ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ 昼と夜 (感想)

おすすめ度:75%
棒付きキャンディ度:100%
謎の村度:100%
原題:낮과 밤 /  Awaken (全16話)

韓国ドラマ 昼と夜 感想考察レビュー
連続する予告殺人事件と過去の惨事との関連性とは…2020年放送のスリラー/ミステリードラマ。

あらすじ・キャスト

世間では予告殺人事件で話題がもちきりだった。
警察で特殊チームを率いるト・ジョンウ(ナムグン・ミンさん)らは被害者の不可解な亡くなり方に疑問を持つ。
そんな時、要請を受けアメリカのFBIにも所属していたジェイミー博士(イ・チョンアさん)がチームに合流する。
ジェイミーは、この連続殺人事件の犯人の行動を読み解くが…。

感想

ナムグン・ミンさん劇場
しっかりとしたミステリー/スリラーのストーリーで、総合的には楽しめました。
このドラマですが、個人的には3分割できる展開になっているかと思います。
個人的にどうかなと思ったのが前・中盤です。ちょっとテンポが悪いというか、このようなタイプのストーリーでありがちの、同じ個所をぐるぐる回っているようなもどかしさを感じました。
後半は一転して力強く、話がなかなかドラマチックに展開されてストーリーの展開も面白かったです。
骨太さを感じる内容も良かったと思いました。安易にロマンスを入れてこなかったのも、個人的に好印象でした。

ただ、このドラマの長所と短所ですが、とにかく「ナムグン・ミンさん一択」になってしまうかなと感じました。
とにかく存在が圧倒的で、良くも悪くもナムグンさん頼みのようなシーンも多かったです。
そこが強い見どころでもあり素晴らしくもありましたが、他のキャラがとにかく微妙。完全にトという主人公の独断場のようで、少し残念というかあまりバランスが良くなかったようにも思えた次第です。
ト・ジョンウという掴み所のない刑事を演じるナムグンさん。
その得体の知れないキャラを終始”魅せて”頂き、演技についてはおそらく文句を言う方はいないと思うぐらい今作では素晴らしかったです。
ですが一方で、作品として深みを出すはずの他のキャラクターたち、そして特に主演女優のイ・チョンアさんが演じるジェイミーについては、正直なところ役柄としてほとんど活かされていないように思えました。(俳優さんたちが悪いという訳ではなく、脚本的にという意味です)
そのため、結局のところ物語のキーマン(これは主演だから当たり前ではあるものの)として、100%このト・ジョンウが軸になりすぎていて、視聴していて作品として「あと一歩」足りない感がありました。
終盤は話が大きく動き出して目が離せない展開なものの、「そういえばジェイミーどこ行った?」状態…。
結果、ドラマとしてちょっと勿体無いと思いました。

ゆるいネタバレありの感想

ナムグン・ミンさんインスタグラムより

イ記者の独占スクープで世間を騒がす予告殺人。
警察は事件を止められていないと批判されますが、亡くなった人たちは皆、自ら死を選んだような謎の手法で殺されているようです。
手がかりを探す警察の特殊チームのメンバー。チーム長のト・ジョンウは型破りな性格で、警察上層部との仲はそれほど良くなさそうですが、彼はキレ者でエリート警察でした。
しかしそんな彼らも、の予告殺人の糸口はなかなか掴めません。
そんな時1人の謎の人物が特殊チームにやって来ます。彼女はアメリカからやって来たジェイミー・レイトン。FBIにも所属し犯罪心理学のエキスパートです。

疑いと白夜村
連続殺人事件の関係性を調べ上げるチーム。途中参加したジェイミーもその捜査に加わります。
しかし、ジェイミーとジョンウはお互い微妙な距離を取っている様子。
ジェイミーは事件を探る内に何かと先回りした発言をするトに対し、疑問を抱きます。完全に彼が連続殺人事件の重要人だと疑っていたのでした。
そんなトは、28年前に起こった忌まわしき白夜村事件の「生き残り」だとジェイミーに見透かしたように告げます。
驚くジェイミーでしたが、そんな彼女もまた白夜村の出身だったのでした。

28年前の事件
予告殺人の次のターゲットとして、ソン・ミンホの名前が上がります。
彼は28年前のあの白夜村の指導者。再び過去の事件が蒸し返される状況となります。
平和な慈善の村だと思われた白夜村ですが、実は中では子供たちを実験対象にした不老長寿の薬の開発をする恐ろしい研究施設だったのです。
もちろんジョンウもジェイミーも実験対象者で、その過去は今も彼らを身体的にも精神的にも長く苦しめていたのでした。事実ジョンウも脳に疾患を抱えていたのです。

韓国ドラマ 昼と夜 評価レビュー考察

ト・ジョンウの目的
”犯人”として逮捕されたト、チームの皆にショックを大きく与えます。
しかし、彼が白夜村のことを告げると上層部は歯切れのわるい返事ばかり。白夜村のプロジェクトは国家の権力者も多数関係しているもの…。
ジョンウは過去の復讐などではなく、現在もなお密かに行われている恐ろしい実験を阻止することだったのでした。

気になった点
ペース配分
全16話のドラマですが、話の中心に入るまでちょっと長いと思います。
連続殺人事件→トの正体までが特にもっさりしていて、テンポが非常に悪く感じました。(皺寄せの結果、終盤は早いスピード展開です)
前半の予告殺人の部分は、もう少しコンパクトでも良かったような…。

ト以外のキャラが空気
・ジェイミーとは何だったのか
鳴り物入りで特殊チームにアメリカからやって来たレイトン博士。
トとペアになって、もしくは対立しながらも2人で賢く立ち回ると予想されましたが、ありえないぐらいに何もしないキャラなので驚愕しました。(当然ですが演じられたイ・チョンアさんご本人ではなく、役についてです)
序盤にトに対して「あやしい…」と視聴者にヒントを振りまく係に徹しているようで、脚本的にこのジェイミーをどうしたかったのか、よくわかりませんでした。
ヘウォンもなかなかでしたが、ジェイミーは立場として主演の1人でもありますので、もう少ししっかりした役割をこのキャラに持たせてあげるべきだったのではないかと残念に思えました。(個人的な感想です)
・ヘウォンとは何だったのか
ト刑事に密かに恋する”活動的な”部下、ヘウォン。
カジュアルに同僚に暴力をふるったかと思いきや、ジョンウに告白したりと忙しい方ですが、立ち回りが多い割にほぼ何もしていないキャラです。(演じられているソリョンさんが悪いという意味ではありません)
自分の父親が白夜村の事件と関係があるかもしれない…という、超重要な事実に気付くのがヒントがある家にいながらあまりにも遅すぎるののも視聴していて絶望しました。

--
他にも白夜村の内情などもう少し知りたかったですし、謎の老人2人(1人は閣下の妻、もう1人は?…最初のメンバーの人でしょうか)など、教えて欲しかった点もありましたが。
最終回のエンディングとしては、上手くまとまっていたかなと思います。個人的には彼らの”母”の最後についてもう少し残酷さが欲しかったですが…。
不気味な雰囲気を終始上手く使っていたのもあってか、トが持つ”不思議な力”を上手く作品から浮かないように演出されていたのは特に良かったと思いました。あまりチープな印象は受けませんでした。

ただ上述したように、物語が全てト・ジョンウのキャラありきで、またナムグン・ミンさんの演技が素晴らしかっただけに、加速されたように一点集中で強く引っ張られすぎてしまったドラマだったなという印象でした。
かなりポテンシャルがあったように思えましたし、ストーリーの流れは個人的に好きでした。ですが、ジョンウ以外のキャラが魅力に欠けていて、結局そこが作品全体に響いたように思えました。
ドラマは面白かったですが、物足りなさも同時に感じた次第です。

こちらもおすすめ: