ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

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韓国映画 ロ・ギワン (感想)

おすすめ度:30%
民度:100%
自暴自棄度:100%
原題:로기완 / My Name Is Loh Kiwan (133分)

ネットフリックス ロギワン感想レビュー考察あらすじネタバレ

脱北しヨーロッパの地で生き、出会った女性…。2024年のヒューマンラブストーリー。

あらすじ・キャスト

全ての望みをかけてベルギーに渡ったロ・ギワン(ソン・ジュンギさん)は、あるトラブルで自暴自棄になった女性マリ(チェ・ソンウンさん)に出会う。
難民認定を求め必死に生きるギワンは、いつしかマリと惹かれあうが…。

感想

この作品が何を伝えたかったのか、申し訳ないですが私はわかりませんでした。
脱北者の青年ロ・ギワンがまさに泥水をすすって欧米で必死で独り生き延びる…そんな生き様のヒューマンドラマと思って視聴を進めていました。
ですが途中から、妙に取ってつけたような”ドラマチック”な方向に進み、この人たちは一体何がしたいのかと考えている間に終わったという感じの映画でした。
盛り上がるべきラストに近づくにつれ、何故か視聴者がどんどん置いてけぼりの雰囲気があるというか…。
私は「おう・・・」という気持ちで視聴を終えました。
脱北者がヨーロッパのベルギーに渡り、その地で難民申請して”正々堂々と”生きる、それを軸として進む前半。
このスタートの時点で既に、主人公のギワンはとても背景がある人物な訳です。
彼がどんな気持ちでこの地を選んだのか、どうやって生き抜くのか?…色々な彼の心情が描かれると期待していました。
しかし、謎の女性マリが割と早めに登場します。
このマリさん…、彼女が何とも言えない存在になっていたのが最も気になったところでしょうか。
正直なところこのマリという人物が、単なるネタのオンパレードのようなキャラで何度も無言にさせられました。
このマリのせいで、途中から難民や脱北問題なんて大して関係がないストーリーになっていましたので、視聴していて割と困惑させられました。
マリを演じるチェ・ソンウンさんも主人公のソン・ジュンギさんもお2人とも熱演されていたと感じました。
ですが、いかんせんストーリーの山場がとにかくわざとらしく、脱北者問題とマリの問題は”混ぜると危険”状態の相性の悪さを感じ、観ていて今作に対して非常にしらけてしまいました。(すみません、あくまでも個人的な感想です)

原作は2019年に出版された小説とのことです。私は未読で、この感想はあくまでも映画視聴の感想となります。

ゆるいネタバレありの感想

ロ・ギワン Netflix 映画 感想レビューネタバレ

ロ・ギワン。彼は北の出身です。
脱北して中国からブローカーの力を借りて、1人ベルギーに渡って来たのでした。
この異国の地で難民申請をして、隠れて暮らすことを目標としていたのです。それは亡くなった彼の母の願いでもあったのでした。
しかしそう簡単に認定を受けることはできません。
お金もそれほど持ち合わせていないギワンは、公衆トイレを寝床にして過ごす日々。危険な目にも度々遭うギワン、身も心も限界に。
そんなある日、彼は全財産を盗まれてしまいます。その犯人こそが、マリという女性でした。

マリとの出会い
ギワンの財布を盗んだマリ。2人はそこから顔見知りになります。
マリはその射撃の実力を利用されて、地下賭博のグループに関係する人物。
彼女はこの賭博場を経営しているシリルから借金もしており、且つ彼とはクスリ仲間でもあるようです。
とにかく、”危ない”設定が役満のマリさん。
裕福そうな父親がいるものの、母親を亡くした事がトリガーになったのか「自暴自棄な女性」というアイコン丸出しのキャラのようです。
そのキャラのせいでついギワンのお金も盗ってしまったのでしょう…。
しかし、難民申請でボロボロなはずですが、常に精神が安定しているギワンの真っ直ぐな瞳のおかげで、次第にマリは自分自身を取り戻していきます。

気になった点
・ギワンの見た目
申請を待つ間、トイレで寝泊まりして身体的にも精神的にもボロボロだったと想定できたギワン。
ただ、ギワンから追い詰められた悲壮感、壮絶さのようなものを正直なところ私は全く感じませんでした。
演じるソン・ジュンギさんが元来持っておられる清潔感から来るものかもしれませんが、もう少しキャラとしての説得性が欲しかったです。
・マリ
母親が父の手で安楽死させられたことで、父への反抗からか”不良化”してしまったマリさん。
状況はとりあえずわかりますが、かなりのネタキャラで個人的には萎えました。
ドラッグ!違法賭博!前科者!男問題!と色々な大きな問題を持ちながらも、全て簡単に片付き、結局親のお金があってヨカッタネ!!…という流れになっていて、普通に笑いそうになりました。
・ギワンの話とは
苦労を重ねて手に入れようとした”生きる”権利…、それがメインストーリーだったのではないかと信じていました。
しかしギワン自身にとって大切な日を、マリ救出のため法廷を後にします。いつの間にギワンがマリにそれほど真剣になっていたのかよくわかりませんでしたが…。
気付けば1年後、無事ギワンは権利を取っていた!ヨカッタネ!というコンマ数秒のI Dカードシーンで難民申請の話が終わっていたので、視聴していて泣きました。とりあえず法廷抜け出しても認定されたようなので良かったです。
・何の話だったのか
脱北して難民申請をする苦労の中で見つけた真実の愛!
しかし愛する女性はステレオタイプ的な悪そうなギャング組織と関係があるという異次元の問題勃発!そんなことってあるのですね!?
結局2人は国を離れて、異国で新たに真実の愛のため生きる…。
その新たな地での滞在ビザとかは大丈夫なんでしょうか?何故警察からは追われないのでしょうか?
とにかくわからないことが多すぎましたが、ヨカッタネ!と自己暗示のように思うしかありませんでした。
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ということで、物語のスタートでは一体どのようなお話になるのだろうかと期待していましたが、単なるラブストーリーに着地していて呆気に取られました。
これなら別にヨーロッパの国をベースにする必要性も感じられませんでしたし、あのギワンの地獄のような日々はただの前フリのようで残念に思えた次第です。
重めの題材でしたがわざとらしい軽い展開で、かなり渋い気持ちで視聴を終えました。(個人的な感想です)

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