ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ グリーン・マザーズ・クラブ (感想)

おすすめ:68%
住人のキャラ度:100%
それぞれの正義度:100%
原題:그린마더스클럽 / Green Mothers' Club (全16話)

グリーンマザーズクラブ ドラマ感想

同じ歳の子を持つ母親たち、彼女たちの戦いとは…2022年放送のヒューマン・愛憎ドラマ。

あらすじ・キャスト

教育熱心な地区に引っ越してきたウンピョ(イ・ヨウォンさん)は、同い年の子を持つ親戚のユンジュ(チュ・ミンギョンさん)に迎えられる。
この地区ではチュニ(チュ・ジャヒョンさん)が”ママたち”を取り仕切っており、ウンピョは考え方の違いを感じる。
ある日ウンピョは会いたくなかった女性、ジナ(キム・ギュリさん)とその夫ルイ(チェ・ガンロク/ロイさん)に出会う。

感想

イヤな気分が常にまとわりつくようなドラマで、なかなか面白かったです。
個人的には正義感の在り方についても、皮肉や反面教師含め描かれているのは興味深く感じました。
ただ、ストーリーは特に後半は散らかった感が強く、一体何を主題にしたいのか見えにくく、その点は良くもあり悪くもあり…という印象が残りました。
どのキャラクターも漏れなく歪んでいて、全員に不穏な空気を感じつつ。とにかく澱んだ空気の中にイライラが常にあるという、なかなかのドラマという印象です。
面白いのは面白かったのですが…、ちょっと”抜け”のないエピソードが多い割には緊張感がなく、気怠さがあるというか。

ソウルでも有数の教育熱心な地区に息子2人を連れて夫と引っ越して来たウンピョ。
彼女が「あの人たちと私は違う」と、どの”ママ友”グループにも属さず、孤立しながら息子の教育方針を探っていきます。
周囲のママ友と対立するウンピョでしたが、昔の彼女を知るジナが近所に住んでいることがわかります。ウンピョは息子の教育についても壁を感じ、次第にママ友とも接点を持たざる得ません。
しかし、事件が起こり…というストーリー展開。

同じ年齢の子を持つママたちが子供を使っての代理戦争を行う軸と、彼女たちそれぞれが抱えている問題の軸と事件が並行して描かれていきます。各キャラクターたちが全員が結構な闇を持った人たちばかり。
ウンピョは主人公ではありましたが、正直一番面倒な性格設定だなと、かなりの頻度で視聴していて虚無顔に。ウンピョのキャラ設定が最もブレている点が個人的に気になりましたが…。

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
 
 
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イ・ヨウォンさんインスタグラムより
ウンピョと息子ドンソク
フランスに留学していて修士取得。その後帰国し、名門コソン大学で博士号をとったウンピョ。将来を約束された彼女でしたが、子供のミスで教授の座は消え、現在は無職。
夫は警察官ですが仕事が忙しく、週に1,2度しか家に帰らないため、スマホの登録名は「ほぼ他人」という関係。
義母の持っていたサンウィ洞のマンションに引っ越して来ますが、江南に続いて教育に熱が入る地区だと気付き面食らいます。
ウンピョは、子供に勉強を強要させるママたちを見下したような態度で「親の理想を子供の押し付けたくない」と一瞥し、自分は「”そういう”母親じゃない」とし、彼女たちは違うと考えます。ウンピョ自身が自分の学力に自信があるからかもしれません。
そんなウンピョの態度に、チュニ率いるママ友と衝突しはじめます。

一方でドンソクと他の生徒を比較し、次第に焦りを覚えるウンピョ。ドンソクは完全にマイペースな男の子です。クラスの児童の間でも問題児扱いされたり、母はママ友グループからも外れ、孤立する親子…。
プライドの高いウンピョ、ドンソクは自分の血が入っているので賢いはずだと信じています。そんな時、実はドンソクは高IQの天才児だと知らされます。
やっぱり!という感じで炎が燃え上がったようになるウンピョさん。「才能を伸ばしてあげないと!」ドンソクへの天才児教育に夢中。
あれだけ半分馬鹿にしていた”教育ママ”にウンピョさん自身が華麗な転身へ。
ドンソク君は問題児から一気に天才児へと才能を発揮し、テレビにまで出演することに。チュニの娘ユビンがトップに君臨していた時代は終焉し、ドンソク&ウンピョが頂点に立ちます。
ウンピョは自分やドンソクを馬鹿にした人々への復讐のような気持ちと、その勝利を手にした達成感に酔いしれますが、夫はそんな息子とウンピョに不安を覚えます。

ウンピョとジナ
2人は実は中学生の時からの友人同士。
しかし仲が良かったと思われた2人でしたが、その心の中ではそれぞれが嫉妬や劣等感、羨望が渦巻いていました。
ウンピョはジナを持つ者として羨み、ジナはウンピョには手に入らない愛を持っていると考えていました。
2人の仲に決定的に亀裂が入ったのが、ルイの存在。
フランス留学中、ウンピョは現地で知り合ったルイと恋人同士でした。しかし、突然出現したジナに彼氏だったルイは目を奪われます。
そしてそのままルイはジナと結婚、息子アンリが生まれます。その2人が再会、ウンピョはルイを見て動揺します。

ママ友界隈では”女神”と呼ばれ、最上階に何不自由なく住むアーティストのジナ。
そんなジナを見て、再びウンピョの中のコンプレックスが何度もくすぶります。
何度冷たい態度を取られてもウンピョに「仲良くしよう」と再度絡んでくるジナの態度も不気味でしたが、ウンピョはついに感情爆発。
ルイの事も含めた過去の自分の気持ちを言い「もう関りたくない、話しかけるな」と伝えます。
加えてウンピョとルイが2人で会っていたのを見たジナは、ルイの不貞を疑い口論に。
そしてその後、何とジナは死んでしまいました。
ジナの死にショックを受けるウンピョ。自分のせいではないかと自らを責め始めます。
しかしジナの死には謎も多くありました。

グリーンマザーズクラブ クチコミ

ウンピョとチュニ
優秀な娘ユビンの母親チュニ。夫は医者で、界隈のママのトップに立つ人物。
ウンピョとは同じマンションの向かいの部屋に住んでいます。気が強く教育熱心なチュニですが、ウンピョの態度が気に入りません。
しかしガラス事件やマンションの屋上で度々顔を合わした2人は、何故か次第に意気投合。
この2人の関係ですが、割と興味深いものがありました。プライドと上昇志向が強く、だけど劣等感の影がちらつく2人は、どこか似た物同士。事実、表立って何度も派手に衝突し合いながらも、どこかでお互いを支え合っていて、ある意味夫婦のような関係だなと感じました。
チュニは終盤にかけて彼女の”危険な仕事”が明らかに。「真実は時に毒になる」とウンピョを守るかのように、彼女には明らかにしないチュニの闇。
しかし子供たち、夫、過去…チュニが必死になって守っていた砂の城が大きく崩れ落ちつつありました。

ウンピョとは何だったのか
ただの”ママ戦争”だけにとどまらず、犯罪事件が多数発生するウンピョ周辺。
噂やプライド、意地で戦っていたママたちですが、次第にメッキが剝がれていきます。このあたりは当初から予想できる流れですが、ただ、「全員こじらせすぎ」でしょ…とは強く思いました。
半ドンソクとユビンを病気という枠で放置し、全く子供は関係なくなってしまう点には特に都合の良さを感じつつ…。
ただ、個人的に最も気になったのがウンピョさんのお節介具合です。
当初の「わたしはアナタとは違う」という立ち位置から実は自分もアナタと同じだったという方向性は、物語の趣旨だと思います。昨日の敵は今日の友、似た物同士だったという訳ですよね。

ただ根本的にウンピョが全ての問題に介入しすぎていて、不自然さも感じました。
チュニやジナとの友人関係に愛憎が混じるというのもとても理解できます。しかしウンピョさんの場合、その好きと嫌いが入り混じった感情が伝わりにくかった。
どこか温度の低さのある演出なのもあり、彼女の心情が汲み取りにくく、単に「(家族のことよりも)好き勝手に動いているウンピョ」というキャラになってしまっているのが、残念に思えました。
結果、常に彼女の行動や人間関係の”線”にストーリ上あまり説得力を感じないのが、どうかなあと思いました。(個人的な感想です)
最後は友人ジナの死はルイの根深い裏切りが強く関係しているという、”知ってた”案件で浅く終了。おそらくアンリ君は父が母の手を離したのを目撃したことを父に打ち明けたのではと考察します。
エンディングでは女同士の友情!!自分が手にしていたモノの大切さ!!でまとめ上げた結末は意外性が皆無で、正直その安直さにガッカリした次第です。
前半は面白く思って視聴していたのですが、後半部分は軸がブレていて、最終回に至っては何だったのか…という気分で視聴を終えました。

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