ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ 明日 (感想)

おすすめ度:64%
死神度:100%
会長度:100%
原題:내일 / Tomorrow (全16話)

韓国ドラマ「明日」感想

自ら死を選ぶ者を助ける死神とは…2022年放送のヒューマン・ファンタジードラマ。

あらすじ・キャスト

情に厚いジュヌン(ロウンさん/SF9)はなかなか就職できずに過ごしていた。
そんなある夜、川に飛び込もうとしている人を止めようとしていた時、リョン(キム・ヒソンさん)とリュング(ユン・ジオンさん)が突然出現する。
結局もめてジュヌンは転落、目を覚ました場所はパク・ジュンギルチーム長(イ・スヒョクさん)などが働く”あの世”だった…。

感想

都合の良さと情に訴えかけすぎる感が気にはなりましたが、面白かったです。
自殺と死神をテーマに扱ったドラマで、今作の死神は「自死を止める」という本来のイメージから離れたユニークな仕事を請け負っています。
毎回様々な問題を扱っていて、エピソードの雰囲気も同じ死に向かう人の事情も異なります。重めな内容ではありますが、ドラマとしては視聴しやすくテンポが良いのは大変素晴らしかった。

俳優陣ですが、今作でも主演のロウンさんがお持ちのコミカルさも大変効いていました。
ロウンさんがお節介で情にほだされやすい、少々うるさいタイプのキャラなのですが、ご本人の体格の良さと子供っぽい態度(役柄で)をされると、普通に面白くて、シーンの雰囲気がパッと明るくなるという”技”を持っていらっしゃるので良いなあと思いました。
ロウンさん以外のキャラは軒並みクールタイプなので、画面的にも落ち着いていて、死神っぽいムードは完璧。ミステリアスな各キャラの背景も魅力も多くよかった。
特にイ・スヒョクさんは声の低さもあってか、既に佇まいが死神役が大変ハマっていて良かったです!
各キャラのスタイリングやメイクがかなりクセが強いものばかりで、面白いとは感じましたが、個人的には少々狙い過ぎな気がしました。

死神として人間界に”手を下す”訳ですが、その中でもルールがもちろん存在します。
ただ後半になるに従ってルールのゴールポストがズレており、違和感を覚える時も。
根本的に規則が守られていないのは、各エピソード”解決”のためにはしょうがないのだろなと察しましたが、宣言のように規程を設けなければいいのになあとは思いはしました。
このため都合の良さがやや強くなっていく後半ではありましたが…。ただ後半は死神の背景が明らかになりますので、そこはあまり気にならなくはなります。

ドラマの原作は2017年のNaverのWEBトゥーンですが、私は未読です。

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

로운(@ewsbdi)がシェアした投稿

ロウンさんインスタグラムより

就職活動をしていたジュヌン。しかしその活動はなかなかうまくいきません。
落ち込んでいる時、川に飛び込もうとしている人を見かけたジュヌン。トラブルに巻き込まれたくないと思いながらも、持ち前の性格で説得している最中に謎の2人リョンとリュングに出会います。
飛び込もうとしている人を止めるのか止めないのか…その場によくわからない空気が漂い始めた時、ジュヌンとその人は結局川に落ちてしまいます。
目を覚ましたジュヌンは、自分の体から離脱していることに気が付き、パニックに。
実はあの時突然出現したリョンとリュングは”死神”だったのです。どうやらジュヌンも彼らの”仕事”に巻き込まれたようでした。

意識不明で寝たきりのジュヌン、しかし”中身”はリョンとリュングに連れられ、冥界の大企業(?)「走馬灯」社へ。走馬灯社は、人間界での生き物の死全てを扱っている会社のようです。死神たちは走馬灯の社員として、魂を引導したりと数々の部署で仕事を行っています。
ジュヌンはまだ完全には死んでいません。そしてそもそも彼がこうなった状況は「走馬灯の落ち度」でもある、と某乳酸菌飲料レディ的コスプレもお好きな会長が認めます。
ジュヌンは”特別扱い”となり、2つの選択肢を会長から提示されます…そのまま3年昏睡するか、もしくは走馬灯社で働いて半年で昏睡から目を覚ますか…?しかも働いた後ならば「スーパーパスを与える」とのこと。
一体そのパスがどのようなモノなのかは説明されませんが、圧倒的に後者を選択せざるを得ない2択。ジュヌンさんも働くことを決めます。

ジュヌンは言われるがままに、一旦あの時に会ったリョンとリュングのいる部署”魂管理本部”に。
チーム長のリョンはとてもクールな女性。イム代理も8時間労働遵守の無駄な行動はしない男性です。たった2人の少数精鋭のチーム…ですが、走馬灯社内では新設のチームであまり目立った部署ではなく、部屋も古いようです。
そもそもが地獄に送られる人が多すぎる→自殺者を止めるチームが必要ということで発足したチーム。
会長はこのチームに大きく期待しているようですが、実績を出さないことには評価できません。しかもこの部署は死神でありながら「自ら死のうとしている人を助ける」ミッションを課されています。
このチームに、半分人間半分死神状態のジュヌンが訳も分からず参加…。

このように、ジュヌンが走馬灯で働き始めるという導入エピソードと、走馬灯社という、あの世での独占ビジネスを行っている企業の紹介が描かれます。社内はシステマティックに分業されていて、死神ビジネスとはいえ人間界とそれほど変わらないかもしれません。
また、ジュヌンの上司となるリョンそしてイム代理(リュング)、そしてリョンと敵対関係のように描かれる引導管理チームのパクチーム長(ジュンギル)の隠された2人の関係が明かされていきます。

自ら死ぬことを決めた人々を止める仕事…。
ジュヌンは持ち前の熱血漢的な行動力でチームを振り回しつつも、リョンの信念やイム代理の気持ちに触れていきます。
またそれはリョンやイム代理も同様に、彼が加入したことで自らの癒えない傷に向き合うことでもあったのです。
時には動物まで助けるというのは、全く想像していなかったので面白いなと思いました。

Netflix 明日 ドラマクチコミ

ジュヌンは働いている内に、リョンやイム代理の過去が気になり始めます。特にリョンは”地獄出身”という噂や、イム代理は殺人者だという噂も。特にリョンはパクチーム長と何か前世で関係していた雰囲気。いてもたってもいられないジュヌンは会長に彼らの過去を教えて欲しいと伝えます。
リュングと母との関係、リョンとジュンギルの元夫婦だったという関係が明らかにされていきます。

個人的に気になったところとして、走馬灯の規則として「人間の前では能力の使用不可、関与はダメ」というものがあります。
このルールと管理本部のミッションがそもそも矛盾しているところが多く、チーム長自ら能力発揮しまくりで人を助けたりしたので、始末書のオチがあるとしてもモヤモヤした部分が多かった。
加えて、「品位を下げる服装の禁止」というものもありますが、これに関してもジュヌンがスーツを仕立てるシーンがあったものの、肝心のスーツを大して着用していないというのもイマイチよくわかりませんでした。
このあたりの設定に私は適当さを強く感じてはしまいましたが…。
リョンとリュングの関係はなかなかドラマチックではありましたが、特にジュンギルはあれだけ過去を気にしていたのに、夢を確認するというツールを考えなかったのも今更感があったような…。

自殺をテーマにした重い内容ではありましたが、衣装(というか、会長のコスチューム感がすごい)や舞台セット(CG)など奇抜さを入れて、適度に軽さを取り入れていたのは良かったです。
ジュヌンが人間界に戻っても、”仕事”をどこか引き継いでいるというエピソードは大変良かったですが、ただ彼は1話でもその仕事を既に始めているので、元々適役だったということでしょうか。
このネタを使うのか…と思ったり、全体的に感情に訴える演出が気になったものの、その割に最後はやたらアッサリと終わったなという印象が強かったです。個人的には何か物足りないような気にもなりましたが、総括するとそれなりに面白く視聴しました。

こちらもおすすめ: