ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ キム課長とソ理事 (感想)

おすすめ度:68%
ナムグン・ミンさんの胡散臭さ度:100%
ジュノさんの偉そうな態度度:100%
原題:김과장(キム課長)全20話
日本語題:キム課長とソ理事~Bravo! Your Life~

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数字の鬼キム課長が巨大企業に転職するが、そこは不正が蔓延っていた…2017年のヒューマン/コメディドラマ。

 あらすじ・キャスト

数字に異常に強く、経理一筋のキム・ソンニョン/キム課長(ナムグン・ミンさん)は、目的のために日々バレない程度に着服しつつ仕事をこなしていた。が、とうとう仕事をクビになる。
ちょうど巨大企業TQグループが経理職を募集していることを知り、もっと大きく着服できるのではと応募してみるキム課長。
このキム課長の応募に目を付けたソ・ユル/ソ理事(ジュノさん)はこのキム課長を"使って”裏帳簿を処理させようとするが…。

感想

つまらない…という程ではないですが、思ったよりは期待外れでした。(すみません)
視聴前の期待値が相当高かったので、その落差が大きすぎたというのもあるのですが、終始似たような展開でイマイチ盛り上がりと爽快感に欠けるというか、先が読めてしまうというか。
扱う事件として、ただの内輪モメ的な印象が全体的に大きく、少々地味すぎたように思えました。序盤は、大変面白く感じたのですが…。

ただ!!!
ナムグン・ミンさん、そしてジュノさんが、はちゃめちゃに良い!!
本当に本気で良かったです!
これだけでも是非観て頂きたいというか、それだけで観る価値はあるかなと思います。
お2人、素晴らしかったです!

個人的にはナムグン・ミンさんの胡散臭いニタニタした表情(最高)と、ジュノさんの鼻に付く上から目線の態度(最高)がとにかく役柄に100%ハマっており、その部分が本当に抜群に作品内で効いてました!
この2人をキャスティングした人、神すぎ…。
お2人のお顔の(タイプの違う)対比も良いですし、バランスが絶妙でした。

『ヴィンチェンツォ』の視聴後、普段はあまり気にしないのですが、興奮のあまり脚本家である、パク・ジェボムさんの過去作を調べて観たドラマです。相手を罵る際のコミカルな言葉の選び方などは、その後のヴィンチェンツォに通じるものがあるかなと面白く感じました。あと脇役のキャラ設定の上手さも!
また、主人公のキム課長も、元々は悪人というところも同じかもしれません。

ゆるいネタバレありの感想

ナムグン・ミンさんインスタグラムより

子供の頃から暗算王として有名で、ドクポ興行で経理を任されている、キム・ソンニョン、通称キム課長(ナムグン・ミンさん)。数字マジックで、完璧な帳簿を盾に脱税や横領をしながら、お気楽に過ごしています。
そんなキム課長の夢は、デンマークへの移住。理由として不正が少なくクリーンな国、というところが矛盾点で笑う場所になっています。
帳簿を自由に操っていたキム課長でしたが、ある日会社をクビに。気を取り直して、巨大企業TQグループの求人に応募するキム課長です。

面接で迫真の演技をしたキム課長ですが、やはり(?)経歴が問題視されます。ですが、逆にその経歴に目を付けたのが、元検事で企業の理事となったソ・ユル(ジュノさん/2PM)。
キム課長は問題を押し付けて「使い捨て」にうってつけの人物として、採用されます。
ウキウキして入社するキム・ソンニョン。この会社でもキム課長として働き始めます。ですが早々に、ソ理事に呼びつけられ、表には出せないデータを処理することを命じられるキム課長。勘が鋭い彼はヤバイ…とすぐに気が付き、問題に巻き込まれる前に
会社から去るべし、と早々に決意します。

が、そんな時トラブルに巻き込まれてしまう課長…単なる偶然なのですが、キム課長は社内外で一気にヒーローのような存在として目立った存在になります。
ここから持ち前の調子の良さがアダとなり、キム課長のサービス精神が爆発。

 
 
 
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ジュノさんインスタグラムより

と、このあたりまでは非常にワクワクして視聴していました。
数字にとにかく強くて胡散臭いキム課長vs巨大企業という構図は良かったし、対するジュノさん演じるソ理事の生意気な態度も面白かった!

ですが、残念ながら私はここの中盤から、とにかく中だるみ一直線という状況になっててしまいました。理由としては、結局社内での不正というネタのため、内輪モメ感が非常に強かった。
その不正も会長爺が自らが指示していて、完全に私物化している状態。何となく「それ、本当に得なの…?」という気持ちしか持てず、新鮮な驚きが皆無でした。
自分の会社のお金を取っている会長、怒っているのは社員という構図はあまりドラマ性を感じなかったですし、何となく単純すぎる状況かなと感じます。
そのため、ソ理事が仲間になる結末が早めに読めてしまうのも、勿体ないなと思いました。

とはいえ、何度ピンチになっても、テキトーな態度で切り抜けるキム課長はとにかく愛嬌があり、魅力的なキャラに本当に作り上げられていて、ナムグン・ミンさんの妙な軽妙さんと胡散臭さがとにかく抜きん出ており、本当に本当に素晴らしかった!

キム課長とソ代理の他に、個人的にとても好きだったキャラは、もちろん(?)会長と社長の息子役だったドンハ/キム・ヒョンギュさんです。
とんでもねえ衣装で毎回笑いそうになるのですが、上手く着こなされていて、ちょっと抜けているところもあり、可愛らしく部分も持っている財閥二世という立場を上手く出されていました。

最終的には会長爺は逮捕され、社内に新しい風を入れて更生。
キム課長はこの企業に居座り続ける…ということはせず、再び"胡散臭い”社会で経理をするという流れは良かったです。
やっぱり彼にはスマートな大企業よりも、泥臭い場所が似合っているという原点回帰的になっていました。これは「キム課長」という最早1つのスタイルを貫いていて、らしさがあって大変良かった!
爽やかな最終回になっていて、最後まで笑顔で終わらせてくれました。

ただ、上述したようにどの場面も似たような部分もあったりと、やはり若干インパクトに欠けるストーリー展開でした。注意を引き続けるという部分において、地味すぎたかなと思います。
キャスティングや各キャラ設定は、後の『ヴィンチェンツォ』に通じる濃さがあり凝っているものの、全体的にお話のインパクトが不足し、物足りなさを少々感じつつ視聴を終えました。

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