ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ アビス (感想)

おすすめ度:64%
球のルール度:100%
生き返る度:100%
原題:어비스 / ABYSS (全16話)

アビス韓国ドラマ感想

不思議な力を持つアビスによって、姿が変わって復活した男女が追う事件とは…2019年放送のスリラー・ラブコメ

あらすじ・キャスト

御曹司チャ・ミンはとある事故で亡くなってしまうが、謎の人物がアビスと呼ばれる玉を使って生き返ることに。しかし、その容姿は以前とは全く異なったミン(アン・ソヒョプさん)になっていたのだった。
実はミンは10代の頃からずっとセヨン(キム・サランさん)に片思いをしていたが、最近になってヒジン(ハン・ソヒさん)と婚約していたのだった。
しかしそのセヨンも事件に巻き込まれ何者かに殺されてしまう。ミンは好きだったセヨンをアビスを使って復活させるが、
セヨン(パク・ボヨンさん)もまた違った姿で生まれ変わってしまう…。

感想

冒頭20分ぐらいでつまらないな…と長く放置していたのですが、再び観ると当初の印象よりは面白いなと思ったドラマでした。
ただお話の主軸がサスペンス・ラブコメの線で攻めているのですが、この2本の軸のハーモニー感がゼロ。雑。そこが最も気になった点です。
軸となる話のバランスの悪さ、全体的なご都合主義的な展開を大変強く感じました。そのあたりが微妙というか、チグハグさが大きくマイナスに印象に残るドラマかなと思います。
サスペンス軸は割とシリアスで、サイコパス系の連続殺人事件が扱われます。
タイトルにもなっているアビスと呼ばれる不思議な球体ですが、死者を復活させられるというもの。
このアビスが事件をさぞかし起こしていくのかと思いきや、それ程でもなく単なる後出し設定アイテムになっていて、個人的には萎えました。結局、雑(2回目)なんですよね…本当に…。(すみません…)
私は当初はサスペンス重視で視聴していたのですが、粗が多く、ラブコメ目線重視に切り替えました。そちらの方がずっと楽しめるかなと思います(割と甘いシーンもあります)。

とはいえ、続きが気になる構成になっていますので、つまらない訳では決してなくそれなりに(というと大変失礼ですが…すみません)魅力は十分あるドラマだと思います。
バランスが悪いと書きましたが、これが長所・短所の両方になっているかなと感じます。
ある意味、妙に呑気で明るいラブコメシーンもあるため、暗い雰囲気が続かず気分転換的に観やすくはなっています。
おそらくそのような意図での演出だとは思いますし、これが良くもありはしますが、連続殺人事件シーンとの落差に違和感を覚えてしまうのは正直なところ。
とりあえずアビス同様(?)、内容としては色々不思議なドラマだなあとは思いました。

主演のアン・ソヒョプさんですが、この作品でも大変魅力的ですので、気になる方は是非視聴された方が良いと思います。
後半の8話ぐらいから何かが変化したのかと困惑するぐらい急激にラブコメ色が強くなっていきますので、ストーリーは抜きにしてヒョソプさんのラブコメ部分を堪能されたい方は、後半より視聴するのはアリだと思います。

ちなみにカメオ出演(特別出演)として、1話にソ・イングクさんとチョン・ソミンさんの「空から降る一億の星カップルが出演されています。両作品とも監督が同じ方ということです。

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
 
 
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アン・ヒョソプさんインスタグラムより

化粧品会社御曹司のミン…彼は婚約者のヒジンにフラれ、自ら命を絶とうとします。
その時、突然出現した宇宙船のような物体との”事故”で本当に亡くなってしまいます。宇宙人(?)の2人は、悪いと思ったのか謎の球体アビスを取り出し、ミンを生き返らせます。しかし、その姿は生前の姿とは全く異なるもの。ミンはいわゆる”イケメン”になっていました。ここでアビスの所有者となったミンさん。
一方の検事セヨン。彼女はずっと10代の頃からモテ続ける人生で頭脳明晰の美人検事として有名。
ミンはそんなセヨンに長年片思いし続けていて、長い付き合いです。
そんなある夜、酔ったセヨンがミンを家に呼び出した頃、セヨンは何者かに殺されてしまいます。
このニュースにミンはショックを受けますが、問題はミン自身が重要参考人になったところ。アビスによって生まれ変わったミンに過去の面影はありません。
その後、ミンはアビスを使ってセヨンを生き返らせますが、同様にセヨンも以前とは異なる姿で復活したようです。
セヨンにアビスの件を話すミン。2人は混乱しつつも一体誰がセヨンを殺害したのかを確認するため、行動を共にすることに。

ブコメパート
ミンとセヨンの2人ですが、10代の頃からの一方が片思いしていた男女が、容姿が変貌して再び関係性を築き上げるという”面白味”が描かれます。
以前は男性のミンの容姿があまり良くなく、セヨンは誰もが羨む美貌の持ち主だったという設定。しかし生まれ変わった後は特にミンが完璧なイケメンになり、立場が逆転したという状況に。
生まれ変わった姿は”平凡”な顔とされたセヨン(ボヨンさん)ですが、もちろん十分美しい方なので、顔イジりに説得性皆無とツッコミたいところですが、そこはもう平凡顔設定なのでしょうがないのでしょうか。
ミンはセヨンの変身後の容姿は好みではないと言いますが、一方のセヨンはオリジナル・セヨン(復活前)の頃にイケメン・ミンと会話を交わすシーンで判別する限り、普通にミン(ヒョソプさん)の容姿に既に惹かれているのがわかります。

惹かれつつも、中身がミンということでプライドの高いセヨンさんは、なかなか関係を進めようとはしません。ミンも次第にセヨンを好きになりつつ、元々セヨンとの関係は片思い。
しかし、後半に入り外圧でも働いたのかと勘繰りたくなるレベルで、急激にラブコメ度がUP。そのためなのかセヨンさんは欲望が抑えられなくなったのか、ミンに自ら仕掛けます。
これにより2人の仲は大きく進展。やっとカップル誕生となるのでした。よかったです!
ただ、高校生の頃から実はセヨンもミンが好きだった…と、そうなりますよね的に明かされます。実は容姿は関係なかった!と(一応)美談のように話が流れたのはちょっと理由として苦しいかなと思えました。
セヨンはミンに彼の気持ちを知りながらも結婚相手となる女性を紹介しつつ、半分彼の気持ちをギリギリまで試したりと、なかなかの方。しかし新しい顔のミンには速攻で惹かれている訳です。このあたり少々モヤモヤしました。
最終回で将来の2人の子供の話が出た時に、ミンの”元々”の容姿の話題を出すなど、結局新しいミンの顔がお気に入りの理由の1つなのは明らかな訳です。わざわざ「顔だけじゃないよ」の表面的な言い訳には個人的に白々しさを感じました。
ルッキズムだ!と言う訳ではありませんが…。ストレートに元の顔がどうだという訳でなく、今の顔が好きと言ってもよかったような。
とはいえ、2人のカップルは身長差もあり過保護っぽく、気が強いセヨンに振り回されるミンという2人の関係性は観ていて単純に可愛いらしかったです。

韓国ドラマ アビス感想

殺人事件パート
巷を騒がせていた連続殺人事件の犯人はサイコパス医師ヨンチョルだった訳ですが、問題はミンがアビスを手に入れて、悪気なく彼を復活(髭爺の姿)させてしまったところから始まります。
このヨンチョルですが、自分の子供を心理的に操って”完全犯罪”を仕立てていましたが、謎の球体が登場してから、色々と目算が狂っていきます。
途中、アビスがこの髭爺の元へ所有権が移り「奇想天外なことを計画しょうじゃないか、ムワハハ!」とアニメキャラのようになってしまうのですが、一体どういう計画だったのか知りたかったのです。
この恐ろしいヨンチョル+共犯者が暗躍する一方で、特にセヨンですが、命を何度も狙われている人々がやたらフリーダムに動き回るため、案の定トラブル続出で観ていてイライラすることもありましたが…。
アビスがあるので皆さん気が緩んでいるのかもしれません。
最終的には己の策に溺れた髭爺でしたが、上述したように後半はラブコメ度急上昇のためか軽めに事件は終わってしまいましたが…。

アビスの謎
人を復活させられる球体アビスですが、後出しでその”謎”がご丁寧にアビスから浮かび上がり明かされていきます。
正直、これには設定のズルさを即感じました。その最たる設定が復活した姿が「魂の姿」という曖昧な定義で、これもどうかと思いました。(そのため復活時の容姿が変化しない人もいます)
終盤、何とアビスの利用回数には上限があり、使い切ったら所有者(ミン)が消えるという恐ろしいルールが存在。ここでラブコメ伝統の「別離カード」が使用され、ミンとセヨンは別れます。
そして3年後。セヨンは世間では”亡くなった”とされているのに、資格が必要そうな職でどのように引き続き生活しているのか、個人的には一番気になりつつ...。
無事ミン君とも再会し良かったなと思いましたが、結論色々と強引で本当にわかりませんでした、すみません。

ということで、事件の真相、アビスの仕組み、宇宙人の謎、復活者の今後の生活など、根本的な事が何一つ明らかになってはいません。
ですが後半やたらグイグイ来たラブコメに気を取られ「細かいことはまあいいか」と、気付けば最後まで視聴してしまい、よくわかんねえな…というぼんやりとした印象を残していったドラマでした。

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