ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ コッソンビ熱愛史 (感想)

おすすめ度:67%
3人の士人度:100%
下宿度:100%
原題:꽃선비 열애사 / The Secret Romantic Guesthouse (全18話)

コッソンビ熱愛史 韓国ドラマ 感想レビュー考察批評

下宿に集まった3人の士人、一体彼らの正体は…?2023年のミステリー・ラブコメ時代劇。

あらすじ・キャスト

ユン・ダノ(シン・イェウンさん)は二花院という、科挙を受ける士人向けの下宿を営んでいたが、気味の悪い噂のためか新規のお客はなかなか来ません。
ダノが半ば無理矢理連れてきたカン・サン(リョウンさん)とシヨル(カン・フンさん)と、以前から滞在しているユハ(チョン・ゴンジュさん)らでやっと下宿は賑やかな雰囲気に。
そんなある日、二花院にイ・ソルという人物を探しに人がやって来るが…。

感想

時代劇としては軽めで面白かったですが、ちょっとダラダラしているなと思いました。
全18話と長めの構成ですが、18話である必要性を個人的にはほどんど感じませんでした。
”熱愛史”とタイトルにあり、加えてコッソンビという言葉の意味合いが「美男子の士人」ということなので、第一印象としてはラブストーリーが最も主軸の印象でしたが、残念ながらシーンとしてもそれほど強く感じませんでした。
強いラブコメ時代劇を期待されて視聴すると、少しガッカリされるかもしれません。
舞台となる下宿には主に3名のイケメンが滞在し、女主人のダノを巡って…という楽しそうな構図がすぐに出てくる割には、あえて(?)なのかその四角関係を大して活かさずという状況で、18話もあるので何となくネタとしてもラブコメ好きとしても勿体ない気もしました。
ラブストーリーとは別のもう1つの今作の大きな軸ですが、イ・ソルという廃世(ら)は一体誰か?というミステリー/政権要素。
ですが、ここも「誰か?」という部分だけ考えると確かに謎解要素も多く十分面白かったですが、それ以外の描写が妙にわざとらしいというか…。
色々とメリハリの無さが目立ったように思えました。(個人の感想です)
長所として時代劇お馴染みのヒゲ爺たちの策略!陰謀!談合!のような陰気シーンが今作にはほぼ皆無ですので、軽妙で観やすくて良かった。
ですが爺を減らすということは出演キャラも少ないワケで、その裏の策略描写がない反動で、最後までなかなか登場人物を上手く減らすことができず「なぜ”最後”までやらないのか…」と色々な意味で中途半端に”取り逃がしてしまう”ベタなエピソードが多すぎて、結果わざとらしさに繋がっていました。
そこがドラマとして私は結構気になりました。ヒゲ爺を大幅カットするとこうなるのだな、と思った次第です。
ちなみに大御所アン・ネサンさんが出演されていますが、今作では驚く程影が薄いなと思ってしまいました。それ程、今作でのヒゲ爺枠はクセが強くありませんでした。
そのためなのか、全体的になんとなく「面白いけど、ぼんやりしている」ドラマになっていたように感じました。
私は序盤のコントのようなフワフワした掴みに面白味を感じず放置気味になっていましたが、動きが強くなってきた中盤以降楽しめました。
終盤それまでにペースを考えると急ぎ足のようになってはいましたが、上手くまとまっていたと思います。

ゆるいネタバレありの感想

シン・イェウンさんインスタグラムより

士人を対象に下宿屋「二花院」を営んでいるダノ。このあたりは科拳を受ける者相手に宿が多く、どの宿も盛況のようです。
しかし二花院だけは閑古鳥…。それもこれも、幽霊が出るという噂が出回っているせいのよう。
とはいえ営業をしているダノにとっては、お客さんは必要です。今回はかなり無理矢理でしたがカン・サンとシヨルという2名をお客さんとして連れてくることに成功。良かったですね。
宿の不吉な噂を否定するダノですが、真顔で宿の離れには近づくなと彼らに警告します。やはり幽霊の話は本当なのでしょうか?

人探し
平和そうな二花院の宿に、イ・ソルという人物を探すものがやってきます。
このイ・ソルは実は廃世子。両親は殺害されています。兄弟を亡き者にして権力の座を奪った王は、この廃世子の存在を完全に消し去るべしと考えたのでした。
探していた人物は二花院にはいなかった様子ですが、サン、シヨルそしてユハの3名は何となく不自然な様子。
そんなある日、ダノは突然借金の返済を迫られることに。
借金の相手とイ・ソルを探している人物が同じチャン判官ということもあり、ダノは「私がイ・ソルを見つける!」と借金と廃世子情報を引き換えるという突然の交渉に出ます。
この流れは強引すぎるでしょ…と微妙に思ったのですが、とりあえず簡単に交渉成立。
彼女が二花院を守ろうとする理由、そして例の”離れ”の秘密。それはダノの姉ホンジュを離れにかくまっているからでした。ダノは姉のためにも、宿を手放さずに借金問題を片付ける必要が。
彼女は密かにソルを見つけるべく、まずは情報収集にと独自に動き始めるのでした。

コッソンビ熱愛史 韓国ドラマ 感想レビュー考察あらすじ

イ・ソルは誰?
廃世子イ・ソルは一体誰なのか?このネタを長く引っ張るのかと予想していましたが、それなりに出たヒントの通り、正体は直球ストレートでカン・サンでした。
そしてダノの恋する相手は…?こちらも答えはカン・サン。
結局全部サン!!と、比較的早めに2つのルートがドラマ内で確定してしまい、視聴していて早々に私は手持ち無沙汰(?)状態に。
ダノとサンの恋はほぼ揺れることもなく進んでいきますので、残念ながら個人的にはあまり2人の恋愛模様に興味を持てませんでした。
ダノに対しての恋心ですが、サンよりも最もわかりやすい男性の存在がユハさんなのですが…。
彼が、全く2番手すらにもならない立場で観ていた私が完全に涙目。ユハ~と心の中で1度ぐらいですが叫んでしまいました。
18話もあるのに、ユハには恋愛ノーチャンスで終了とは非情。ラブコメ的にはもう少し楽しみたかったと思えました。ユハさん良かったのですが…。

番人とあと1人、恋愛事情
イ・ソルはサンでしたが、廃世子を”演じて”様々な人を惑わせたのがユハ。
ダノへの気持ちは報われませんので、それぐらいはしょうがないな(?)とついつい思ってしまいました。
実はユハと廃世子=サンは、兄弟であると後半に明らかになります(ユハは隠し子)。
しかしそれまでは、ユハとサンはお互いの腹の探り合いで微妙な距離感、敵対心を持つことに。
ここで加えて、イ・ソルを密かにずっと守っていた番人と呼ばれる剣士こそ一体誰かという部分が結構な(ある意味で)クライマックスのような場面となっています。
番人はシヨルだった訳ですが、かなりドラマチックで目立つ良いシーンでした!
そしてラブストーリーですが、気付けばシヨルはダノ姉としっかり恋愛していましたので、私はまたもやユハ…と涙目になってしまいました。
何となく3人の正体は何か?という謎解きが、このドラマで大きな軸の部分になっていましたので、これ以降は役割がハッキリして観やすい流れになっていったと思います。

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3人が手を組み恋愛も上手く行き、目がギンギンの何がしたいのかわからなかった王も倒れます。
残念ながら愛する相手がいないユハは、早々に「カンテクするよ!?」と言われてしまっていて、ここでも私がそのユハさんの適当な扱いに涙目になりました。ちなみにカンテクと言えば…と、全く別の作品を遠い目で思い出した次第です。
一方で、やたら自由に行動しすぎているホンジュに対して、離れで存在を秘密にしていた意味…と疑問に思いつつ。
彼女が番人シヨルの”本当の正体”を知りショックを受け失望し怒る様子に、これこそがシヨル君の仕事じゃないの…と少々理不尽さというか彼が可哀想に思えました。

ということで、色々とどうなの?と思う点もありつつも、無事エンディングを迎えて良かったなあと思いました。ユハさんには是非幸せになって欲しいです。
全体的にちょっとパンチが弱いなと思いましたが、時代劇でありながらかなり軽く観れるので良かったと思いました。ただ個人的にはもう少しラブコメ要素が欲しかったところです。

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