ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ 代理リベンジ (感想)

おすすめ度:79%
危険な仕事度:100%
キャラ設定度:100%
原題:3인칭 복수 / Revenge of Others (全12話)

韓国ドラマ 代理リベンジ 感想レビュー考察

兄の死の真相を探るため転校するチャンミだったが、学校は事件ばかりが起こっていた…。2022年のサスペンス・ミステリー。

あらすじ・キャスト

養子となり離れて暮らす双子の兄と妹のチャンミ(シン・イェウンさん)は、不自然に亡くなった兄の事件を突き止めるため、兄の高校へ転校する。
そこには兄の事故の第一通報者チ・スホン(ロモンさん)、オソン(チェ・サンウさん)、そして過去の記憶を失っているジェボム(ソ・ジフンさん)がいた。
しかし学校の問題児に復讐する謎の”ヒーロー”が出現し周囲が騒ぎ始める…。

感想

妙な勢いの面白さ
最終回には不満を大きく感じましたが(後述します)、面白かったです!
基本的には学校でのイジメなどに対する”リベンジ”をテーマにしたドラマです。
主人公チャンミが「兄を殺した犯人を見つける」をスタート地点として、個性豊かなクラスメイトたちが抱えた個々のトラブルが散らかり、巻き込まれながら、気付けば特大雪だるまのように膨れ上がっている状態で混乱。
視聴していて目的を見失っていると完全に気付きつつも、転がりだした雪だるまはもう止められねえぜ!的に、見る者を離さない怒涛のトラブルとケンカ、そして意味のない設定。
とにかく”わからない”…。
端的に表現すると、このドラマは「長所:面白い、短所:訳がわからない」となるかもしれません。
このヤバすぎるバランスが素晴らしく、雑さを感じながらも中毒性さえ覚える構成になっていました。
そのトンチキささえ感じる展開に「とりあえず気になる!」という、渦潮のような視聴サイクルに突入させられてしまうという、非常に”強い”魅力的なドラマで個人的には好きでした。
ちょっと茶化したようになってしまい申し訳ないのですが、大袈裟でなく私は毎週楽しみに視聴していました。

ちなみに主人公のスホン君が自らを「雪だるまの芯の石」と表現したセリフがあり「よくわかんねえ…」と思っていたのですが、視聴後に再び数分ほど考えてみましたが結局わかりませんでした。
テンポはむしろ良すぎてシーンも頻繁に変わるため、中だるみすることは私は一切ありませんでした。
とはいえ、このタイプのトラブルエピソードを積み重ね続ける構造を持つ作品の弱点かもしれませんが、キャラたちの気持ちの描写が相当欠けているため、ところどころで「何故そうなるの…」という時がありました。
良くも悪くも全てが強引なので、良いシーンながらも、逆ににオモシロシーンになってしまっていたのはアリなのかナシなのかよくわかんねえなと感じてしまいましたが…。

学校を舞台にしているためか、登場人物が多く感じる方もおられるかもしれませんが、
顔だけ頑張って覚えて頂ければOKかなと思います。
制作側の親切なアシストなのか(?)、今作ではヘアスタイル重視でわかりやすい個性を出しているキャラも存在します。
誤解がないよう(?)再度強調したいのは、一応は面白いですし、雑ですが謎の魅力があるドラマです。
ただ、ラストは椅子から落ちそうになりましたが…。

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
 
 
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Lomon 991111(@lomon991111)がシェアした投稿

ロモンさんインスタグラムより

親に捨てられた双子のチャンミとチャンギュ。兄のチャンギュは養子として、ソウル在住の夫婦の元でウォンソクという新たな名前で暮らすことに。
プサンに残ったチャンミとソウルの兄。幼少期に離れ離れになったこの兄妹ですが、高校生になっても2人は密かに連絡を取り合っていたのでした。
しかしそんなある日、チャンミが兄のウォンソク(チャンギュ)とビデオ通話をしている際、不自然に通話が切れてしまいます。
そのまま連絡が取れなくなり、不審に思ったチャンミはソウルの兄の学校を訪れます。しかし人から「ウォンソク(兄)は亡くなった」と聞かされ驚愕します。自ら命を絶ったというのです。
他殺を訴えたものの警察に相手にされなかったチャンミは「絶対に犯人を探す!」と決意。プサンから1人ソウルに出発、兄ウォンソクが通っていたヨンタン高校へ速攻で転校するのでした。
自分がウォンソクの妹ということはクラスメイトには隠し、兄の死の原因を密かに探り始めるチャンミ探偵。

設定山盛りクラスメイト
転校先の高校。兄を知るはずの級友たちはなかなかのメンバーばかり。彼らが起こすトラブルにチャンミは巻き込まれつつ、犯人へと繋がる糸口の可能性を探るのでした。
・ウォンソク(チャンギュ):チャンミ兄。良い兄だったが、一部のクラスメイトからは全く違うように思われていたようだ。
・スホン:バイクの売買でトラブルになりチャンミと顔見知りに。母は入院中で金銭問題を抱えている。ボーリング場でバイトをし、ボクシングを習っている。
・ジェボム:交通事故によって過去の記憶を喪失している。オソンが彼の記憶について助けている。
・オソン:父は警察署長で真面目そうな学生だが謎も多い。
・ジヒョン:わかりやすい意地悪女子、スホンのことが好き。
・ジュンギョン:マレットヘアの攻撃的な超ド級の問題児。
スヨン:圧の強い銀髪女子。
・アジョン:アイドル志望の女子。スヨンと仲良し。
・セジン:ウォンソクに助けてもらったことのあるバイオリンが得意の学生。渡米するする詐欺。
・ソミ:ジュンギョンに暴力を振るわれ怯えているショートヘア女子。

チャンミとスホン
チャンミは兄の交友関係を調べるためスホンを追っている途中、彼が脳の病気を患っていて余命宣告状態であることを偶然知ります。驚くチャンミですが、とりあえず聞かなかったことにする選択肢以外ありません。
スホン本人も母の入院費を工面する必要もあり、手術もできない自分の身体を気にする余裕もなさそうです。
母のためにもお金が必要になったスホンは銀髪スヨンと協力し、危険な仕事を請け負うことに。学校のトラブルメイカー、ジュンギョンへの「制裁」です。
しかし脳の病気のせいか、現場で制御が効かなくなったスホンはジュンギョンに対し脅しを”やりすぎて”しまい、警察沙汰に。ただ周囲はこのキツいリベンジを行った謎の者に対し、みんなの”ヒーロー”だと賞賛を贈るのでした。
一方のチャンミは、クラスの意地悪女子ジヒョン&意味深オソンに目を付けられてしまいます。
住む場所を失ったチャンミに、スホンは自分の部屋を提供すると申し出るのでした。

しかしチャンミは数々のスホンの行動に不審点を見出し、彼こそが兄を殺した真犯人だったと決めつけます。
わざわざプサンまで呼び出し、何と競技用ピストルで彼を撃つという大胆な行動に出るチャンミ。(そういえばチャンミは射撃部でした)
このプサンでの出来事、2人の心理的距離が結果大きく縮まったエピソードではありますが、個人的には結構なオモシロになっていて「あのさあ…」と思ってしまいました。
流れとしては
チャンミ「お前が犯人だろ、許さねえ!」
スホン「違う、聞いてくれ!」
チャンミ発砲・誤解と判明
チャンミ(スホンの傷の手当)
スホン「写真撮ろう」
私「???」
スホン君はチャンミに家まで提供した挙句、疑われ撃たれてしまうワケですが、その後一緒に笑顔で写真を撮る気持ちになる流れが、正直私には良くわかりませんでした。しかもチャンミはちゃんと謝罪していないと思います。
彼の余命設定、スホンがチャンミを気になっているという状況、初めての2人の遠出=思い出作り。
このエピソード単独ですと微笑ましくて可愛い2人なのですが、その直前のシーンがヘビーすぎてその落差に笑いそうになった次第です。

韓国ドラマ 代理リベンジ 考察感想

チャンミの性格
兄の仇を討つべく、1人カチコミをする気満々のチャンミさん。
ただ視聴していてチャンミのことは決して嫌いではないのですが、正直「もうこれスホンだけでいいよ」とは思いはしました。
というのも
・チャンミ姉貴の推理がことごとく間違えてしまう点
・疑り深い癖にすぐに怪しい人の発言を信じてしまう点
・デリカシーのない点
あれだけスホン君が隠していた病気についても、野次馬が集まる中で「スホンは脳腫瘍!」と大声でバラしてしまうなど、彼への配慮はないのかと残念に思いました。
また優しく裕福なジェボムを「頼みがあるの」と、ジェボム・サービス窓口を利用しすぎではないかと思いました。というかジェボムには100%頼みしかしないチャンミ姉貴。ジェボム君はチャンミ&スホンの写真を奪っていましたので、チャンミに気があったのではと推測しますが…。
残念ながらチャンミは探偵の要素はなさそうです。

最終回の考察と伏線回収の謎
10話までは”ドラマとして魅力的要素”がとにかく沢山あり、とても面白かったです!
ただ終盤詰め込みまくって混乱の最中、ハイ終わり!!状態で正直呆気に取られてしまいました。(作風に合っているといえば、そうかもしれませんが)
個人的に気になった点を考察含めて上げてみます:
・スホンの余命
これが今作の一番の「必要だったのか」設定かと思います。
最初から「スホンは死ぬかも」という時限爆弾を抱えながら観ることになるのですが、これがいつ爆発するのか?という脚本として最も難しそうな見せ所を個人的にはかなり待っていました。
しかし、結局完全に無かったように濁していました。おそらく彼はチャンミと元気に生きていくでしょう…。
ではこの設定の必要性とは?!大袈裟に言うと、主演男性の大きなこの設定が特に何ら意味をなさなかったことに、私は裏切られたような気がしました。
・ジェボムの人格
結局ウォンソクを蹴ったのはジェボムのもう1人の人格、ジェジュン
ただ、事件の流れを考察するに
”事故”で入院したジェボム(意識不明)→ジェジュン人格として目を覚ます→ウォンソク蹴る→また意識不明の眠りにつく、という流れですよね?
これは説明としてあまりにも苦しい気がします。都合良すぎ。
ジェジュン人格
優しいジェボムの中にもう1人の人格(セリフからは亡くなった双子の弟のようですが)が存在したというのが、大きな切り札になっていた今作。
ただ最終回でチャンミ探偵がまたもや射撃用の銃でジェボムを成敗しようとしたものの、ジェボムではなく真犯人”ジェジュン”が現れたようです。
いつもは勘が恐ろしく悪いチャンミ姉貴ですが、これに関しては速攻で「ジェジュン」と見分けてしまいます。
しかし続くシーンで「この世を去ったんでしょ、諦めなさい」とジェジュンに諭すようなセリフがあるのですが、正直これには笑ってしまいました。
これではまるでジェボム君が亡くなった弟ジェジュンに、単に”取り憑かれている”ようだと思います。人格がもう一つあるというのは、そういう問題ではないと思いますが…。
・オソンの謎
人々を操りまくっていた悪人オソン、真の黒幕です。ですが、その理由も正直ワケがわかんねえなと思いました。
個人的に彼はジェボムのことも好きだったのではないかと思うのですが、その線は一応消されています。
ジェボムが秘密の動画を観たから…と言う謎の理由が語られますが、自らその”秘密”をバラす必要のない父にまで先走って暴露しており、これも釈然とはしませんでした。

他にもアジョンの妊娠設定もそうですが、何かと投げっぱなしの設定が多すぎて、かなり雑だなと思いました。(全ての伏線を回収する必要もありはしませんが)
あと、そもそも問題のジュンギョンはどうなったのかも不明…。
と言うことで、最後は何もかも思いっきりぶん投げて終わった印象で、色々”強い”なと思いました。とはいえ私は嫌いなドラマではありませんでした。
とはいえ、総合的には勢いもありましたし、出演している俳優さんたちも皆さん魅力的でした。
アレコレ突っ込みたくなるはちゃめちゃドラマというのは、結局のところ面白いなと思う次第です。

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