたのでした。その他にも、この基地のサンプルを狙っている者がいたりと、どの人物も何を考えて動いているのかイマイチ読めないという面白さがありました。

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後半にかけては、この基地内にいるはずのない生存者が明らかになっていき、静かに盛り上がっていきます。
また同時にクルーたちは次第に仲間の裏切りや謎の水を巡って生存者と対峙するなど、なかなかスリリングなシーンもありますが、このドラマでは常に落ち着いていて、ある意味冷ややかな温度を保ちながら進行するのはスタイルとして大変かっこいい。

生存者を通してジアン博士が亡き姉と”会う”シーンは、きっと姉もジアンと同じように生存者に対して想いを抱いていたという姉妹に共通した信念を感じさせ、今作ではとても印象的なシーンだったなと思いました。
ペ・ドゥナさんは大好きな女優さんの1人ですが、このジアンのようなどこか冷めたしかし強い信念を持ち知的な役柄がピッタリで素敵でした…!

ラストシーンでは、生存者が神々しく映し出されていて神秘的でした。ポジティブな未来を予期させる上空からのライトが照らされる演出が良く、何となく彼らの短くも長い任務と今後の解明を感じさせるエンディングに。
ただ、出てきた謎に関してはほぼ一切説明はありません。ここが視聴者にどう捉えられるか意見分かれるポイントかなという気がします。
個人的には色々と気になるものの、当初からほとんど全てが不明なまま始まっている(そもそもなぜ水、海までもが枯渇しているのかという部分含め)ため、アリだなと思いました。
さらに宇宙という、より謎すぎる舞台に移ってしまったために、雰囲気的にもあまり色々考えてもどうしようもないな…という流れに試聴していてなってしまったのもあります。当初は重力どうなっているのと不穏な気持ちになりましたが、基地内に収まることで問題を避けたな…と、このあたりも視聴者の思考を流すのが上手いなと思いました。
最後は何もかもわからない、だから探索し研究するんだ!という物事の始まりのスタンスを感じるので設定としては繋がっているかなと感じたので、終わり方は良いなと私は思いました。

舞台が大きく変わらないのもあり若干地味さも感じる作品でしたが、独特のスタイルがあって総合的にはとても良いドラマだったと思いました。
とにかく様々な舞台設定や切り口でドラマが次々と作られているのをいるのを実感しますし、特にこのNetflixの全6-8話ドラマによって更に作品制作の幅と可能性が広がっているなあと強く感じさせられた次第です。クオリティも高く面白かったです。

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