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観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国映画 グローリーデイ (感想)

おすすめ度:40%
グローリーではない度:100%
弱肉強食度:100%
原題:글로리데이(グローリーデイ)93分

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楽しいはずだった仲間との旅行が一転…。2016年劇場公開の青春/ヒューマン系映画。

 あらすじ・キャスト

入隊を控えたサンウ(スホさん/EXO)を見送るため、仲の良い友人のヨンビ(ジスさん)、
ジゴン(リュ・ジュンヨルさん)、ドゥマン(キム・ヒチャンさん)は海辺の町へ思い出として1泊旅行をするために車で向かう。
友情を確かめあい、楽しく過ごしていた。
しかし、その夜ちょっとしたきっかけで、彼らの人生を大きく変えてしまう事件に遭遇してしまい…。

 感想

タイトルが『グローリーデイ』という100%青春ドラマを予感させる作品ですが、なかなかの鬱エンドの映画でした。
映画の始まりはグローリーでしたが…。
出演者とタイトル以外は確認せずに視聴し、完全に陽気な作品だと思い込んで観てしまったので、正直その落差にビックリしてしまいました。
まさか、こんな激重ストーリーだとは…全く想像がつきませんでした。

家庭環境が違うものの、仲の良い4人は20歳に。
友人のサンウが軍に入隊のため、みんなでポハンに1泊旅行へ向かいます。メンバーが無事揃いワクワク楽しそうな、まるで子供のような車内の4人。
それぞれ進路は異なるものの、友情☆フォーエバーの4人…。振り返ると、ここがまさに彼らのグローリーの頂点でした。
楽しそうな彼らに、まさかあんな事件が待ち受けているとは…。(不穏)

サンウ役スホさん(EXO)
祖母と2人で暮らす。
大学進学をあきらめ軍隊の道に進むことを決める。

ヨンビ役ジスさん
大学入試は失敗したが、その後の進路は決めていない。

ジゴン役リュ・ジュンヨルさん
大学入試不合格のため、浪人することを決める。
母親が厳しい。

ドゥマン役キム・ヒチャンさん
成績が悪かったが、親のコネで大学入学が決まっている。

ゆるいネタバレありの感想

 
 
 
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キム・ヒチャンさんインスタグラムアカウントより

楽しいはずだった1泊旅行が一転…という、かなりの鬱エンド。
しかも内容がいわゆる「胸くそが悪い」タイプでした。

海辺の浦項(ポハン)に車で乗り付けた4人。食事もし、ビールも飲み、上機嫌です。
酔ったごきげんな4人は、埠頭に駐車している1台の車を見つけます。最初は下世話な想像をして、ネタにして面白がっていた4人。
笑っていた4人でしたが、車の中から女性が飛び出し、その後続いて降りてきた男性から
暴力を振るわれているのを目撃します。
正義感の強いヨンビは思わず止めに入り、男性と殴り合いの揉め合いに発展します。

その後彼らは警察の追われ逮捕されるのですが、彼らは自分たちの無罪を疑いません。
もちろん、正義であり人助けをしたと思っているのですから…。
助けた女性が警察の前で証言した、「彼らが夫を殺した」という言葉に4人(厳密には3人です)は凍り付きます。
彼らはいつの間にか、加害者になっていました。

この女性にしても警察にしても、この事件について"4人”を犯人にしてしまいます。
そして興味深いのが、この4人の中で更に「誰が悪かったか」という”犯人”を更に仕立てあげる状況になっている点でした。
まるで弱肉強食の世界で弱い物へと順に罪をかぶせるように、大人である女性や警察が
この青年4人に行うのと同様、彼らの中でも弱い立場だったサンウ(事故で入院中)へ罪を被せてしまいます。構造が社会制度を表しているようでした。

この後残った3人、そして女性(アナウンサーでした)はどのような気持ちで過ごすのか…。
そして、一気に崩れてしまった4人の友情。
サンウを生贄とし、残った彼ら3人もまた、あの警察や女性のようになるのでしょうか?
なんとなく暗澹たる気持ちを残したまま、ストーリーは終わってしまいました。

理不尽さや彼らへの同情の部分が大きく見せられていたのですが、トラブルで亡くなってしまった男性や女性アナウンサーへの理屈がイマイチ描かれていませんでした。
事件そのものは、実際はなんだったのかという説明がよくわからず、ただ彼らに罪が被せられているという部分のみになっていたので、説明不足を感じて少々不満が残りました。

ただ大人というか、社会のそのものの理不尽さや社会階級的な実情を描きたかったのかなと感じましたが、同時に不必要に他人に親切にするものではない、というメッセージも多少感じましたので、そのあたりは意図的にどうなんでしょうか…。
実際彼らの親切心がこのような事態を招いた訳で、手を差し伸べなければ、こんな事件には巻き込まれなかったのは皮肉すぎました。

ということで、エンディングはガチ鬱ストーリーでした。
ただ、最後の海岸でのエンディングシーンで、リュ・ジュンヨルさんの下着(カルバン・クライン)が一瞬画面に映ります。
このようなちらっと映る下着も衣装か否か?…という部分が最後にして妙に気になってしまいました。リュ・ジュンヨルさんがかなり好きな俳優さんなのもありますが、鬱エンドすぎて脳が違うことを現実逃避的に考えたかったのかもしれません…。

『グローリーデイ』というタイトルは、はある意味皮肉であり、決して青春映画ではない、ということを観終わって理解した次第です。ちょっと後味が悪い作品だったかな…。

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