ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ その電話が鳴るとき (感想)

おすすめ度:75%
ストライプのパジャマ度:100%
不死身度:100%
原題:지금 거신 전화는 / When the Phone Rings (全12話)

その電話が鳴るとき感想レビュー考察最終回あらすじ

政略結婚で結ばれた仮面夫婦の2人、エリート夫に謎の脅迫の電話が…。2024年のロマンス・スリラードラマ。

あらすじ・キャスト

政略結婚でお互いのことに無関心のまま暮らす、官僚エリートのサオン(ユ・ヨンソクさん)と妻ヒジュ(チェ・スビンさん)。
ある日、そんなサオンに妻の誘拐を仄めかす脅迫電話がかかってくる。
しかしそんな状況においても、サオンの動じない冷たい態度に嫌気がさすヒジュは、ある考えが浮かび…。

感想

ネオ・トンチキ正統派
1話の掴みとタイトル、そして演出の雰囲気からかなりシリアスなドラマなのかな?という印象を受けたのですが、完全に間違いでした。
途中からこれはもしかして”クラシック・スタイル”韓国ドラマでは?!と気づいてから、私は俄然楽しく視聴できました。
自然に1話から強く引き込まれる展開になっていますし、序盤は特によくわかんねえけれど面白いです。
このドラマを大まかに分割すると、以下のような感じで話が進むかなと思います。
1-7話:メロドラマwith電話プレイ
8-11話:メロドラマwithサスペンス
12話:横転
視聴を進めていくと、ちょこちょこと「ん?」と、各キャラの行動や言動のオモシロに引っかかる箇所があるかなと思います。
既に最初からトンチキ・ヒントを振りまいてくれているというか、餌を撒かれているというか。
ただこのドラマの秀逸な点は、そんな秘めていた狂気のトンチキさを終盤まで上手く隠せていたところ。
最後まで視聴してから今作を振り返ると、振り返るまでもなく1秒で政略結婚!誘拐サスペンス!出生の秘密!仮面夫婦!復讐!家族の秘密!と役満コンテンツが12話に凝縮して詰め込まれていたことに気付く訳です。
が、視聴しているとあまりそのような"ネタ感”をそれほど感じさせなかったのと、別にそもそも大して隠していなかった点かなと思いました。
トンチキドラマだと最初からそれなりに出していたのに、それに何故か気づかせなかった…それがちょっと新しいと感じました。
それもこれもヨンソクさんの素晴らしい演技と、スビンさんのキャラに対する圧倒的なシンクロ感がすごかったのが一番の理由かと思います。
主役のサオン&ヒジュがとにかく「スゴイ」、スーパーヒーロー的な色々な意味で…。

その電話が鳴るとき 感想レビュー 考察 評価 最終回あらすじ

結局のところ、2人のこじらせまくった純愛を見せつけられるだけのお話になっているのもあって、あまりアレコレ面倒なことを考えずに視聴できたので疲れた身体に染みわたるというか、大変ありがたかったです。
ドラマ終盤になると、トンチキ祭のピークの火ぶたを切ったレベルで派手なエピソードが次々とブチ上がるので、思わず笑顔になるというか、ザ・韓国ドラマ的な正統派スタイルを強めに感じさせられて特に良かった。
私は近年の(ある意味)配慮され色々拾わないといけないめんどくせえ繊細ドラマも大好きですが、このような「これはドラマなんだよ!文句ある?」的なストロングスタイルの作品も大変良い(本当に!)と思うので…。感謝。
もしかしたら後半の謎展開に落胆(?)困惑された方もいるかもしれませんが、ぜひ別のマインドというか、お祭りネタ的に楽しむ方向で視聴されると良いかもしれません。
とりあえず、前半と後半で1作品で2度美味しい…そんなドラマになっているかなと思います。
ツッコミどころも満載ですし、斜め上というか意味不明というか、よくわかんねえ話の進み方をしますが、サオン&ヒジュの傷だらけのこじらせ極上ロマンスを若干冷めた目線になりつつ、ホットに楽しんでいただけたらと思います。
サオンとヒジュはまるで真夏のクッソ甘いホットココアでした。

ゆるいネタバレありの感想

その電話が鳴るとき 評価 感想レビュー考察最終回あらすじ
その電話が鳴る時 感想 レビュー 考察 最終回 あらすじ

大統領報道官のペク・サオン。
彼は政治家一家の家庭に生まれ、本人も次の大統領とウワサされるほど完璧に仕事をこなす人物。
プライベートを近しい人物にもほとんど明かさない、まさに鉄壁サオンでしたが、実は既婚者でもあります。
しかし誰も彼の妻を知りません。
というのも、サオンの妻ヒジュとは政略結婚で結ばれた仲。
ヒジュの家族は報道を牛耳るエリート一家。昔から政治家のペク家を秘密裏に助けていたのがヒジュの家だったんですね。
そんな家同士で、ワケありの決められた相手と結婚した2人。
当然、必要最低限のコミュニケーションしか取らない2人の関係は、冷え切った仮面夫婦です。仲睦まじい瞬間など今まで全くなかったのでした。

そんなある日、サオンの元に不穏な脅迫電話が。
ヒジュを誘拐するというのです。
少し顔色が変わった様子のサオンでしたが、妻の無事を念のため確認した後、再びかかってきた脅迫電話に対して、彼はもはや全く動じることはありませんでした。
それどころか、妻を殺してから連絡しろと犯人を煽るほど。この冷淡な態度には犯人も驚いたのかもしれません。
しかしそんなサオンの返答に、静かにショックと強い怒りを燃やしていたに人物が…。
妻のヒジュです。
実のところ、この犯人は単なる脅迫だけでなく、実際にヒジュを巧妙な手口で拉致し、
彼女に本当に危害を加えていたところだったのです。
まさに危機的な状況に置かれたヒジュでしたが、夫サオンと犯人との電話を使ったやり取りを側で聴いていた彼女。
ヒジュはサオンの冷酷すぎる反応を知り、自分に対する愛情の無さを嫌なほど痛感し自暴自棄のようになってしまいます。
必死の思いで何とか犯人の元から逃げ切ったヒジュ、犯人から奪った特殊な電話を使ってサオンを”脅迫”し、これを機会に離婚に繋げようと画策します。
そう、”話せなかった”はずのヒジュ。幼少期から無理矢理そう母親に強いられていただけで、本当は問題なく話せる女性だったのでした。

脅迫犯ヒジュ
本物の犯人の電話を使って、夫を脅迫しようとするヒジュ。
ですが無計画+台本無しで夫に頻繁に電話をし、やたら彼の"本心”を熱心に聞き出そうとするヒジュさん。
そんな犯人(ヒジュ)に何故か翻弄される、パーフェクト報道官ペク・サオン氏。
既に序盤から「何故気づかない…?」と、その不可解さに、ユ・ヨンソクさんの険しい表情のように眉間につい皺を入れて視聴を続けてしまいがちな私。
そう、既にもう我々は彼らの”プレイ”に付き合わされていたのでした…。
そんな2人のモシモシほっこりタイムに黙っていないのが、真犯人です。当たり前ですね。
ヒジュは犯人から共犯者として、サオンとはまた違った形で脅迫される羽目に。
しかし、もう2人は恐れません。
Becauseサオン氏のマジカルな計らいで、営業時刻をとっくに過ぎた貸し切りテーマパークにてお互いの気持ちを遂に通じ合わせたのですから…!!
サンキュー★犯人!

気になってツッコミたかった点

その電話が鳴るとき感想レビュー考察最終回あらすじ

問題の最終回
最後の12話に来てトンチキの真骨頂を見せつけられ、私の2025年ドラマ初笑いを颯爽と奪っていったサオンさん。
ただ前提として、紛争地域に「自分を罰するために行く」という設定が、近年のモラル的にも良いのかどうか含めて、とりあえずよくわかりませんでした。紛争地は傷を忘れるための場所じゃねーよ。
そしてヒジュの元から、マジックショーのように忽然と消えたサオンさん。
確か少し前の回に「もっとヒジュに気持ちを伝えていたら…」と2人の意思疎通問題について涙ながらに猛省していたと思っていたのですが、あれは何だったんですかね?口だけの反省ですか?
夏休みの宿題もっと早くやっとけばよかった的な反省じゃねーんだよ。ヒジュとまずは話してください。

仮にもし消えたいとするならば、完璧に消えたらいいものの、寄付金額や国番号などで406とか604とかチラチラ分かりやすいヒント出してんじゃねーよ、とサオンさんのそのナチュラル匂わせ&こじらせ気質に完全に私は引いてしまいました。
最初にヒジュこと406をテーマパークに呼び出した時と全く同じ手口で、スタンプラリーのようにヒジュを連れ出すことに定評のあるサオンさん。さすがプロ。
ヒジュもバカンス気分+リゾートファッションで危険地域に行ってる場合じゃねーよ。
正直、涙の再会(奇跡すぎる)で「待ってろって言っただろ」的なセリフを泣きながら吐かれても(そんなことヒジュに直接言っていなかったような)「待ってる訳ねーだろ」と思わず呟いてしまいました。
ヒジュは今まで裸一貫で、無傷で歩んできた無敵女性なのはサオンさんもご存知ですよね?!
100歩譲って「待ってろ」なら、それを彼女にしっかり説明してから出発して欲しいところ。コミュニケーションを報道官ならお願いしますね?!
とりあえず匂わせないで欲しいです。SNS匂わせ禁止。
(ただヒジュに追っかけて来て欲しいの丸出しで、ちょっと可愛いなと思ってしまいました。)
そしてこの後、2人の愛が完全に燃え上がっていたので「え、ここで??」と困惑してしまいました。新婚旅行先じゃねーんだよ。
ただもう最終回は完全にネタ・サービスシーン丸出しだったので、見えている餌にツッコミたくないですが…。
でもこれが欲しかったんだろう的な特大ネタを最後にありがとうございましたと感謝しつつ…。
とりあえず、最終回にきて斜め上の特大オモシロをぶちかましてきたので、このドラマ大スキ…と私は思った次第です。
ある意味、記憶喪失ルートなどにならなくて良かったな~と思いました。

その電話が鳴るとき感想レビュー考察最終回あらすじ
その電話が鳴るとき感想レビュー考察最終回あらすじ

サオンのパジャマ
ドラマの衣装、特にパジャマの柄について感想を書いた覚えが今までないと思うのですが、割とこの作品はパジャマの印象がヤケに強かったのです。もちろんドラマのストーリーには関係ないですが…。
というか、どれもこれも全てサオンさんのパジャマなんですよね…。
ストライプで統一しているんだな、と途中まで特に気にはしていなかったのですが、個人的に目を奪われたのは、8話のペク・サオンさんの着用パジャマです。
その時のセリフやシーンより、ネイビーXシアン色の強すぎる色の配色の太めストライプに目が釘付けになってしまいました。

サオンとヒジュの住む家は割とグレー系配色のシックなコンセプトでしたが、サオン着用のこのパジャマの主張がすごい。とにかく妙にクセが強かったです。

他にもツッコミたい点は相当ありはしました。
ヒジュが崖から落とされたのに不死身で犯人の顔を見ていないとか、役立たずのボディガードとか、車をハッキングされて恐怖体験後余裕で運転とか、オフィスに爆破問題があったのに誰もケガしていないとか、最終回の藪から棒の結婚報告のサンウ&ユリとか、とにかく最初から最後までツッコミ所が山盛りなんですが、それも長所で今作の持ち味というか、良い味を出していたなと思いました。
「そんなワケねーだろ」と思わず言ってしまいそうになる、これぞドラマ!を特に後半は強めにアピールしていて、なかなか面白い作品だったと思いました。
個人的には当初と全く異なったイメージのドラマだったのもあり、想像以上にかなり楽しめた作品です。
テンポも割とよく12話という長さで観やすいですし、気になった方は是非チェックして頂ければと思います。

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