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韓国映画 殺人鬼から逃げる夜 (感想)

おすすめ度:59%
全力疾走度:100%
誰もいない道度:100%
原題:미드나이트 / Midnight (103分)

殺人鬼から逃げる夜 映画感想

犯人に狙われ追いかけられる夜…!2021年公開のスリラー映画。

あらすじ・キャスト

耳が聞こえないギョンミ(チン・ギジュさん)は、ある夜に事件に巻き込まれたと思われる女性を発見する。しかしその後から、ギョンミ自身も犯人に追いかけられることになるのだった…。

感想

タイトルに偽りナシ!というか、完全に一致してしまう映画作品です。
ただ邦題がこのようにド直球にされていますが、あくまでも原題と英語タイトルは共に미드나이트 / Midnight(深夜、ミッドナイト)ですので、ご注意(?)頂ければと思います。
まさに殺人鬼から逃げるという内容で、シーンの7割は誰かが走っているのではないかというぐらい…。
とにかく役者さんが全力疾走していて、大変そうだなあ…と素直にそう思いました。
お話としては、サイコパス気味な恐ろしい無差別殺人犯と、耳が聴こえない主人公の女性との攻防戦です。そのため緊張感が常にあり、視聴していてヒヤヒヤさせられるシーンも多かったですし、そこがポイントになってきます。
ですが、同時にイライラするシチュエーションや「どうしてそうなっちゃうの?!」と疑問を強く抱く点が頻繁にあったため、色々な意味で私は観ていて割とストレスを感じました。
ちょっと出オチのような雰囲気が強かったように思えましたが、エンディングも良かったと思いました。

特に序盤というか物語のスタートとしてはテンポが良く、驚異的なスピードで展開が進みます。
ただそれ以降あまり物語の広がりを感じず、私は中盤あたりでストーリー展開にワンパターンさを感じてしまい、正直少し中だるみしました。
上述したように、ヒヤヒヤする怖さとイライラさせられる部分のバランスが作品内でちょっと悪い気もしたので、映画として考えるとそのあたりが微妙な線かなと思いました。
個人的にはイライラする感情の方が勝ってしまいましたが…。(怖いのはすぐに慣れてしまうので)

作品内で冒頭から犯人バレしているので書きますが、ウィ・ハジュンさんが犯人役を演じています。独特な不気味・怖さの演技が本当に上手いなと思いました。
チン・ギジュさんが耳が聞こえない女性の役ですが、ギジュさんの持っておられる芯が強い雰囲気が作品に大変合っていたし、怯える演技や勇気を振り絞って立ち向かうというような表情もとても良かった。
セリフがほぼないですので、また違った演技力が必要だったのではと思います、役者さんはすごいです…。

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
 
 
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ウィ・ハジュンさんインスタグラムより

音が聞こえないギョンミは、夜間人通りの少ない道で不穏な雰囲気を感じ取ります。
ギョンミと同じく耳が聴こえない母と待ち合わせていた場所…その暗い通りに女性が血を流して倒れていたのでした。
ただ事ではないとギョンミは動揺しますが、その様子を見ていたのが犯人。彼は次のターゲットをギョンミ、そしてギョンミの母とします。
この犯人のドシクですが、駐車している車に色々なグッズを持っているらしく、速攻でビジネスマン風に変身したり、自分が刺した女性を隠したりとめちゃくちゃです。この不審すぎる車をまず警察が見つけて欲しいと切に願ったのは言うまでもありません。
そんなドシクはギョンミの前に颯爽と「何か困りごとでも?」的に登場。ギョンミは一見親切そうな雰囲気に惑わされすっかり彼を信用してしまい、母と共に警察署へ向かいます。
犯人ドシクですが、彼女が余計な事を言わないかと監視したかったかのようでした。

そして警察署へ行く一同。
ここからのシーンが、本当に個人的には「これはあまりにも...」と無言になってしまった、結構とんでもねえエピソードに入ります。
まずギョンミが警官に必死で色々と説明するのですが、彼女は話せません。既にその時点での警察の態度が非常に失礼極まりなく、ほぼ彼女の話をしっかり聞こうとはしていません。
また、途中からギョンミと母がドシクの不審な態度に疑問を持ち、彼こそが怪しい人間では?と2人は手話で会話し合います。そんな自分を疑っていると思われる2人に苛立つ犯人。
と、何と突然ここであの流血していた女性の筋肉アニキが警察に乱入。
こともあろうに、署内でドシクと取っ組み合いの喧嘩以上に、殺人事件に発展しそうな勢いでトラブルになります。ちょうど、呑気すぎる警察2人が外に出たところでした。
署内では恐らくカメラも設置されていると思うのですが、警察はこのトラブルを全く問題にしません。ギョンミと母は一部始終を目撃しており、説明もできたはずですが…。
この一連のエピソードで、かなり視聴していて、正直かなり萎えてしまいました。
あまりにも、明確すぎるレベルで都合が良すぎるのではないでしょうか。
もちろん、ギョンミ親子含め社会の差別的な態度などを顕在化したかった演出もあるかと思いますが、シチュエーションがあまりにも都合が良すぎて意図が伝わりにくいと思いました。

しかしこれがきっかけとなり、ギョンミ、母、そして筋肉アニキの中ではこのドシクこそが犯人だという共通認識ができあがります。
そして、恐怖の深夜の”鬼ごっこ”が始まります。しかも全速力です。この街には他に人が存在しないのかという疑問を抱きつつ…。

最終的には「なるほど」という解決点で、ギョンミがやっと殺人犯に勝利します。その策については是非映画を視聴して頂けたらなと思います。
主人公が聴力を失っているという状況を表現するのに、音を無音にするという演出がありますが、そこは特に良い表現だなと思いました。臨場感があったし、怖さもありました。

というわけで、面白く感じた点もありましたが、あまりにも取って付けたような都合の良い展開や”邪魔が入る”部分に非常に違和感を覚えてしまう作品だなあという印象でした。
ハラハラする部分も多かったですが、ストーリーに幅がなくその割には妙に長く感じる映画になっていて残念に思った次第です。ちょっとワンパターンのように感じてしまうシーンが多かったかな…。

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