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韓国ドラマ 花様年華 -人生が花になる瞬間- 感想

おすすめ度:40%
2つの時代度:100%
信念度:100%
原題:화양연화 – 삶이 꽃이 되는 순간 / When My Love Blooms (全16話)
邦題サブタイトル:君といた季節 / 人生が花になる瞬間

花様年華 韓国ドラマ 感想レビュー

20代の時の初恋、そして40代での再会は思ってもみないことだった…2020年のロマンスドラマ。

あらすじ・キャスト

大学生の頃に出会ったジス(チョン・ソニさん)とジェヒョン(パク・ジニョンさん)。学生運動に熱心に取り組んでいるジェヒョンにジスは一目惚れしてしまう。
ジスの熱い想いに押され付き合うことになった2人。しかしジスは理由を告げず、ジェヒョンと関係を絶ってしまう。
そして数十年後。財閥の婿となったジェヒョン(ユ・ジテさん)、そしてアルバイトを掛け持ちしながら必死で働くジス(イ・ボヨンさん)。2人は子供たちの学校で、再会を果たすが…。

感想

大学生の頃の輝いた恋愛、そして20数年後に再会したその相手。
時代を交差させて、2人の恋愛の今と昔を描きながら2人の過去が明らかになっていくというストーリーです。
もったりとした流れではあるのですが、割と良いタイミングで”時代”が切り替わるので、その点では上手く画面上のメリハリはあったと感じました。
ですが、やはりドラマとしてはかなり単調で冗長に感じたのが正直なところです。
ただ、個人的にあまりこの作品が好きではなかったのが「ハッキリ言葉にしない」というキャラ設定。
特に大人になって再会を果たしたジスとジェヒョンのキャラですが、匂わせのようなセリフばかりで視聴していてちょっと苛立ってしまいました。
身も蓋もないまとめ方をすると、この大人になった2人の関係は不倫に当たりますので、脚本的にも倫理観もあってかそのせいだろうなとは察します。
その”控えた”部分がブレーキになっているのでしょうか、それが仇となり逆にキャラクターそのものに潔さや決意表明的なセリフが少なく、話がボヤボヤした感じになっているなあとは思いました。
ハキハキしていた20代の頃のジスとジェヒョンのキャラと現在は正反対で(そこが話のポイントにはなるものの)、主軸に置きたかったであろう大人時代の2人の話が20代の描き方よりもよりも妙に古臭く、つまらないという本末転倒な印象を受けました。(すみません、個人的な感想です)

学生時代を演じるチョン・ソニさんとパク・ジニョンさんは、レトロな時代の雰囲気にも合っていて、とても良かったです。”輝いていた20代”という純粋な感じも十分伝わりました。
大人になった2人を演じるイ・ボヨンさんとユ・ジテさんですが、特にユ・ジテさんとパク・ジニョンさんの見た目(身長含め)がかなり異なる点ですが、かなり意図して過去/現在を線引きした配役だと思います。
このおかげで2組のラブストーリーとして楽しめるという効果があって、敢えて似たタイプのキャスティングをするよりもずっと面白いなと思いました。

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
 
 
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パク・ジニョンさんインスタグラムより

(過去)
学生運動が盛んだった時代、大学生のジスとジェヒョン。
運動に関わっていなかったお嬢様のジスでしたが、騒動に巻き込まれたところをジェヒョンが助けてくれます。
ジスはここでジェヒョンに一目惚れしてしまいます。名前を聞けずに立ち去ってしまったジェヒョンでしたが、ジスはその後、学内で熱く演説する彼の姿を見つけます。
そっけないジェヒョン先輩、しかしジスは明るくめげずに猛アタックを仕掛け、ついにジェヒョンの心をつかみ取るのでした。
2人は交際し始めます。ジスは大好きなジェヒョン先輩と付き合うことになり、本当にうれしそうです。まさに2人の輝いた青春でした。

(現在)
弁護士の元夫と離婚をし、一人息子の親権をとにかく持ちたかったジス。
元々専攻していたピアノも生かし、仕事を掛け持ちしながら、デモにも参加するなど貧しいながらも精一杯生きている女性。
愛する息子は優秀者として授業料免除で全寮制の学校で離れて暮らしています。
しかし、そんなある日息子の学校から電話が。クラスメイトと暴力沙汰のトラブルになっていたのでした。
謝罪の為に訪れた学校で、ジスは思ってもいないある人との再会が。そう、あの大好きだったジェヒョンが保護者としていたのでした。
動揺するジスでしたが、それはジェヒョンも同じ。
2人は「忘れようとし、忘れかけていた」お互いの中で封印したような気持ちと思い出が鮮明によみがえっていたのでした。
とはいえ、現在は状況は昔とは全く違う2人。
ジスは離婚して現在シングルですが、ジェヒョンは異なります。
そして、ジェヒョンは財閥の娘の婿として、ジスがデモを行う企業の副社長という立場で正反対の2人になっていたのでした。

このように、学生時代に仲良く付き合っていた2人が、”何らかの理由で別れ”、全く別の立場となって再会する、という物語がスタートします。
再会したジスとジェヒョン。
あれだけ運動に燃えていたジェヒョンが、あっさりと権力側についている現在にジスは大きなショックを受けている様子が特にないのは違和感を覚えましたが、
とりあえず2人は息子たちの親というきっかけでまた線が繋がりもつれはじめます。
個人的に無言にさせられたのは、ジェヒョンさんの積極性です。
半分ストーカー状態というか、監視度高めでジスを追いかける日々。個人的には少々怖いなと思いました。
その監視活動のおかけで(?)ジスさんの近況を知りまくり、胸を痛めている様子。
またジスさんとの距離も次第に接近しますが、そう簡単に大人の恋愛は上手くいきません。
というのも、ジェヒョンさんの妻、他の存在です。
序盤、ジェヒョンの妻は若いモデルと浮気をしていて、この夫婦に愛はなく仮面夫婦的に描かれていましたが、次第に妻ソギョンは普通にジェヒョンのさんのことが好きであると判明。このあたりのバランスが難しいところかなあと思います。

花様年華 韓国ドラマ 考察

上述しましたが、ジェヒョンとジスの再開後、過去のキラキラした思い出をなぞるように2人が同じ場所で同じ行動を取るという、過去をオーバーラップしたシーンが繰り返し出現します。
甘いシーンもあるのですが、ジスもジェヒョンも2人の気持ちをなかなか言葉で表現してはくれません。
要は「妻がいるけど、好きなんだ」(逆もしかり)とハッキリ言わず、妙なムードで親密になりつつも「一線は超えていませんよ」スタイルは、個人的には間延びしたズルさを感じました。そのためこの2人の関係にあまり良い印象を得ませんでした。
不倫だからという悪いという意味ではなく(フィクションなので倫理観は別として、です)、雰囲気匂わせのみで”2人の真剣さ”を出すという手法が、個人的にズルくて好きではないという意味です。この題材を取るならば、逃げずにもっと真正面からぶつかればよいのになと個人的には思いました。
中盤以降やっと「君の元に戻る」と発言しましたがこれも曖昧な感じで意思を表現したジェヒョン。そして「立ち向かってみる」というジス。うーん。

次第に2人の仲は周囲の噂となり、お互いの子供にまで知られる事態に。
ジスは息子ヨンミンに「初恋だった…」と、いきなり(色々な意味で)傷ついた彼に己の過去から続く恋心を告白し始めたので、無言になりました。
ヨンミン君の父はジェヒョンではないですし、彼もまだ初恋を経験しているほど成長していないように見えるので、どこまで彼の気持ちが追いつくのか謎ですが、とにかく素晴らしく理解ある御子息だなあとは思いました。

ずっと語られなかった2人の別れの理由ですが、このドラマのポイントかなと思いますので、是非内容についてはご視聴頂ければとは思います。
ただ、ジスさんがこの”事件”から誓った教訓「相手の顔を見て」という点ですが、愛するジェヒョンとの”別れ”に関しては全くそれは活かされていないのだな~、と視聴していて結構な矛盾を感じてしまいましたが…。

終盤は散らばっていた不穏因子がここに来て大爆発。色々なネタを詰め込んできた感がすごくて若干オモシロになっていましたが、往年のドラマスタイル的で良いなと思いました。ただ、もう少しこのネタを中盤にも分散すれば、中だるみがない構成になった気がします。偉そうにすみません…。

ということで、ジス&ジェヒョンというカップルの出会いと再会を描いたドラマになっていましたが、語り口が思わせぶりで間延びしている印象のドラマでした。
とはいえ時代が交差とキャスティングが上手くて、2つのラブストーリーを同時に楽しめる仕様になっているのは、なかなか面白くて良かったと思いました。

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