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韓国ドラマ ボラ!デボラ~恋にはいつでも本気~ 感想

おすすめ度:89%
母方の家度:100%
ゴミ度:100%
原題:보라! 데보라 / Bo-ra! Deborah (全14話)

ボラ!デボラ~恋にはいつでも本気~ 感想レビュー批評口コミ

最強恋愛コーチ、デボラ。しかし彼女自身の恋は…?2023年のラブコメ

あらすじ・キャスト

ラジオやコラム、作家として毒舌で大人気の「恋愛コーチ」デボラ(ユ・インナさん)は大忙しの日々。
そんな恋愛マスター・デボラに本の出版をオファーしようと、出版企画者のスヒョク(ユン・ヒョンミンさん)らはボラに会う。しかし、実はボラとスヒョクは数日前にあるお店で出会っていた相手だった…。

感想

ブコメとコミュニケーション
クセが強く、あざとく、そしてコミカルでとても面白かったです!
まずキャスティングが満点。主役のボラ演じるユ・インナさんですが、本当に完璧でした。もうユ・インナ先輩以外考えられないというぐらいのデボラさん。
その天真爛漫さに見え隠れするあざとさが(良い意味で)馬鹿馬鹿しくもあり可愛らしくもあり、とっても良かった。
一方でそんなボラに対し、気持ちを言葉にできない感情表現が苦手なスヒョクを演じる、ユン・ヒョンミンさん。
ヒョンミンさんの落ち着いた雰囲気が、ボラのちょっと世間離れした(?)フワフワした感じと上手く緩和されるようで相性が良くて、素敵でした!
加えてデボラの彼氏であるジュワンを演じるチャンソンさんですが、ベタな時代劇のようにクドくてわざとらしくてウザく(もちろん全て良い意味です!)、多くのシーンで抜群に良いスパイスになっていて普通に笑えました。
演出が全体的に過剰な部分も含め、このドラマを陽気で楽しい作品にするぞ!という強い意思を全キャラから感じさせられ好印象。

お話ですが、根本的にはかなりシンプルでベタなラブコメです。
強気で他人にはアレコレと細かい点まで気が付く「恋愛コーチ」デボラですが、彼女の私生活は恋のプロからは程遠い恋愛事情を経験中。
一度はどん底を経験したデボラが再び立ち上がって…というストーリー。
特に変わった展開はないものの「やっぱりラブコメはこうでなくては…!」という、楽しさ&安定感がすごい。
またもう1つのお話の軸として、作品全体で人間関係においてのコミュニケーションについて筋の入った描き方を全編で取り上げられていました。
ボラの性格も他人には上手くアドバイスできるのに、自分のことになると歯切れが悪いというのが象徴的ですが、今作は意思疎通についてもテーマにされています。
今作で描かれるキャラは、それぞれ考えや主張がありますが、人間関係においてどうしても気持ちにズレが生じるもの。
その人の持ち前の性格や置かれた状況もありますし、いつも思う存分発言できて相手が全て理解してくれるというミラクルは、そうありません。
お互い少しずつ誤解を補正したり訂正したり、時には強く主張して人間関係を構築したり修復したり強くしたり…。
その過程や気付きを、今作では押し付けがましくなく描いていて、良いなあと印象に残りました。

ヒネリを入れた脚本でなく、とても素直で視聴していて気持ちのよいドラマだと思えました。純粋に良かったです。
ただヒネリの無さが展開の遅さに(私はテンポは悪いとは全く思いませんでしたが)、そしてキャラのクセ強めの演出が苦手に感じられる方もおられるかなとは思いました。
ですが基本的には多くの人がイメージされるストレートな”ラブコメ”になっているかなと思います、気になった方は是非観て頂きたいと思います。

ゆるいネタバレありの感想

ユン・ヒョンミンさんインスタグラムより

恋愛コーチ、ヨン・ボラ。恋愛指南書として本も出版、ラジオでの恋愛相談、コラム…。
まさに強いインフルエンサーとして、デボラはそのストレートな物言いとキャラクターで人気者です。
そんな彼女に新しい新刊の出版企画が。出版社真理の副代表のスヒョクは、代表と共にボラと会うことに。
実はデボラとこのスヒョクは数日前にティファニーで光輝く指輪を巡って、ひと悶着あったばかり。2人はその時の印象もあってか、既に出版に関する契約打診への顔合わせの場で超険悪なムードとなってしまいます。
とはいえ、彼女は今私生活では彼氏ジュワンからのプロポーズを待っている状況。小さいことを気にしている場合ではありません。
スヒョクとのふとした会話からアイデアをもらい上機嫌に。プロポーズを自ら勝ち取るべく、彼氏の家にサプライズで向かうことに。

まさかの出来事
親友のユジョンからの連絡で、チキン店フランチャイズを経営するの2代目彼氏ジュワンが指輪を購入したらしいとの情報を得てから、”その時”を今かと待つばかりだった健気なボラ。
彼女の周囲はティファニーブルーに染まり、勝利目前で浮足立った彼女でしたが、目の前に突き付けられた現実はひどく厳しいものでした。
そう、彼氏の浮気…。ボラは天国から地獄に一気に突き落とされてしまいます。
続けてあの素敵だったジュワンの理解不能の言い訳&逆ギレ、一気に見苦しい修羅場に転落。
予想しなかった現実に、今まで的確で鋭いアドバイスを他人にしていた彼女とは程遠い姿に。ボラは動揺し、混乱してしまいます。
そんなパニックになった彼女を密かに見ていた人物が…、スヒョクでした。
天下の恋愛コーチの無様な姿にスヒョクは半分面白味を感じながらも、ボラの置かれた状況に少し同情するのでした。というのも、彼もまた失恋を経験したばかりだったのです。

ボラ!デボラ~恋にはいつでも本気~ 感想考察レビュー批評

ゴミ収集車伝説
ボラは時間をおいて彼と話そうとしますが、再び崖から突き落とされるような出来事が。ジュワンが「ボラといると息が詰まる」と、語っているのを聞くのでした。これはもう彼の本心に違いありません。
ボラはここにきて、本当の”2人終わり”を感じ、絶望。
まさかの破局に自暴自棄になってしまったデボラさんの元に、まさに”気乗りしない飲み会にやってきた”表情のジュワン。(飲み会~は秀逸な例えだと私は思いました)
2人はなんと、ゴミ収集車を交えての派手な痴話喧嘩をぶちかましてしまいます。
そんな最悪のコンディションのまま、ボラは出版社のパーティーでも続けて大失態をおかしてしまいます。一同唖然。絶句。
ボラの醜態はたちまち世間の知るところに…。彼女の華やかなキャリアの終わりでもありました。

再び醜態
世間から猛バッシングを受けるボラ。まさに人生のどん底、しかしなんと再びボロボロの姿のまま元カレ・ジュワンの家にカチコミに。
号泣しながら彼にすがりついてしまいます。デボラさん、どうして…。
これにはジュワンも困惑。ついにハッキリと「嫌いだ」と告げ、冷たく拒絶するのでした。またもや絶望するデボラさん。
そんな彼女に手を差し伸べる人が。そう、スヒョクです。

ボラ!デボラ~恋にはいつでも本気~ 感想考察レビューあらすじ

デボラさんと犬
やっとぼろ雑巾のメンタルから脱したデボラさん。しかし続けてトラブル発生。
お金が取り急ぎ必要になったボラに残された道は、書くことしかありません。
一度は(?)突っぱねた出版のオファー、しかしお金目当てに契約を結びます。
ここで再び強くスヒョクとデボラ繋がりが生まれることに。
しかしここからのデボラさんですが、自分のどん底の姿を一旦晒した相手には”何でもOK”になってしまったのでしょうか…?
幾度となく酔ってはウザ絡みするデボラさんでしたが、ついにスヒョクさんも苦笑いする状態で、何とお散歩中の犬状態で尿意をもよおしてしまうことに。
正直あのようなシーンが入ると思わなかったので、私は「嘘でしょ…」と思わず視聴していて無意識につぶやいてしまいました。こんな謎場面で強気で攻めてくるデボラさん、すごい。
しかしこの強烈なシーンは、視聴者とボラにとっても強いショック療法に。
以降、彼女は”母方チキン”の男性のことを思い出さなくなってしまいます。

スヒョクとデボラ
マイペースながらも元恋愛コーチとしての力もあってか、スヒョクとデボラはお互い気持ち100%上昇中ながらも、その距離は近くなったり離れたり。
途中、お約束の(?)スヒョクの元彼女が登場して、2人の気持ちを揺れ動かしたりしつつ、ザ・ラブコメとして進んで行きます。
加えて、あのまま静かにフェードアウトする”はずのない”ジュワンも華麗な復活!
更にウザさがパワーアップしており「ああ言えばこう言う」アクの強いジュワンさんになってしまいます。
感情を言葉に出せないスヒョク(もどかしい)とデボラの恋は一体どうなってしまうのか…?
2人の恋愛事情は是非作品を楽しんで頂きたいと思います!
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ただ個人的には盛り上がる終盤のスヒョクの態度は、少々無言にさせられました。最初に一目惚れしておいてそれ?というか…。個人的な願望としては、もう少し頑張って”攻めて”欲しかったものです。
同じくデボラのジュワンへの態度も理解できるものの、さっさとゴミ収集車に乗せて欲しいとも思えもしました。
ただこのあたりの引き伸ばしは若干勿体ぶった感がありつつも、お約束的な部分とオチもそれなりにあって良かったです。
ボラと妹の関係も、実は妹カップルたちの方が精神的には成熟しているような部分も見られましたし、よく見るとプラスマイナスのようになっている人間関係がこのドラマでは意図して描かれていて興味深かったです。
ということで、陽気なラブコメの典型的な面白さを持ちつつ、プラスαが感じられるドラマで楽しく視聴しました。おすすめです。

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