ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ ホテルデルーナ (感想)

おすすめ度:67%
明らかになる過去度:100%
衣装チェンジ度:100%
原題:호텔 델루나 / Hotel del Luna (全16話)

ホテルデルーナ 韓国ドラマ感想

幽霊だけが宿泊できるホテルで働く人々にも深い過去が…2019年放送のファンタジードラマ。

あらすじ・キャスト

街中にひっそりと佇む、幽霊だけが宿泊することができる「ホテル・デルーナ」の社長マンウォル(IUさん)。
このホテルには幽霊を送り出すおもてなしを提供しているが、マンウォル自身は1000年もの長い間このホテルに縛り付けられている人物だった。
そんなある日、20年前にマンウォル交わした約束のため、人間ながらこのデルーナにやって来たチャンソン(ヨ・ジングさん)だったが…。

感想

面白さとつまらなさの溝
ポスター写真のヨ・ジングさんに注目して頂くと、不自然な手が薄っすら写っているのにお気づきの通り、”幽霊”をテーマにしたファンタジー作品です。
率直な感想としては長くて単調、そして構成のワンパターンさが気になる点でしょうか。長いと言ってもパッケージとしては通常の全16話ですが(私が視聴したのは例の如く無駄に分割されたU-Next版ですので、全24話の”長さ”でしたが…)、視聴していて長く感じるという意味です。
つまらないと切り捨ててるほど悪くはなかったですが(偉そうにすみません)、本筋に入るまでの助走がとにかく長いというか…。
個人的にはホテル宿泊客の話が真新しさもなく、正直クドいと感じました。
一方本筋の主人公マンウォルの過去ストーリーは面白く、興味をかき立てられ早く続きが知りたい!!!と思わせられるのですが、かなりのチラ見せばかり。
盛り上げの分散的にしょうがないのは理解できるものの、ワクワクで観ていてもホテルの幽霊話に戻り「さっきと同じパターンか…」と視聴していてだんだん集中力を失ってしまうというか…。幽霊の不満解決がちょっとありきたりのような。
そんな訳で、マンウォルの過去を見せて欲しいのですが…と、毎回欲求不満状態。3歩進んで2歩下がるじりじりしたテンポで、マンウォルさんの過去やチャンソンとの関係がゆったりと明かされます。
結論、マンウォルのエピソードの時は面白い。でも幽霊客の話は面白くない。このギャップがなかなかで、このあたりのバランスが微妙かなあと思いました。

ただこの作品での誰もが同意されるであろう見どころの1つは、マンウォル(IUさん)の華麗なる衣装の数々!そしてその世界観の徹底だと思います。
キャラの性格設定とIUさんがお持ちの小悪魔的雰囲気がとんでもなく一致していて、そのキャラと衣装の親和性がすごい。とても素敵でした!
カジュアル系は着用されていませんでしたが、クラシックスタイルを主にしたファッションが本当に可愛らしかったです。毎話ヘアスタイルやメイク、アクセサリーも抜かりなく見るだけでもかなり楽しめました。撮影時間もかかってそうです。

そんなマンウォルの部下になるのが、ヨ・ジングさん演じるチャンソンです。
序盤は個人的な感想として、IUさんとヨ・ジングさんがあまり合わない気もしていたのですが、中盤以降チャンソンという人物の、どこかどっしりした性格がジングさんの誠実な雰囲気にピッタリなんだと気付きました。

特別出演(カメオ出演)としては、IUさんと共演もあったイ・ジュンギさんや、キム・スヒョンさんの他、ソルリさんらと豪華でした。

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
 
 
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IUさんインスタグラムより

20年前にチャンソンの父がホテル・デルーナでマンウォルと約束したこと…それは将来息子チャンソンを”差し出す”こと。マンウォルはチャンソンが成長するのをずっと待っていたのでした。
マンウォルと彼女のホテル・デルーナが”不思議な力”を持つことを察知した父の遺言を受け、チャンソンは海外逃亡。しかしそんなことはマンウォル様の監視下では無駄。
チャンソンはマンウォルからまんまと「幽霊が見える」体にされてしまい、無事ホテル・デルーナで働くことになってしまいます。
デルーナは人間でなく、幽霊を宿泊させる場所。そして彼らは全員訳アリの幽霊。そんな彼らの現世での心残りを晴らして、あの世へキレイに送り出すことがホテルの仕事。
そんな不思議なデルーナですが、謎の女性マンウォルによってかなりの年月で営業されていたことがうかがえます。
デルーナの中心である、月霊樹…マンウォルはこの木に”縛られ”ていたのです。どこに逃げたとしても、決して逃げられない。ホテル(宿)を営業することが彼女の「罰」になっていたのでした。

勝気でワガママ、謝ることを知らない浪費家マンウォルさん…そんな彼女にチャンソン(ハーバードMBA取得者)はウンザリします。幾度もぶつかり、また幽霊が見えることになってしまった体質にも不満がいっぱい。
しかし、チャンソンは彼女の過去の夢を見ていることに気付きます。1000年以上前のマンウォルは、愛に生きているように見え、何か深い理由を感じさせます。
一体彼女が縛り付けられているものは何なのか?
チャンソン君だけでなく、視聴者もマンウォルさんの過去に興味深々。
このように、ホテル・デルーナという場所のお話だけでなく、デルーナの主人マンウォルとは一体どのような人物だったのかという秘密が明らかに。

実はマンウォルさんはなかなか切ない過去を持っているのですが、彼女は”死ねない”状況になっているんですね。木に縛られて罰を受けているとの表現でしたが、その木は一見枯れているように見えます。
しかし、チャンソンがホテルにやって来てマンウォルを助ける日々が続き、木にも変化が。葉を茂らせ、花を咲かせ…。
マンウォルはチャンソンが神から送られてきた人物だと気付きます、彼こそ自分を”逝かせて”くれる者なのだと。
そして、マンウォルがずっとずっと待ち焦がれていた相手(イ・ドヒョンさん)に再び引き合わせてくれる人こそチャンソンであるはずだと。

彼女の中で過去の様々な恨みや愛情などが次第にとけていくのも良かった。
ちなみに、過去パートで出演されている、イ・ドヒョンさんある意味でチャンソン役よりも良い役かもしれません。印象的でした。
一方で、マンウォルをあの世に送るということは、彼女と現世との永遠との別れになるのは明らかです。一緒にいがみ合いながらも働くチャンソンは、マンウォルに惹かれていました。そしてマンウォルも。

最終話の最後のシーンの考察ですが、あれはチャンソンの空想(強い想い)だと思います。マンウォルが幽霊になったのならば「早かったね」は意味がおかしいと思いますし、他のホテルのメンバーは既に”来世”状態でお互いの記憶はないようです。
ただ遠からずその状況がありえる予感のシーンで、良い終わり方かなと思いました。

終盤にさしかかるまでは、もったりとした展開で中だるみをしつつ(但しマンウォルの過去パートは除く)、終盤は盛り上がりが多くてドラマチックで良かったです。
マンウォルが1000年もこだわっていた愛でしたが、想像以上にあっさり片付いてしまったのは意外でしたが、新たに愛する人が出来たからという気持ちもあったからかもしれません。
ただ、個人的には2人の再会については、チャンソン抜きでもう少しロマンティックさがあっても良かったような…。
ということで、マンウォルさんの過去パートは大変魅力的なストーリーでしたが、幽霊客のあれこれ話は既視感があるようなエピソードが多く、テンポが悪いというよりは中だるみを起こしやすい構成にそもそもなっているなと素人ながらに思った次第です。
ただ衣装やセット、作品の雰囲気はとても良かった。それゆえに全体的にちょっとバランスが勿体なかったように思ったドラマでした。

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