おすすめ度：39％
先輩と後輩度：100％
ロウンさん度：100％
原題：선배, 그 립스틱 바르지 마요 / She Would Never Know (全16話)
先輩への密かな気持ちは…？2021年のラブストーリー。
あらすじ・キャスト
化粧品会社に勤めるチェ・ヒョンスン（ロウンさん/SF9）は先輩社員のユン・ソンア（ウォン・ジナさん）のことを密かに想っていた。
仕事熱心で優秀なソンアは恋愛に興味がなさそうだったが、ヒョンスはある夜、ソンアと会社のBMであるジェシン（イ・ヒョヌクさん）が2人で密会している姿を目撃する…。
感想
うーん…残念な感じの作品だなと思いました。
ネタはそれなりに豊富なのに、今一つ踏み込まない描写が多すぎて、全てが表面的と言うか、山場の配置が悪いというか…。
素人なのに偉そうで申し訳ないのですが、かなりの序盤に持ちネタのほぼ全てを見せ過ぎてしまったため、その後の展開が読めすぎてしまいその後は消化試合のようになっていると思いました。ネタの調理方法が悪いというか…。
加えてこれも失礼で申し訳ないのですが、ちょっと古臭い雰囲気すぎるのも気になりました。ヒョンスンやソンアの勤めるクラールは、デパコスブランドの位置付けかと思います。
それにあまり似合わない始まりと言いますか、オープニングテーマが妙にダサくて、いわゆる今は寂れたファッションビルの雰囲気を醸し出しており（すみません）、正直視聴していて最初から嫌な予感がしてしまいました。
（私はGYAO!でこのドラマを視聴したので、これが”正規”のオープニングなのか何なのか確認していませんが…すみません）
近年のドラマはオープニングから凝っていてるものが多いので、2021年制作のドラマとしては珍しいレベルの微妙な仕上がりで驚きました。
既にネガティブ寄りになってはいますが、もちろんこのドラマもずば抜けた圧倒的長所は存在します！！
それは…
ロウンさん
むしろロウンさん一択。これに尽きるかなと思います。
この作品では、先輩女性に恋するロウンさんこと年下ヒョンスンの魅力爆発。
このような男性がいるの？というぐらい圧倒的な優しさと一途な想いにあふれるロウンさんを、何と驚きの全22話（GYAO!版）ぶち抜き無料で視聴できてしまったので、これはある意味お得だったなと思った次第です。
ロウンさんに少しでも興味がある方には絶対的におすすめしたいドラマですが、個人的には「面白くなるかな？」と淡い期待を抱きながら観続けたらそのまま終わってしまったドラマでした。残念。
ゆるいネタバレありの感想
ロウンさんインスタグラムより
コスメのブランドに入社1年目のヒョンスンは、2年上の先輩ソンアに密かに想いを寄せています。ソンアは有能な社員でクールな女性。
先輩と2人で行動する機会を狙ってはソンアにアピールしますが、彼女はヒョンスのことをただの後輩としか見てはくれていないようです。
先輩のそんな態度に一喜一憂していたヒョンスンでしたが、飲み会の夜に衝撃の事実を知るのでした。
ソンアと上司ジェシンの密会です。
あのクールなソンアがジェシンに甘えた態度を見せている姿に、失恋の2文字が浮かび上がるヒョンスンさん。相手があのジェシンなので勝ち目はありません。
先輩の”社内恋愛”事情を知ってしまった以上、ついつい仕事そっちのけでソンアを監視してしまうヒョンスンさん。
「会議」としてジェシンがソンアを部屋に呼び出す度、彼女が”口紅を塗ってから”向かうという一連の行動のクセが目に付き始めます。
ジェラシーにも似た気持ちが燃え上がるヒョンスン氏…、そして乱れる（？）社内風紀…。
片思いは見事に終了かと思いきや、なんとここで特大の事実を知ってしまうヒョンスン。
ソンアの彼氏ジェシンは、別の女性とゴールイン間際だったのです！
怒りと驚きを隠せないヒョンスン。まさかお姉さんがウェディングドレスのお店を経営しているとは思いもしませんでした。複雑な気持ちになりながらも、先輩にこの事実を絶対に知らせなければと謎の正義感を燃え上がらせたかのように誓います。
ヒョンスンは遂にソンアに「先輩、その口紅塗らないで」と告げるのでした…！！
（ある意味）完
最高の序盤
この第2話（GYAO!版）までで、本当に見事なタイトル回収の素晴らしさ！なかなか唸りました。
自分のプレゼントした口紅が”先輩には全く選ばれない”という比較、好きな先輩は”更に年上”と付き合っているという年齢差。線引きもいいなと感じました。
ソンアは自分の手が届かない相手である、という徹底的な印象付けもとても上手いなと思いました。もはや完璧すぎる物語のスタート。
しかしこの構図が根本的に崩れることが速攻で始まってしまいます。それがヒョンスンの二股事件。
ガッチリと掴んできたストーリー序盤。
ただ不穏な点が。ここで既に99％は2人の恋についてネタバレされていますよね…。なぜならラブストーリーとして、”好きになり始めて”の話からライバルや事件が起こって…という助走から入ってピークを迎えるという展開が見込まれます。
しかし今作では既に
・後輩は先輩が好き（開始時点で確定）
・先輩の恋は破綻（ほぼ確定）
2つの大きな要素が助走無し状態で答えが提示されてしまっています。
先輩への恋心を温める描写や、ヒョンスンがジェシンと付き合っている先輩への気持ちを諦めきれないというような切なさも皆無。
先輩に彼氏がいる→彼氏二股発覚のスピードが凄すぎて、若干困惑してしまいました。
こうなってしまうとソンアとヒョンスンが受動的に繋がり、後は物語としてはグダグダとした問題が発生するだけだろうな…と何となく不穏な気持ちになりました。
失恋から新たな恋というのはよくあるネタですが、ジェシンが会社の上司ということもありメインのキャラの1人でもあるので、もう少し彼らの心情を深堀して引っ張っても良かったような…。
強引なヒョンスン
ヒョンスンは先輩の彼が常務の妹と結婚しようとしていることを知り、かなり強引かつド直球の手法で先輩に知らせることに。
ここは浮気現場を見せつけるというショック法で、なかなか修羅場だなあと思いました。
とはいえ先輩のプライドを大きく傷つけてしまったのは確かなので、ソンアがキレるのもわからなくもありません。
隠していた社内恋愛、その相手に二股されていてたというプライベートな事を、後輩が何故か介入してきたというのは二重のショックだと思います。若干ヒョンスンの選択した方法に配慮の無さを感じつつ。
暫くは怒りでヒョンスンを無視していたソンアでしたが、怒りの矛先は正しい相手であるジェシンへと向かっていきます。
ヒョンスンさんも先輩LOVEなのはわかりますが、結構武闘派だなと感じさせるキャラでたまに困惑させられました。
表面的な問題の数々
さっさと付き合うしかないヒョンスン＆ソンアの2人の関係に立ちはだかる関門としては、主に3つ。
1)元カレのジェシン問題
2)ソンアの母親問題
3)ソンアのキャリア問題
1)ジェシン問題は最初からグダグダ続いていますが、ジェシンさんが戦意喪失しており、それほど攻撃力が強くありません。
個人的には婚約者がより強い態度でやって来るかと思っていたのですが、軽めの喧嘩を売るぐらいでしたので拍子抜けしました。（弱い）
2)ジットリ進行していたのが、ソンア母です。やたら娘に露骨に依存し、娘の男性関係を警戒する母親。
この相手が納得するのを待つしかない泥試合が見えていた母娘エピソードに、非常に憂鬱になっていたのですが、クールソンアの一喝で割と控えめに落ち着いたのでこれも表紙抜けしてしまいました。単なる邪魔キャラのめんどくせえ母という存在にしかなっておらず、何だったのか感。（弱い）
3)2人の仲を物理的にも割いてしまうのが、仕事問題です。そういえば、ソンアは仕事ができる設定でした。ソンアの欧州支店への移動話。
ただ正直、ソンアはヒョンスン君のたった2年上の先輩ですのでキャリアアップを目指す彼女に対して、ヒョンスン自身のキャリアはどう考えているのかと視聴していてやや疑問に感じました。一緒に目指すという選択肢はないのでしょうか。
個人的にはこのソンアが2年上という設定が何とも微妙で、もう少し上の年齢設定でも良かったような…。（ただそうすると、学生時代に出会っていたという点に無理が生じるのでダメなのかもしれませんが）
この主に3つの問題ですが、本当にどれも大した問題になりません。
ネタとしてはそれなりの存在感だったのですが、どれもこれも小さくまとまっていて、山場としては非常に弱かったのも勿体なかったかもしれません。
個人的には3）キャリア問題は最大の攻撃になるかと期待したのですが…。
ハッピーエンド（しってた）
結局欧州へ旅立ってしまったソンア。離れ離れになった2人の関係はどうなるのでしょうか？泣けるポイントがあるに違いないとさすがに期待。しかしなんと速攻で3年経過。
瞬きしてる間に戻って職場復帰したソンアさんでしたが、ヒョンスン君は無言…。実は、この2人は遠距離恋愛中に別れていたのです！
この演出とシーンですが切なさが皆無で、本当に泣きそうになってしまいました。
ここは最も切なさ大爆発のシーンじゃないの？！と画面に向かって問いかけようとしましたが、ただただロウンさんがかっこよく画面に存在されていましたので、そのまま視聴。
気付いたら当然2人はまた仲良くなっていたので良かったなあと思った次第です。しかしヒョンスンさんは本当に一途ですね…。
ということで、かなり最初に2人の関係性が確定していたので「これはめんどくせえタイプのドラマになりそう」と予想しましたが、その通りになってしまい無表情のまま視聴を終えました。
とはいえ、途中で観るのをやめようとは全く思わなかったので、ある種の一貫した面白さがあるスタイルは感じました。（説明し難いですが）
ただ残念ながらラブストーリードラマとしては、正直いまひとつだと思いました。（矛盾した感想ですみません…）
