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韓国映画 感染家族 (感想)

おすすめ度:75%
想像と違うゾンビ度:100%
キャベツ度:100%
原題:기묘한 가족(奇妙な家族)111分 

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田舎に突然現れたゾンビ…しかし、想像とは違った?!2019年公開のコメディゾンビ映画

 あらすじ・キャスト

豊山里(プンサン)の田舎のガソリンスタンド。
通りがかった車をわざとパンクさせて、修理代を取ったりして生計をたてつつ、ジュンゴル(チョン・ジェヨンさん)は妊娠中の妻ナムジュ(オム・ジウォンさん)、妹へゴル(イ・スギョンさん)、父マンドク(パク・イナンさん)と呑気に暮らしていた。
加えて、会社をクビになった弟ミンゴル(キム・ナムギルさん)もソウルから実家に戻ってくる。
そんな平和なある日、突然村にゾンビ(チョン・ガラムさん)が出現し、父マンドクがゾンビに噛まれてしまうが…。

感想

想像以上にかなり強くコメディに寄ったゾンビ映画で、面白かったです。
コメディとはいえ、一応はちゃんとしたゾンビ映画にもなっていますが、全く怖くはありません。かなりゆるい気分で楽しめる作品でした。

前半はかなりゆったり・もったりしていて、田舎の牧歌的な雰囲気と全くアグレッシブさが無い「異世界」のゾンビとの謎の調和と対比が良かったです。

コメディの演出が全体的に古臭いなと終始感じましたが、舞台となるプンサンのどこか時が止まったような雰囲気や、登場人物の呑気なキャラクターや衣装設定から、その古臭さはワザとで意図したものなんだろうなと思いました。

映画の始まりは、不気味さもありかなり"真面目な”入り方だったので、作品のコメディへの転調は良い意味で裏切られて、観始めから新鮮な気持ちになりました。

ガソリンスタンド経営のパク一家
父マンドク(パク・イナンさん)
妻を亡くしている。ハワイ旅行を長年夢見ているが金銭的に難しい状態。
友人たちと花札で遊んでいたところ、トイレでゾンビに遭遇する。
敷地内に停めたキャンピングカーを部屋にして暮らしている。

長男ジュンゴル(チョン・ジェヨンさん)
妻ナムジュの尻に敷かれる、頼りない長男。
あまり判断力がなく、情に厚い。

次男ミンゴル(キム・ナムギルさん)
ヒューマンバイオ社で働いていたが、クビになり故郷へ戻ってくる。
お金儲けへの嗅覚が鋭く、勘が良い。

長女へゴル(イ・スギョンさん)
末っ子。幼い頃に母親を亡くしている。
ウサギなどの動物を飼うのが好き。

ジュンゴルの妻ナムジュ(オム・ジウォンさん)
お腹にいる子供のため、小さな金庫に日々貯金をしている。
疑わしい人物には、警戒を怠らないしっかりした性格。

ゾンビのチョンビ(チョン・ガラムさん)
プンサンに突然現れたゾンビ。
動きが鈍く、犬に追っかけられたりする。
キャベツを好んで食べるようだ。

 ゆるいネタバレありの感想

チョン・ガラムさん事務所SOOPインスタグラムアカウントより

違法な人体実験や臨床試験などを行っていた、ヒューマンインバイオ(HIB)社。
その敷地内からゾンビらしき人間が出現します。ただ、ゾンビとこのHIB社との因果関係は作品内では特に詳しく語られてはいません。
のんびりとしたプンサンの田舎町に、突如としてゾンビがやってきますが、かなり弱そうなゾンビです。

トイレに隠れているところをマンドクに発見され、ひと悶着あった後にマンドクを噛み、ゾンビは逃げてしまいます。
遂にマンドクがゾンビ化か…と緊張感が走りましたが、マンドクが見た目にも身体的にも若返ったようになり、違う意味で周囲がざわつき始めます。
これに目を付けたのが、次男のミンゴル。
ゾンビに噛まれると、どうやら若返るらしい…という点にさっそく目を付け、お金儲けに走ります。

パク一家に逃げ込んで、捕獲されそのまま"飼われる”ようになったゾンビは、生き物好きな(?)へゴルによってチョンビと名付けられ、ペットのように可愛がられます。
そして次第にへゴルはだんだんとチョンビに、淡い恋愛感情のような気持ちを抱きます。
このへゴルとチョンビのラブコメ部分は、全く予想していなかったので、なかなか面白かったです。
突然出現したゾンビに、人間か恐れずに恋心を抱くのは斬新でした。
キャベツ畑でのある意味2人のラブシーンですが、チョンビのよくわからない視線の方向が
へゴルの胸キュン的な気持ちとズレが生じていて、シュールで良かったです。
またそのシーンに流れる曲の歌詞ですが、「君に出会ってからまるで別人、僕の母さんが一番驚いているよ」の歌詞字幕部分に、どこかに存在するかもしれないチョンビの母の気持ちを想うと…。
ゾンビに息子が変身していたら、そりゃあ驚くでしょうね…と、そこにおかしみを感じてしまい、笑えました。

村中の人々をチョンビに噛ませて若返らせ、そして大儲けしたたパク一家ですが、これで終わりという訳にはいきませんでした。
ある日、ほぼ一斉に村人たちは、「本物の」ゾンビとなってしまいます。
ゾンビ化していない人間は、村ではほぼパク一家のみ、という状況となり、ついには家であるガソリンスタンドの周りをゾンビに取り囲まれてしまい…。

最後のオチもなるほど!と思いましたし、楽しかった映画でした。
発症のタイミングや、チョンビのゾンビ進行度など少々謎もありましたが、そこまで気にならない程度に上手くストーリーが展開するのと、根本的にコメディ作品というのもあって、細かいことはいいんだよ的で良かったです。
演じられている俳優さんが、どの役柄もピッタリでしたが、個人的にはキム・ナムギルさんのちょっとズルい部分やお金儲けにすぐ結びつけるところの表情など、上手いなあと思いました。チョン・ガラムさんも、生のキャベツ大量に食べていましたが、大変だったと思います…。

ということで全く怖くなく、緊張感もなく、ゆるく気楽に楽しめるゾンビ映画ということで楽しい映画でした。世の中には色々なゾンビの映画があるんだな、と感心しました。
面白かったです!

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