ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ リンク:ふたりのシンパシー (感想)

おすすめ度:40%
開店準備度:100%
未解決事件度:100%
原題:링크: 먹고 사랑하라, 죽이게 / Link: Eat, Love, Kill (全16話) Disney+

リンク 2人のシンパシー 韓国ドラマ感想レビュー

リンクする感情、未解決事件。2人の繋がりの理由は…2022年のサスペンス・ラブコメ

あらすじ・キャスト

人気シェフのゲフン(ヨ・ジングさん)には、双子の妹と感情がリンクする不思議な感覚をもっていた。しかしそんな力もいつしか消えていたが、18年ぶりにあの感情の”リンク”を再び感じるゲフン。
一方イベント会社で働くものの、実家に戻ることになったダヒョン(ムン・ガヨンさん)はストーカーの気配に怯えつつ、ゲフンがストーカー犯ではないかと疑う。
ゲフンは自分の感情がダヒョンとリンクしていることに気が付くが…。

感想

色々上手く混ざりきってないドラマだなと思いました。
中心にサスペンスが据えられたストーリーで、ラブコメを交えながらチグハグ感ありつつ語られます。
そのサスペンスを、わざとらしさ強めの”喜劇”タッチで包んだストーリー。
1話の掴みは良いな〜と思ったのですが、以降が出し惜しみがすごい。正直、そのテンポの悪さにイライラさせられました。(すみません、個人的な感想です)

チファ洞の住人全員が何か隠し事があるような状況を、独特の空気感で面白味を全面的に押し出した前半。「不穏だけどオモシロ」アピールが強すぎて逆効果というか、とにかく演出がクドいと思うこと多数。
肝心なシーンで人々のセリフが不自然に主語・述語だけで会話が一旦終了。意味深に切れるカットが多く、細かい箇所で観ていて小さなストレスが蓄積しました。
このドラマはミスリードを楽しむように構成されているので、しょうがない部分も理解はできます。
しかし根本的このドラマでは「なぜそのような行動をしたか?」という部分はほとんど明らかになりません。
この特徴的な演出が重なるにつれ、次第にその手法に「面倒くささ」を感じる気はしました。
このあたりが、全体的にもっさりしている原因というか、かなりの短所だとは個人的に思います。核心部分への「匂わせ」が本当にしつこい。
7話ぐらいからエンジンがようやくかかるというか、焦点になる人間関係の枠が少し広がりはします。

長所はそのコメディタッチの演出が、ラブストーリーには効いていたところ。
ゲフンとダヒョンの恋愛関係は、2人の感情の”リンク”でどんどん強くなります。
この共感によって若干重そうになるシーンでも、根本的にダヒョンが”おとぼけ”キャラなので深刻になり過ぎず、独特の可愛らしさが画面に残るというのは本当に良かったと思いました。
少しズレた感じもある演技にムン・ガヨンさんの雰囲気でふんわりした温かみがありました。
このダヒョンとゲフン演じるヨ・ジングさんのカップルですが、とてもお似合いで観ていて楽しかったです。演出が少々わざとらしいなと感じても、この2人のシーンに関してはネガティブに働かず上手く合っているなと思いました。

とはいえ、この作品はラブストーリーがメインでは決してないので、2人を観ていて勿体ないと思ってしまいました。
サスペンス部分に満足感があれば決してそうは思わせないはずですが、個人的にはサスペンスへの魅力をどんどん失っていたので、もう少しラブコメに比重を割いても良かったような…。

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
 
 
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ヨ・ジングさんインスタグラムより

イベント会社で働くダヒョンは人気シェフのゲフンと、イベント会場で偶然知り合います。何となく会話を交わした2人でしたが、ダヒョンはゲフンが自分に気があるのではないかと疑います。
その後ダヒョンは家賃の滞納問題などもあり、チファ洞にある祖母と母の営む鍋料理レストランのある実家へ戻ることに。
一方のゲフンも時を同じくしてチファ洞にやって来ます。彼の場合は新規レストランの出店とある目的を兼ねて。
ゲフンはダヒョンの母たちの鍋料理店の向かいの空き店舗を買い取り、改装してビストロのお店を出すようです。
彼らの住むことになったチファ洞…しかし、何故かこの街の空気は他とは異なっていたのでした。

ダヒョンですが彼女には実家に戻る前から、実はストーカーに悩まされていました。
彼女は当初ゲフンをその相手だと思い込みます。しかし本当の犯人は、元同僚のジングン(シン・ジェフィさん)。
この不気味なジングン。ある夜ダヒョンを追い回し、命の危険を感じた彼女は実家の料理店に逃げ込みます。それでも追って来た彼、しかし”正当防衛”したダヒョン…。
結果、ジングンは死んでしまいます。
ショックを受けたダヒョン、自首しようと警察を訪れたものの結局家に戻る羽目に。しかし驚いたのはその後。
あのジングンを母と祖母が片付けている最中だったのです。母たちは彼の死体を一旦”捨てられた”業務用冷蔵庫の中に隠します。
しかし事は簡単に終わりません、冷蔵庫の持ち主はあのゲフン。何も知らない彼は、冷蔵庫は捨てる気がないと再び改装中の店舗の中へ。
これにヒヤヒヤしているのは、もちろんダヒョンの家族。絶対にゲフンに冷蔵庫の秘密を知られるわけにはいきません。
ここから、かなりの時間を割いてゲフンとダヒョン、そして母・祖母のコントが始まります。

ゲフンと事件
ここチファ洞では、皆が知っている事件が18年前に発生していました。ゲフンの双子の妹、ゲヨンの失踪という未解決事件。
ゲフンが友人と遊んでいる間に、ゲヨンの姿は消えてしまいます。彼女の足取りは消えたまま。この事件はゲフン一家に辛い傷跡を残し、また街の人々にも様々な思いが未だ消えません。
ゲフンは18年振りに”感情がリンク”する感覚を覚えます。この”感覚”はかつてゲフンが妹ゲヨンとだけに持っていた特殊な感覚。
なぜ18年後の今?一体誰と自分の感情はリンクしているのか?ゲフンは謎に思います。そんな思いも抱えつつ、彼はこの生まれ育ちそして妹が消えてしまった、家族がバラバラになってしまった舞台となるチファ洞へ戻ってくるのでした。
そんな思いは知らず、人々は「あのゲフンがチファ洞に戻ってきた!」と、ざわつき始めるのでした。

リンクふたりのシンパシー 韓ドラ 感想

一生開店しない店
寂れたチファ洞でビストロ店をオープンさせようと、自らも労働してお店を作り上げていくゲフンさん。
内装も仕上り素敵なお店に。スタッフもシェフであるゲフンの他に、ダヒョンや友人含め計4名。しかし一向に店はオープンしません。
ひたすら無駄に食材を求めて市場に頻繁に買い出しに行くゲフンさん。スタッフに仕入れ先の食材の鮮度を何度も確認させるゲフンさん。まさか終盤までその状況を貫くとは、本当に予想できず困惑。
この開店しないレストラン設定、ツッコミ待ち的な意図と最後の切り札でもあるのは明らかでしたが、あまり面白味を感じませんでした。
大型冷蔵庫のネタのためにはしょうがない設定だったのでしょうか?個人的にはちょっと違和感が強くて、雑な設定のように思えてしまいました。
ちなみにネタバレですが、最終回ではオープンしますのでご安心下さい。

ダヒョン母の過去
ゲヨンの足取りが次第に明らかになるにつれ、チファ洞の人々が「口をつぐむ」理由も語られていきます。
その1人がダヒョンの母。実はゲヨンの失踪とダヒョンの記憶喪失は関連していたのでした。
犯人とダヒョン母の関係ですが、実は彼女はその犯人を撲殺している過去が。しかしこの件はもちろん秘密です。ちなみにこの母の過去が娘ダヒョンの現状とも「リンク」しています。
個人的に如何なものかと思ったのは、このダヒョン母の態度です。
特に前半の短絡的ですぐ暴力に流れる彼女のキャラ設定。頻繁に「殺してやる」と息巻く母ですが、彼女の過去が明らかになり本当に観ていて無言にさせられました。
殺してやる!というセリフが全くギャグになってねえ…。
更に加えてジングンの件が発生。いくら娘を守るという前提でも、毎夜武器を持ち歩きウロウロし、喧嘩っ早く行動する様子はあまり面白いとは思えませんでした。あまりに描写がオーバーすぎますし、過去を忘れたようなキャラ設定で、ネタとしても成立していないような。

リンクと「もしも」
幼かったゲヨンを助けられなかったのは何故か?
このドラマでは一応、社会的に見過されやすい、小さな者の助けを求める声についてもテーマとして描いていると思います。
「もしあの時~」とは、様々な問題や事件が発生した時に語られる言葉です。
普段の生活の”リンク”において見過されがちなそんな声…。理由や言い訳はいくらでもあります、しかしそれでも私たちには助けられたきっかけは幾らでもあったはずなのに…。そんな気付きを視聴して再度思いました。

犯罪の理由は何
最終的に何度も何度もミスリードを重ねて、真犯人がやっと明らかになります。
個人的にこのドラマのサスペンス部分で最も不満だったのは、ジングンもそうですが、真犯人の心理や意図がほとんど語られていない点です。
サスペンスを強めの軸に置いたのであれば、犯人の心理も描写して欲しいですし、サイコパスだ!で無理矢理押し通すのであれば、より納得させられる要素が明らかに不足していました。
特にゲヨンの事件の真犯人ですがメインに置いた軸なのに、最早単なる謎解きゲームのゴール状態なのは、正直あまり良いお話とは思えませんでした。
結局その回り道の多さで肝心の部分で「そうなの…」レベルで終わってしまうというか。視聴していて、盛り上がりのピークを完全に逃しているようで、どうしてこうなった感。

ということで、ワクワク度が高いスタートで面白い部分もあったのですが、エピソードやキャラ設定が最後まで一貫して噛み合っていないドラマで、つまらないと感じさせる部分が常に見え隠れする作品だったという感想です。
エンディングに至っては、そんな裏話よりもっと明らかにすべき真相があるのでは?と個人的には非常にガッカリさせられました。
とはいえ、ヨ・ジングさんとムン・ガヨンさんは本当に可愛らしかっただけに、非常にもったいないと思ったドラマでした。

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