ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国映画 ペルソナ-仮面の下の素顔-感想

おすすめ度:97%
IUさんの魅力度:100%
不思議なお話度:98%
原題:페르소나  

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出典:Netflix

IUさんを主演にした、短編映画4作品のオムニバス映画。2019年公開作品。

 あらすじ・キャスト

IUさんを主役に置き、4名の映画監督がそれぞれ撮影した、4つの個性的なショートムービーを集めたオムニバス作品。
出演者として、IU/イ・ジウンさんの他にペ・ドゥナさん、パク・ヘスさん、キム・テフンさん、チョン・ジュンウォンさんが出演。

感想

最初は短編ドラマかと思いましたが、正式には映画作品です。
個人的にとても面白く感じ、かなり興味深く視聴しました!
IUさんが4作品とも主演ですが、彼女の色々な魅力を存分に活かしているなあ…と、本当に感心しました。
もちろんIUさんの事は深く知っているわけでは一切ありませんが、イメージするIUさんの印象…かわいらしさ、小悪魔的、ちょっと寂しそう、生意気、少女性…そんな多角的な魅力を持つIUさんの面を印象的に、そして特徴的に捉えた4作品でした。
まるでIUさんのプロモーションビデオやミュージックビデオのようにも思えるようでした。

そして4つの作品とも個性的でありアーティスティックでもあり、映像も雰囲気がそれぞれ非常によくて、とても楽しめました。
理解し難い部分もあるショートムービーでしたが、4つのストーリーとも引き込ませるものがありました。

ゆるいネタバレありの感想

IUさんインスタグラムアカウントより

『ペルソナ』の4つの個性的なショートムービー
1:ラブセット
父親(キム・テフンさん)の新しい彼女(ペ・ドゥナさん)と娘(IUさん)がテニスを楽しむ。娘は父の彼女に嫉妬し、父の彼女とテニスの対戦をすることに…。

感想:
テニスボールのラリーとリンゴがアイテムとしてよく映し出され、試合をする者同士の性的な雰囲気を上手く表現した作品だなと思いました。
それは父親含め男性を巡ってというのもあり、もちろん女性同士という雰囲気さえ感じました。
エンディング部分の娘(IUさん)が血を流しながら、サーブを打つシーンは、個人的には女性として自立したと受け取りました。

 

2:コレクター
年下の彼女(IUさん)と付き合うジョンウ(パク・シフさん)は彼女に夢中。
しかし、そんな彼女はジョンウの気持ちなど気にせずに、突然他の男性と旅行に行っていたようだ。
嫉妬心を持ちながら彼女とデートをし続ける男性。対する彼女は完全にうわのそら。
怒ったジョンウの態度を見て、彼女が放った言葉とは…。

感想:
年下女性に翻弄される男性をやや滑稽に、シュールに描いた作品。
この作品ではIUさんが性的に奔放な印象を全面的に投げかけながらも、どこかしら不気味さを漂わせつつ、そしてミステリアスな印象を受けて面白かったです。
"神”や"ヨガ”についてのセリフもあり、何となく彼女自身が何か特殊な存在だと思わせました。(最後のオチ自体が特殊なんですが…)
謎の小箱含め、まるで超越した者が手のひらで男性を転がしているような…。
IUさんの独特の見透かしたような冷ややかな目線と特徴的な声。年上男性に挑戦的に「寝たいの?」「つまんない、帰る」「ダサい」と言い放つシーン。しびれます。

 

3:キスの罪
同級生の女子ヘボクを探して、彼女の住む山の家まで訪ねた女子高生(IUさん)ですが、
ヘボクの荒っぽい父親に追い返されてしまう。
どうにか粘ってヘボクに会えたハンナ(IUさん)は、ヘボクの父に復讐しようと提案するが…。

感想:
4作品の中では、ある意味コミカルな作品。
ストーリーの導入部分として、ヘボクの父とヘボクの雰囲気の描写ですが、ただごとではない印象を視聴者に植え付ける点がすごい上手いと思いました。
ヘボクとハンナの会話も10代の適当で深みがあるようでない会話なども、深読みを誘うようなセリフもかなり多くあり、どのような意図であれ、上手く練られて考えられたセリフだろうなと思いました。(韓国語がわかればもっと面白いでしょうが…残念です)
途中で父への復讐を諦める(というか、飽きてしまった)2人は、次の話題である性的な興味である場所の"海”へさっさと向かいます。
が、その直後とんでもない特大サイズの復讐を、謀らずもしてしまった2人でした。
ヘボク父の職業含めたオチが面白かったです。
女子高生の興味や気分の移り変わりの速さと、やたら楽観的で呑気、そして危うさを帯びた態度やセリフ。その反面、彼女たちの生活状況の深刻さや、家庭内でのトラブル、そして性的なトラブルを予期させる描写。
その2つの部分の落差や対比が、コミカルかつシニカルで興味深かったし、ダークさを含んだ韓国映画らしさがしっかりあって、本当に良かったです。すごい面白かった!

 

4:夜の散歩
恋人の男性(チョン・ジュンウォンさん)と夜の道を散歩しながら、あれこれ思い出話をする彼女(IUさん)。
しかし、そんな彼女は既に死んでしまった人だった…。

感想:
恋人だった男性の夢に、夜な夜な出現する彼女。
夜の道を切なく映すモノトーンの映像が本当に美しく、影の使い方も素敵でした。
自殺をしてしまった彼女、その理由や気持ちを恋人にぽつぽつと語ります。
死んでしまってからも「だんだん消えるよう」だと話すシーンは、悲しくもあり抒情的でもあり。
主軸の話はよくあるエピソードですが、映像がメランコリックで大変美しかったです。


ということで、IUさんの魅力を存分に引き出していて、アート性もあって、かなり面白いオムニバス作品でした。
もっとこういう作品、もっと他の色々な俳優さんで観たいなあと思ってしまいました。
1作品目の「ラブセット」の監督・脚本はイ・ギョンミさんという方なのですが、好きなドラマの1つである「保険教師アン・ウニョン」の監督でもあり、それを知るとまた面白いなあと思った次第です。

どの作品ももれなく好きでしたが、個人的にはダントツで「キスの罪」、そして「夜の散歩」「ラブセット」「コレクター」の順で良いと思いました。
4作品それぞれ非常に個性もあって、IUさんの演技もひきつけられましたし、素晴らしい作品でした!!大満足でした。

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