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韓国ドラマ ダリとカムジャタン~真逆なフタリ~ 感想

おすすめ度:73%
絵画と豚度:100%
3人の男性度:100%
原題:달리와 감자탕 / Dali and Cocky Prince (全16話)

ダリとカムジャタン~真逆なフタリ~ 韓国ドラマ 感想レビュー考察批評

アートが大好きな世間知らずのお嬢様とカムジャタン店グループを経営する男性が偶然海外で出会うが…?2021年のラブコメ

あらすじ・キャスト

オランダの美術館で働くダリ(パク・ギュヨンさん)は、ひょんな誤解からカムジャタンのレストランを展開する会社の常務ムハク(キム・ミンジェさん)と長い1日を過ごすことに。
ムハクはダリに再会することを願うが、連絡先すら聞くのを忘れてしまう。
急に韓国に戻り父の美術館で働くことになったダリ。ムハクは投資した美術館を訪れた際、あのダリに再会するのだったが…。

感想

面白かったです。
ちょっとサスペンス部分をダラダラ引き伸ばしたような部分もありましたが、根本的にメイン2人の恋愛模様がとにかく好印象で、ラブストーリーとしては純粋に可愛らしく楽しかったです!
パク・ギュヨンさん演じるダリですが、お嬢様育ちで世間知らず。彼女の中での理想と直面する現実との壁に時に傷ついたり、学び強く立ち向かう女性。
ダリの衣装は、彼女というキャラを印象付ける部分にかなり成功していて、とっても素敵な衣装ばかりでした。
一方のムハクは、偉そうでやや荒っぽいところもありつつ、地に足のついた根っからの商売人気質。
机上の空論ではこの厳しい世の中を渡っていけないことをよく知る、現実的な男性です。
個人的にまず気に入ったのが、この主役2人のキャラクターのタイプです。
通常よく他のドラマで見かけるキャラ設定が、男性が世間知らずの御曹司で女性が元気なしっかり者タイプで男性を支えていくというもの。
今作では(大まかに)立ち位置がある意味真逆になっていて、個人的にはその点では割とフレッシュな印象を受けました。
ただ、個人的にはダリは賢くもっと強い女性だと感じたので、もう少しその部分を活かして欲しかったかなあと残念に思う部分もありました。
最初のキャラ設定は良かったですが、中盤からは正直なところ”いつもの男女の立ち位置”になっている気もしました。

このメインの2人を演じるギュヨンさんもミンジェさんもとても良かったです!
ミンジェさんは、個人的にこのような横柄そうな役と結びつかない印象が勝手に持っていたのですが、思った以上にハマっていて良いなあと思いました。
ただ序盤はこのムハクというキャラクターを強くアピールさせたかったのか、少々描写が大袈裟でしつこいかなあとは感じましたが…。
(念のためですが、演出等についての個人的な感想で、ミンジェさんご本人が悪いという意味ではありません)

ゆるいネタバレありの感想

ダリとカムジャタン 韓ドラ 考察レビューあらすじ

オランダの美術館で学芸館をしているダリ。ある日、アートコレクターの上客を展示パーティに連れて行くという仕事を頼まれた彼女。
空港に出迎えに行ったダリでしたが、そこにやって来たのがムハク。
彼も別の出張でオランダにやって来た訳ですが、ダリの本来のゲストとムハクの苗字が一緒だったんですね。完全にお互い勘違いをしてしまったようです。
ダリは絵画に興味を示さないムハクに違和感を抱きつつも、その場をやり過ごします。しかし、ムハクはその場で大失態をおかしてしまうことに。この騒動でやっとダリも自身の勘違いに気付き、その大きなミスに落ち込んでしまいます。
しかし話はここで終わりません。何とムハクは無一文状態だったんですね。
訳あってクレジットカードを止められてしまっていて、ホテルにも行けません。見かねたダリは、ムハクを自身の家に泊めることに。
トラブルを通して出会ったばかりの2人でしたが、ムハクが即席で作った料理もあってか打ち解け、お互いに好印象を持ったようです。
翌日、ムハクはダリへの再会を願うように自身の腕時計を渡し「(次に)会って返して下さい」と告げます。
しかし連絡先すら聞いていなかった痛恨のミスをしてしまうムハクさん、結局彼女に会うことは叶いませんでした。

2人の再会
二度とダリに会えないと思ったムハクでしたが、想像していなかった関係でダリに再会することに。そう、お金を貸した相手として…。
実は以前からムハクは義理の兄にそそのかされて、美術館へ”投資”をしていたのでした。その美術館こそ、ダリの父が館長を務めていたチョンソン美術館。
ダリは父親の急死で、オランダから帰国し、新館長として働き始めたところだったのです。
貸したお金を取り戻そうと、美術館に荒々しく乗り込んだムハク。
あのダリと再び会えたのものの、思ってもみない再会に戸惑う2人なのでした。

一応の三角関係
オランダでダリに恋に落ちてしまったムハク。彼のダリへの想いはブレることなく、わかりやすくて良いなと思いました。
ムハクのことが好きな議員の娘も登場しますが、そこまでの邪魔者(すみません)にならずこじれませんでした。
ただダリを想うめんどくせえ男性が1名。元婚約者テジンさんです。
財閥の息子で言わば”真のお金持ち”の彼、過去にダリと結婚間近まで行った過去を持ちますので、色々な意味でかなりのライバルになってきます。
個人的にはテジンさんが「ダリを取り戻す!」と画面に向かって宣言した時には、もっと派手な戦い(?)になるかと思ってワクワクしていたのですが、カネ頼りで意外と地味で陰険な戦いで終わってしまったので残念でした。
よってラブストーリーとしては、このダリとムハクの関係は早くからまあまあ強固で、この2人どうなっちゃうの?!というような心配は最後まで私は皆無でした。

ダリの扱われ方について
基本的には面白かったドラマですが、個人的に最も気になった部分がダリというキャラについてです。
ダリがホテルでお金を取られた事件の際、彼女はテジンを”使って”記者会見の場を切り抜けます。
私はこのような賢さを持って、ダリが周囲にいる手厚いサポートをしてくれるだろう男性陣と共に、美術館の問題を解決して行くのかな…?と予想していました。
しかし以降、彼女は周囲の人々にされるがままになっているシーンが多く、視聴していて少々イライラしてしまいました。
もっとダリは強いはずなのに?と、残念と言いますか…。
さすがにムハクの義理の母に叩かれていた時は、警察(というか、ウォンタク!)を呼ぶぐらいの行動は取って欲しかったです。
美術館の経営が上手くいかないから、何を言われても私のせい…のような描写は安易で観ていてあまり良い気持ちはしませんでした。(ムハクの義理の母が相手ということもあるとは思いますが)

ダリは好きなことに没頭して気楽に過ごしていた女性のように描かれた反動なのか、父の死後は酷いセリフを吐かれても良い女性のようになっていたのもどうかなあと思いました。ある意味ここは、古いドラマのスタイルを継承している気もします。
ダリの背後には、
ウォンタク(ダリのことが好きな警察)
テジン(ダリのことが好きな何でもできる財閥)
ムハク(ダリのことが好きな行動派のお金持ち)
という強力な布陣を持ちながら、彼女が暴言を吐かれっぱなしで1人落ち込む→ムハクが助けるという構図ばかりなのはシーンとして少々つまらない展開かとは思いました。
(全てドラマやキャラに対する感想や意見で、演じる役者さん個人についてではありません)

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ということで、ラブストーリーの軸とダリの父の死にまつわるサスペンス軸で構成されたドラマでした。
美術館の資金繰りと館長の死については、かなりの尺を取っているものの背後にいる人物が早くにわかることで、そこまで伸ばす必要が…?とは思えはしました。テジンに対しても、もう少し手痛いものでも良かったような…。
とはいえ、周囲の人々を演じる俳優さんたちも適役で面白く、総合的には可愛らしく満足度の高いドラマだったなと思えました。観やすく良かったです。

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