ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ ドクター弁護士 (感想)

おすすめ度:75%
ザ・黒幕度:100%
眉毛度:100%
原題:닥터 로이어 / Doctor Lawyer (全16話) Disney+

ドクター弁護士 韓国ドラマレビュー

天才外科医の失脚…しかしそれは仕組まれたものだった?2022年の法廷・医療サスペンス。

あらすじ・キャスト

国内屈指の腕を持つ胸部外科医のイハン(ソ・ジソブさん)は、検事であり恋人のソギョン(イム・スヒャンさん)の弟の心臓移植の手術を請け負う。
手術は無事成功し、喜ぶソギョン。しかし、イハンはその後謎のVIPの手術を院長の依頼で行うことになる。
その不可解な夜が明けた日、イハンは成功したはずのソギョンの弟の死に直面するのだった。イハンは医療ミスで逮捕されてしまうが…。

感想

クドさが独特
想像以上のクラシックな様式美を感じさせる演出のドラマでした。
出演者のほぼ全員が常時眉間にしわを寄せながらの表情のシーンが多く、私もつられて眉間にしわを寄せながら、中だるみナシで視聴を楽しめました。
全体的に「顔芸」シーンが多く表情アップの画面を盛り上げてくれるような、いわゆる迫り来る系の効果音的なOSTも効いており、色々な意味でなかなかだなと思いました。
その古典的な演出ですが、謎の人物登場(足元からの舐めるようなカメラワーク)、法廷でのドアバーン入場with後光、タイミング良すぎるTVニュース、わかりやすい悪者オーラ、右斜め上の光源を見上げてニヒルに笑う、「やめろ!」→誰も止めない、など色々なバリエーションのあるあるシーン連発で、個人的にはそのあたりも作品内の大きな見どころかなと思います。
恐らくこの古典的スタイル演出は、敢えての狙っている部分が多いかと思います。
また出演されている俳優陣もそのスタイルに負けていないというか、その往年のドラマスタイルに大変合致したキャスティングでそこも効いていて面白いと思いました。
特に皆さん表情のクセが強く(良い意味で)、顔UPシーンが胸ヤケ(良い意味で)するぐらい楽しめて素晴らしかった。
時代劇ではありませんが、まるで時代劇のように進んでいくというか、ザ・ドラマ!!という感じでクドさがありつつも観やすかったです。

個人的にこの作品で最も目で追ってしまったのは、謎の投資家ジェイデンを演じる、シン・ソンロクさんでした。
エキセントリックなキャラでしたが、この役柄もまたクセが強くてとても良かったです。
アブナイ雰囲気とキザでセクシーな感じ…正直やり過ぎ感ある、よくわかんねえヤバイ役柄が、ソンロクさんによってアニメキャラのように存在しており、私はかなり気に入ってしまいました。
途中から8割ジェイデン・リー目的で視聴しました。妖艶で面白かったです。上から目線で失礼ですが、かなり当たり役だったような気がします。

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

배우 신성록입니다(@shin_sung_rok)がシェアした投稿

シン・ソンロクさんインスタグラムより

ク・ジンギ(イ・ギョンヨンさん)が運営するバンソク病院。
ここで屈指の腕を持つハン・イハンは天才胸部外科医として、日々難しい手術を何件も行っていた。
このバンソク病院では、イハンの恋人である検事ソギョンの弟が心臓病を患い入院中。彼には心臓移植が必要で、そのドナーを長い間待っていたのでした。
そんなイハンとバンソク院経営者であるク・ジンギには、とある秘密の契約が。それはク・ジンギの息子ヒョンソンの”幽霊”になるというもの。
息子ヒョンソンもまた胸部外科に所属している医者であるものの、彼の手術は問題ばかり。しかし次期病院長を継ぐべき息子ヒョンソンの経歴に箔をつけるため、病院にとって話題となるVIPの手術をすべてヒョンソン担当にしていたのです。
ですが、実際にオペを担当するのは腕が確かなイハン。彼はそんな裏の仕事を頼まれていたのでした。この事実は病院内でも一部の人間しか知らないこと。
イハンはその見返りとして、ソギョンの弟の入院費や将来の約束などが交わされていたのでした。

心臓移植手術を待つソギョン弟、ついにドナーが確定します。もちろん執刀医はイハン。難しい手術でしたが、イハンは無事成功させます。喜ぶソギョン。
これで何もかもうまくいくはずだったのです。
そんな夜、イハンは緊急VIP手術としてジンギに呼ばれます。深夜に極秘裏に行われるもの…。
不穏な空気を感じたイハンでしたが、目の前に患者がいるので、事態は急を要します。交通事故に遭ったというVIP患者…。
心臓移植がここでも必要となるのですが、院長ク・ジンギは「心臓はある」と発言。驚くイハン、そんなに心臓が簡単に用意できるものではないのは一目瞭然。しかし、とりあえず手術を進めるイハンさん。
そんなイハンは、術後の疲労だけでは説明がつかないぐらい深い眠りについてしまったのでした。
そして翌日…なんと問題がないと思われたソンギョン弟は亡くなってしまいます。ショックを受けるイハンとソギョン。
ここで病院と世間は、イハンの医療ミスを問うのでした。

自分の手術に間違いはないと信じるイハンですが、恋人のソギョンでさえも彼のミスを疑います。イハンは結局罪に問われ、医師免許ははく奪。
あの深夜の手術は?VIP患者は誰だったのか?ソギョン弟の手術は?
イハンはあの夜の一連の謎のVIP患者の心臓移植手術と、ソギョン弟の移植された心臓に関連性があると考えはじめます。
そして自分の”医療事故”そのものがでっち上げられた事件であると。自分は完全に罠にハメられたこと。そして、その陰にク・ジンギがいると…。
…そして5年後。
イハンは何と弁護士になっていました。最短での資格取得でしょうか?とりあえず間違いなく天才なのだと驚くばかりです。
彼は弁護士の仕事をしながら、バンソク病院の闇、そしてあの「盗まれた心臓」について別の方法と視点でク・ジンギの悪を明かそうとしていたのです。
このように医師を諦め、弁護士イハンとして復讐の道のりがはじまったのでした。

韓国ドラマ ドクター弁護士 感想

ザ・悪人
やはりそのキャスティングに偽りなし!今作でも圧倒的悪人としてやはり、イ・ギョンヨンさんが堂々と存在していました!!
視聴開始2秒で「あ、イ・ギョンヨンさんが悪者だな」というわかりやすい”溜めのある演技”、いいなあ~と心から思いました。さすがの黒幕四天王、その画面の圧がすごい。
ク・ジンギというキャラ自体はとんでもねえ悪人ですので、観ながら眉間にシワが入るところでしょうか。
また個人的にジェイデンさんの次にお気に入りキャラだったのが、悪人ク・ジンギの息子ヒョンソンさん。この親子はキャラ立ちが本当にすごかった!
ヒョンソンは本当に視聴しながら「だから何?」(すみません)というシーンしか存在しなかったのも、本当に好きでした。ベタな雰囲気に更に華を添えた感じ(?)といいますか…。
画面に登場するや否や毎回色々な物を破壊しながら「ギリギリ(怒)…許せねえ…」という表情を100%するオチ。そしてそのまま画面から自ら消えていくスタイル…。
このク親子は本当に漫画みたいでした。

ジェイデン様
シン・ソンロクさん演じるジェイデンさんですが、立ち振る舞いなどもアニメ感が強くて、単純に観ていて楽しいキャラで良かった!
というか、このジェイデンが存在しなければ、恐らくこのドラマのオモシロさは半減していたかもな…と素人ながらそう思いました。(個人的な感想です)
このドラマの主人公イハン自体が天才外科医・犯罪者・弁護士という超人キャラな訳ですが、イハンという役そのものはそれほど面白味もないキャラかなとは思います。(演じたソ・ジソブさんが悪いという訳ではないです)
しかしイハンを引き立たせる周囲のキャラが、どいつもこいつも”良い意味で”わざとらしいキャラが多く、この演出は素晴らしいと思いました。
ただ、ジェイデンとク・ジンギのキャラが濃すぎて、正直イハンの存在が霞んでいるなとは思いましたが…。そこは眉をひそめたい部分かもしれません。
そんなジェイデンさんですが、投資家という立場ながらフリーダムに行動し、時にイハンと組み、時にユナさんと危険な恋仲になったり、神出鬼没でオークションに出席したり、チェスをたしなむ謎の方。
--
全ての黒幕は早々にク・ジンギだと知らされ、イハンたちも彼に罪を認めさせる一心で奔走します。
加えてイハンは、あの”盗まれた心臓”が一体誰の元へ渡ったのか、その相手も追うのですが、これについては終盤まで明かされません。(その人物に関しては、是非作品を視聴頂ければと思います)
最後のイハンvsジンギの最終対決となる法廷シーンですが、かなりの良いタイミングでイハンさんが登場した時は思わず笑ってしまいましたが、その期待を裏切らない入場に個人的に大変満足しました。
それと、16話での空港ジェイデンさん(ホワイト・バージョン)の姿も面白かったです、引きの映像ですと「白衣かな?」と思ってしまいましたが…イハンへのメッセージでしょうか。(意味のない深読み)
とりあえず、ジェイデンさんはベージュver.→ブラックver.→ホワイトver.というバージョンアップの変遷を知れたのは良かった。

エンディングシーンでは”その後”の気になった点は全部放置。
取ってつけたような”平和”状態で、妙な居心地の悪さを視聴しながら感じてしまいましたが、最後までクラシックスタイルを強引に貫いた演出でまとめて上げていて、さすがだなと思った次第です。
ということで、劇場型というか何もかもがやたら大袈裟すぎて時に眉をひそめつつも、その「知ってた」的展開、そして俳優陣のキャスティングで、その独特さに妙に満足度があるドラマで、結構楽しんだ作品でした。
ちょっと古臭い”ドラマっぽいドラマ”(説明になっていませんが…すみません)をお探しの方にはおすすめかなと思います。

こちらもおすすめ: