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韓国ドラマ 配達人 ~終末の救世主~ (感想)

おすすめ度:65%
配達人度:100%
砂嵐度:100%
原題:택배기사 / Black Knight (全6話)

配達人 ~終末の救世主~ ネットフリックス 韓国ドラマ 考察レビュー感想

終末世界、分断された人々。その鍵となる配達人とは…?2023年のSF系アクションドラマ。

あらすじ・キャスト

彗星の衝突によって屋外ではほとんど過ごすことができなくなった未来。
階級に分けられ分断された社会を作り上げたのは、政府よりも力を持ちつつあるソク(ソン・スンホンさん)が代表を務めるグループ企業だった。
伝説の配達人である5−8(キム・ウビンさん)はある日、面識があったサウォル(カン・ユソクさん)が事件に巻き込まれた現場を発見するが…。

感想

珍しくシーズン2を(あまり)匂わせず、全6話で一応終わる作品でした。
CGとVFXを多用された、酸素さえ不足し荒廃した近未来が舞台のアクションドラマ。
階級社会とそれに対する怒り、最強の配達人5−8に憧れる青年サウォルの成長などを主軸にお話が描かれていきます。
ただ私の率直な感想としては、期待したより「は」良くなかったなとは思いました。(すみません、個人的な感想です)もちろんつまらないわけではなく、面白くもありましたし、私は一気に6話続けて視聴しました。
ですが、とにかくストーリーに何ら凝った箇所や積み重なっていくテンションをピークに持っていくような盛り上がりが無いように思え、なんだか想像通りに進むな…という意味で”良くなかった”という感じです。
展開に全くヒネリがないのもあってか、画面に釘付けになるような、惹きつけられる独特の強さが一切感じられなかったのが残念に思えました。
またこれは個人的に感じた部分ですが、冒頭で色々とこの近未来の厳しい環境状況が説明される訳ですが、作品内で使われている道具やセット、スタイリングがどのような原理なのかイマイチ理解できず、細かい箇所が気になってしょうがなかったです。
ある意味そのような所でも、作品そのものへの注意力を削がれてしまったかもしれません。

主演のキム・ウビンさんは役柄の「配達人」としてのカリスマ性や、堂々とした佇まい。また大変魅力的な低い声もあって、迫力があって良かったです!

ゆるいネタバレありの感想

Netflix Koreaインスタグラムより

40年前の彗星の衝突によって、空気は汚染され砂漠化した朝鮮半島。人々は(主に屋外では)マスクを装着して暮らしています。
全人口のたった1%しか生存しなかった人々ですが、そのわずかな人間も正式には3つの「階級」に分類されています。一般・特別・コア…。
彼ら3種類の階級に属した人々は手の甲にQRコードを持ち、決められた居住地に管理され暮らしています。しかしもう1つの階級が存在します、それは「難民」。
彼らはQRコードは与えられず、管理外の人々。つまり彼らは棄民のような存在。
彼らの中にはハンターと呼ばれる、コードを持つ人たちへ届けられる生活物資を略奪する者も。

伝説の「配達人」とは
QRコードを持つ配達人。彼らはこの”世界”を創ったチョンミョングループに所属し、酸素を含め生活必需品を人々に届ける重要な役目を持ちます。
しかし、ハンター化した難民がいつどこで襲撃してくるかはわかりません。つまり、そんなハンターの攻撃に打ち勝てる配達人こそが”一番強い”という訳です。
その中でも最も有名な配達人は5−8。彼はトップクラスの判断力と強さで最早みんなが知る伝説の人物なのでした。
サウォルも密かにこの5−8のようになりたいと願うようになります。

サウォル
彼は難民ですが、”一般”に所属する情報司令部少佐ソラとスラと共に密かに10年も暮らしています。
しかし、これはもちろん極秘。難民を匿うことは厳しく禁止されています。
そんなサウォルは度々家を抜け出し、友人らと会って配達人になるべく”訓練”しているよう。なぜなら配達人になる道だけが唯一難民が公式にQRコードを持てる方法だからです。
サウォルは、自分を育ててくれたソラとスラに迷惑をかけたくない一心だったのです。
ここでサウォルの目標と配達人5−8の運命がクロスするのでした。

配達人 ~終末の救世主~  韓国ドラマ 考察レビュー感想

巨大組織チョンミョングループ
今の”社会”や居住区画などを作り上げた組織がチョンミョングループ。
会長とその息子の代表ソクですが、ソクは病を抱えています。彼は治療法として、突然変異した人体を密かに、そして大胆な行動で難民の中から探しているよう。
実はサウォルこそがその突然変異した生体を持つのですが、5−8も彼の特異体質にいち早く気づくのでした。
5−8は過去の辛い体験もあってこの企業こそが諸悪の根源だと考え、打倒チョンミョングループを胸に秘めるのでした。

気になった点
・マスクと電力
汚染や砂嵐が酷くマスクを外せない屋外のはずですが、必要そうなタイミングで人々が付けていたマスクをわざわざ外してしまうのが最も理解できませんでした。
演技上の理由も大いにあると思いますが、酸素を配達しているという描写があるぐらい深刻にも関わらず、です。
また見る限り、風力発電だけかな?という描写しか見られませんでしたが、かなりの数のモニタやデバイス、車(まさかこの状況でガソリンではないと思いますが)への電力供給は一体どうなっているのか謎でした。それと食物の資源、武器の調達はどこから…?
これらは単なる文句になってしまうかもしれませんが、冒頭で自ら厳しい環境ルールを説明をするのであれば、このあたりの疑問が起こるのも普通かなと思います。もっと最初から濁してあれば無視できるのですが…。
・サウォルと5−8
5−8がサウォルの体質に気付き対応するわけですが、5−8も実は突然変異の人間だったのでは?と思わせられました。
ただ彼もQRコードを取得した際、一連の検査は受けているはずで、代表もデータを把握していてもおかしく無いとは思います。
主役2人のサウォルと5−8は関係性がもっと深く強くありそうですが、師弟関係以外大して描写無いというのもかなり物足りないなと感じました。
・会長
息子のソクに対して自分と似ていることに嫌悪感を示す会長。その昔、この社会を築いた時に何があったのかは不明。短くてももう少し過去を描いて欲しかったです。
・空気
最終回近くになり、事の発端は空気であることに辿り着きます。そんなマッチポンプ的な?!と拍子抜けというか…。
普通に通信などは発達していそうな環境でしたが、他の国の汚染情報などはなかったでしょうか…。
・政府
あの大統領も一癖ありそうな雰囲気でしたが、果たして根本的な”問題”は解決したのか、正直謎が残りました。
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ということで、「良かったね…」と思いつつエンディングを迎えましたが、ぼんやりと不穏な気持ちが残るといいますか、チョンミョングループが政府に変わっただけでは…?と思わせられた次第です。
よってシーズン2の可能性もそれなりに残しつつ、全6話でまとめた作品でした。
良い部分もありましたが、スッキリせず何だか物足りない感が残った印象が強かったです。

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