ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ 私を愛さないXに (感想)

おすすめ度:53%
自尊心度:100%
謎のノート度:100%
原題:나를 사랑하지 않는 X에게 / Dear X Who Doesn't Love Me (全10話)

私を愛さないXに 韓国ドラマ 感想レビュー

恋愛未経験のヒスが見つけた不思議なノートとは…2022年のヒューマン系ラブストーリー。

あらすじ・キャスト

大学生のソ・ヒス(ハン・ジヒョさん)は父の書斎から謎のノートを発見する。そこに書いたことは、やがて現実となることが判明し驚くヒス。
ノートを使って簡単に恋愛を始めるヒスに、親友のチョン・シホ(ドヨンさん/NCT)は注意するが、ヒスは彼の言う事を聞こうとはしない…。

感想

ちょっとラブストーリーとしてはぼんやりとしたお話になっていて正直少し拍子抜けしましたが、それなりに面白く視聴しました。(私が完全にラブコメ作品だと期待したせいなのもあるのですが…)
恋愛のお話がメインというよりは、主人公ヒスの「成長」「気付き」をテーマとした作品となっています。
主人公の女性ヒスが不思議なノートの力を借りて恋愛の経験を積んでいきますが、どこか満たされない気持ちが続きます。一体何が”足りない”のか、自分自身への気付きやその過程を描いた全10話の視聴しやすい長さのWEBドラマです。

ヒスの男友達であるシホ役のドヨンさんですが、『深夜カフェ』以来だなあと思って視聴していました。(他の作品にも出演されているのかもしれませんが)
今作でも女性に振り回されてしまうタイプの男性キャラでしたが、ご本人の誠実で真面目そうな雰囲気に役が合っていて良いなと思いました。
ちなみに速攻のネタバレで申し訳ないですが、ドヨンさんのキスシーンは無かったので「さすがアイドル」と思った次第です。
ファンの方も安心して(?)視聴して頂ければと思います。とはいえアイドルの方が出演される作品特有の工夫された匂わせシーンが存在しましたので、個人的にはそれだけで満足度が高い作品でした。

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
 
 
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ドヨンさんインスタグラムより

地味な大学生のヒス…。サークルで憧れている先輩ガン・ウクとまともに話すことすらできません。
そんなヒスに先輩は優しい態度で接します。ひょっとして先輩も自分のことを想っているかも!?と、恋愛経験が不足しているせいか、ヒスはついつい勘違い。
しかし飲み会の帰り道、先輩は美人の後輩と仲良くしている姿を目の当たりにし、ショックを受けるヒスさん。先輩は自分になんて全く興味なんてなかった…真実にガッカリするのでした。
そんな時、実家の父の書斎でヒスは不思議なノートを発見します。
ノートを開いてみると更に謎の感覚が彼女を襲います「心を込めて書け、叶えてやる…」ヒスは半信半疑のまま、そのノートに何かを書きこみます。
その後、ヒスに信じられない事件が。
皆の目の前でヒスに突然公開告白してくるウク先輩…。
ウクと付き合っていたと思われる後輩もその場にいて凍りつく表情に。ざわつく周囲、驚くヒス。ヒスの男友達シホもその様子を無言で目撃していたのでした。
状況にビックリする様子のヒス、しかし思い当たるフシが。そう、あのノートです。
このヒスと先輩のラブストーリーは、全てヒスがあのノートに書いた願望だったのでした。
ここから、恋愛未経験だったヒスが謎のノートに書いた恋愛が現実化するというお話がスタート。
全ての願望が叶う訳ではありませんが、”現実的”な事柄は全てOKのようです。ただし期間限定…。
ちなみに主演のドヨンさんがアイドルNCTのメンバーということも関係してか、ノートのルールの1つに「現実的な相手のみ」というものがあり、暗にアイドルとの恋愛の願いはNGと読み取れる部分もあり、ちょっと面白いなと思いました。

私を愛さないXに 韓国ドラマ 感想

このノートのおかげで、ヒスさんの華麗な恋愛マスターの道がスタート。
ノートパワーで、簡単に相手の気持ちが手に入るため、好き勝手に恋愛を始めるヒスさんです。
そんな華やかな彼女の姿を、苦い顔で見ている男性が。もちろんシホ君です。
実はシホとヒスは高校時代からの親友。2人にはお互いの弱さを理解できる特別な友情関係があったのでした。ヒスは彼の事を完全に友人として見ているようですが、シホ君にとってはそうではない様子。
シホは次々と恋愛を繰り返し、傷ついたりするヒスの姿を見るのが辛そうです。可哀想なシホ君…。(ちなみにシホはノートの秘密を聞いて知っています)

恋愛を重ねるヒスですが、次第に心が全く満たされていないことに気付きます。
そりゃそうですよね、1ヶ月がすぎると相手に「何故好きだったかわからない」と言われて去られるのですから。完全に一時的な魔法だった訳です。
また、相手に告白され愛されているという表面的な部分だけで、自分の気持ちを一時的に充足感を得ているに過ぎないことも薄々気づき始めるヒス。しかし、ここまで突っ走って来たのでもう止まらないヒスさん。
しかし前提としてそもそもノートの残りページも少なくなってきました。シホもそれについては心配そうです。
その頃、ヒスの異様なモテモテ具合と、好きなシホ先輩の気持ちが手に入らないことに腹が立った後輩セジンにノートを奪われるという大事件があり、お話はやっと大きく動き出します。

ヒスのノートを盗んだセジンがいきなり病んでいく描写と流れは突拍子もないというか、正直あまり観ていて理屈が理解できず微妙な気持ちになりつつ…。
最終的なノートの”謎”については「なるほど」という結末になってはいますが、ちょっとこじつけ感あるというか、強引さがあるなとは思います。
主題として元々ヒス自身が抱いていた自尊心や人間不信そのような気持ちにしっかりと向き合い、他人からの答えではなく自分でその回答を見つけるという帰結になっています。
ただ、そうなってくるとシホの存在がちょっと色々と都合がよすぎるというか可哀想というか…。
後輩が「いつもシホがヒスにはいるのに(気付いてねえ)」という指摘は割と正しくて、このドラマのテーマの中でシホという役割の存在が曖昧すぎて、もう少し彼のキャラを中盤でも活かしてあげればいいのになあ…とは残念に思いました。(ドヨンさんが悪いという意味ではありません)
女性を待つ幼馴染というポジションキャラは王道ですが、あくまでもラブストーリーだから活きてくる設定だと思います。
今作では主人公女性の自尊心などがテーマのように思えましたので、その場合のシホ君のキャラの立ち位置を活かすためにも、もう少し早めにヒスが”何が大切”かに気付いて、シホとの恋愛に踏み出すという部分までしっかり描き切って欲しかったかなと個人的には思いました。

もちろん最終回では、シホとヒスのハッピーエンドは(一応は)判明しますが、ちょっと線が弱くて、観ていてイマイチちゃんとした答えが無いのはスッキリしないと残念に思った次第です。
ということで、適度なファンタジーで面白くはありましたが、ちょっとハッキリしない恋愛の軸が勿体なかったなという印象のドラマでした。

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