ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ 君を愛した時間~ワタシとカレの恋愛白書 (感想)

おすすめ度:60%
ピアニスト度:100%
隣人度:100%
原題:너를 사랑한 시간 / The Time We Were Not in Love 全16話

君を愛した時間 ドラマ感想

男性運がないハナを支える幼馴染との関係は?2015年のラブストーリー。

あらすじ・キャスト

ハナ(ハ・ジウォンさん)とウォン(イ・ジヌクさん)は高校時代から17年来の友人同士。
34歳になった2人は、お互い仕事に邁進し忙しい日々を送っていた。
そんなある日、ハナはプロポーズを期待していた彼氏から、突然別れを告げられショックを受ける。
親友であるハナの落ち込んだ姿を見て、声をかけるウォンだったが…。

感想

2015年制作!ザ・ラブストーリー!
もったりした、妙にもどかしい流れ…ゴールが目前なのに全く進まないという、この年代らしい(?)王道のラブストーリーでした。
ただベタなラブストーリーを視聴したいなという気分だった時でしたので、うってつけな作品で個人的には時代を感じつつ、それなりに楽しんで観ることができました。
とはいえ、現在のドラマと比較すると洒落にならない回りくどい進展と、演出のわざとらしさで面白くないと思われる方もいるとは思います。

家が隣同士の男女。高校生の時からの腐れ縁…。
この時点で既に「付き合うしかないのでは」という設定ですが、全くそうはいかないのが今作です。
ハ・ジウォンさん演じるハナと、イ・ジヌクさん演じるウォンという美男美女のお2人。2人の見た目的にも34歳というキャラクター年齢的にも、"大人な"男女の友人関係の駆け引きが繰り出されると思いきや、17歳から何ら関係性が成長していないという点に絶望を覚えながら、ストーリーは展開されます。
せっかくこの渋いお2人が主演なのだから、もう少し大人っぽさが欲しかったなあというのが率直な気持ちでしたが…。

スタイルの良いハ・ジウォンさんの”強め”なファッションや、やたら頻繁に髪をかき上げる姿に時代を感じつつ、強がりながら愛されることを求めるハナと、そんな彼女を友人として強く支えるウォン。
2人の遠回りしまくるラブストーリーが描かれていきます。

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
 
 
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イ・ジヌクさんインスタグラムより

オ次長として仕事をバリバリこなし、恋愛も順調なハナ。
そんなある日、彼氏に呼び出され遂にプロポーズか?と予想していたハナでしたがなんと「別の女性と結婚する」と彼から衝撃の告白が。
これには大ショック(1回目)を受ける彼女。信じていた彼氏にはずっと浮気をされていたのでした。浮気相手もその彼氏も同じ社内の人間のようでしたが、気付かないものなのですね。
傷心のハナを見て、さすがに家族や親友で家族ぐるみの付き合いのあるウォンも同情。何となくハナが過去に良い恋愛をしていない、ということが伺えます。

そんなハナでしたが意外にも立ち直りが早かったです。理由は彼女の元に研修生として年下のアイドル系の男性がやって来たため。失恋の傷は新しい恋で癒すハナさんのようです。
割と積極的なインターンのソンジェ君にハナさんも嬉しそう。
突然出現した年下男性の存在に怪訝な表情を浮かべるウォンでしたが、ハナはそんな事は気にしません。ウキウキで年下の彼に惹かれているよう。
ついに出張という都合のよいチャンスと共に、ソンジェとハナは1泊することに。あくまでも出張なのに、張り切り過ぎでは…と困惑しましたが、ハナさんウキウキ。
しかしハナさんはソンジェ君が電話で話している内容を偶然耳にします。そう、彼は正社員になるためだけに、単にハナの機嫌を取っていると…。
これにはハナさん大ショック(2回目)。天国から地獄にまたもや突き落とされるハナさん。
年下男性の健気に見えたアプローチは単なる接待プレイだったという厳しい現実を知り、浮かれてしまった自分に自己嫌悪。
ウォータープルーフタイプではないマスカラ使用だったのか、尋常でないマスカラ使用量だったのか不明ですが、涙のためとんでもねえメイク崩れで泣きながらウォンに助けを求めるハナさん。このあたりの演出も古くて涙を誘います。
そしてもちろん駆けつけてくれるウォン。優しすぎ…。

このハナを常に強く支えるウォンさんですが、想像の倍ぐらいのサポートタイプで健気すぎました。
主人公女子に世話を焼く幼馴染というキャラはよくありますが、ウォンもまさにそれです。それ以上かもしれません。
このウォンの面白いなと思う点が、ハナ以外の人間にはあからさまに"塩対応"というところです。
しかも故意にではなく、ナチュラルに興味がないんだろうなと明らかなところ。無意識にそうなってしまうのだろうなという、ある意味ウォンさんの無邪気さと渋いイ・ジヌクさんとの親和性が意外と高くて良かったです。
同僚にも空気を読まず正論をぶちかましたり、仏頂面であまり面白みのないような態度を取りながら、ハナには非常に細やかな心遣いと弾ける笑顔を見せるウォンさん…。
そりゃ攻める後輩も諦めるしかないね、という感じでした。ウォンの態度は第三者からはどう見てもハナが好きなのは丸出し。
あとはこの2人が素直になれば良いだけ…と思いましたが、ここである男性が登場。
ハナの元カレである、ソフ(ユン・ギュンサンさん)でした。
しかも元カレと言っても、婚約までした仲です。ウォンはソフが海外から再び戻ってきたことを知り、鋭い眼光で危険察知。波乱の予感。

このソフとハナの関係ですが、ソフがピアニストという職業設定のためか、自分勝手で性急な印象を強く出しているキャラです。
そのため、いつもは強気なハナもなぜかソフには押され気味で「彼女らしさ」を失い気味。当初は過去、婚約式というお披露目の場でソフが会場に来なかったという特大トラブルに見舞われて破局した2人。
それから3年後ですが、セキュリティが甘いハナの職場に頻繁にやってくるソフに根負けしたのか、ハナさんはなんと復縁を決めます。
密かに娘とウォンを結婚させたいと願う両親に、ハナが「ソフと復縁する」と宣言した時のハナ父のセリフ「どうかしてる」はまさにその通りだと同意してしまいました。
どこをどう考えてもウォン一択…なぜ人間は何度も間違いを犯してしまうのか…。深すぎる哲学的な壁に直面する我々。
しかしウォンはハナのこの選択を尊重。
あくまでも友人としてハナとこれからも付き合う、支えると宣言するなど、予想できていたものの物分かりがやたら良すぎるウォンにモヤモヤする展開が。視聴していて泣きそうになりました。

このように17歳から仲の良い2人ですが大学生、そして社会人になっても2人の距離感が全くもって変化しないという男女の関係が延々と続きます。
そして問題(?)の何度となく挟まれる彼らの高校生および大学生のころの回想シーン…。
これがなかなかで、なんとイ・ジヌクさんとハ・ジウォンさんが高校生の姿となって演じられているのですが、さすがに観ていて相当厳しいものを感じました。
20代後半でも(特に男性は体格がしっかりされている俳優さんが多いので)違和感を覚えやすい制服姿ですが…。
とはいえ、2人が高校生を演じる意図としては恐らく「2人が全く変わっていない」という部分を強調したかったのではないかなと思います。深読みかもしれませんが…。
それぐらい10代から一切成長していない(2人の距離感が)という表現を踏まえて、あえて子役を入れなかったのかもしれません。

ウォンの秘密というか、彼が書いていた脚本の結末についても友人の死が関係していたということが判明。ウォンはそれでハナへの気持ちを封印したのですね。
長く引っ張りすぎだろうとは思いましたが、色々あって2人の気持ちがやっと!!!通じ合います。長すぎました。
海外研修や出張を直前で中止と勝手に決めるなど都合の良さが散見されつつも、とりあえず良かったなと思った次第です。ウォンさんが後半とにかく嬉しそうだったのが印象的でした。
エンディングは最近のラブコメではあまり見られないぐらいのダメ押しのハッピーエンドが描かれていて、この部分も時代を感じました。

ということで、お互いの部屋が2mぐらいの至近距離ながら、17年も遠回りしてやっとたどり着いたラブストーリー。
序盤はテンポが割と軽快でしたが、中盤以降冗長な展開が続きつつも、とことんハッピーエンドで仕上げるという作品でした。
ドラマの構成、セリフや演出そしてファッションなども時代を感じて興味深かったです。この設定をリメイクすると現代ならどうなるだろうなと視聴しながらぼんやりと考えてしまいました。
ということで、ものすごく面白かった訳ではありませんが、とんでもなくつまらない訳でもないドラマだったなという、かなり微妙なラインだったという感想でした。
ただ恐らくイ・ジヌクさんはこのようなド直球のラブコメ作品に今後もう出演されない気がしますので、今や貴重なドラマかもしれません。

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