ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国映画 君の視線が止まる先に (感想)

おすすめ度:70%
BLガチ勢の母度:100%
意味深度:99%
原題:너의 시선이 머무는 곳에 84分

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親友でもあり主従関係でもある、男子高校生の2人のラブストーリー。オリジナルのWEBドラマを映画にまとめた2020年作品。

 あらすじ・キャスト

お金持ちの息子テジュ(ハン・ギチャンさん)はお金に不自由せず、自由に過ごしているものの、親からは厳しく監視されていた。
幼少期からボディーガード役として、同級生のグク(チャン・ウィスさん)と暮らしていた。
親友であり、また主従関係を結んでイるテジュとグクだが、ある日女子高生のヘミ(チェ・ギュリさん)がグクに恋をすることで、微妙な2人の関係が崩れはじめ…。

感想

韓国のLGBTQ分類作品(BL系)の映画。
元々はWEBドラマで配信されたものを、ディレクターズカット版として映画版で公開となっています。私はWEBドラマ版は未視聴で、映画版のみの感想です。

メインの2人である、テジュ(ハン・ギチャンさん)とグク(チャン・ウィスさん)、一応お話的には最初は“親友”としての2人という設定。
…だと思うのですが、最初からこの2人の関係がどう見ても親友以上だと感じました。

とりあえずセリフの匂わせがすごい…と少々困惑しつつ、またツッコミたい部分も割とありつつの作品でした。
ですが、総合的にはとても楽しく観れたので、大変良かったです。

ハン・テジュ役のハン・ギチャンさん
アイドルのようなお顔のハン・ギチャンさんが、御曹司役のテジュを演じられていました。
なかなか自由奔放さ加減というか、性格的に安定していないタイプ。
観ていてかなりの頻度で「?!」と思わせられる言動が多く、少々困惑させられました。まあ、思春期の男性なのでしょうがないのかもしれませんが…。
女性からも人気のテジュですが、色々な意味で天真爛漫な自由な性格からか、女の子を振り回して泣かせている罪な男でした。

カン・グク役のチャン・ウィスさん
テジュの親から生活費などももらっており、友達でありながらも主従関係をテジュと結んでいるグク。
主従関係という契約に縛られながらも揺れ動く気持ちと、テジュを大切にする気持ちが伝わりました。
割と無口なタイプなので、テジュとのバランスが良かったです。

ゆるいネタバレありの感想

 チャン・ウィスさんインスタグラムアカウントより

幼少期からの息子のボディーガードとして、同世代のグクの面倒もまとめて見ているという、テジュの父。厳しいのか何なのか、やや不明です。
そのためか、2人はお話のはじめから既に男子高校生2人で暮らしているという、既に十分親密な2人。

また、ボディーガード役のグクの役割が少々謎。
お目付け役的な存在かとも思うのですが、テジュが何か悪いことをした場合、テジュ父にグクが代わりに殴られるという、なんとも恐ろしい役目をグクは課されていました。
家賃がタダ、生活費というお小遣いももらっている…そんなテジュの家と主従関係を結んでいるグクですが、それでいいのか?!的な生活をしているようです。

若干の謎設定でしたが、とりあえずこの2人は一緒に暮らしています。
が、ここで一番驚愕したのが、何とダブルベッドに2人が一緒に寝ているという描写でした。
最初から既にネタバレすぎない!?とこの映画開始約9分でそのシーンが映し出され、かなり困惑しました。
しかし、この2人はあくまでも”親友”だそうです。
だったら、余計にダブルベッドはないでしょ…しかも住んでる部屋も十分な広さはあるようです。

が、驚きのシーンはもっとありました。
それが、新規開店の店ながら、既に彼らのお気に入りのトッポッキの飲食店です。その店主の女性(ヘミの母)がとんでもねえ方で驚愕しました。

テジュとグクが席に着くやいなや、ニヤニヤしながら、
女性店主「こっち(グク)が攻め?でこっち(テジュ)が受け?」
テジュとグク「??」
私「!??!?!」

思わず飲んでいたお茶を吹きそうになる、ド直球な質問に唖然としました。
おい~!!!いきなりそんな失礼な質問する~!?(困惑)
っていうか、このお店、"そういう”お店の設定なのでしょうか?

入店およそ15秒で、お店のお客さんである男子高校生2名の受け攻めの話を持ち出すヘミ母の脳内、どうなっているのか…?!普通に心配になりました。
この女性店主(ヘミ母)、とにかく謎の存在すぎました。
店が暇な時間はマンガ(多分BLと推測)を読んでいるし、その影響かやたら美少年好きのようにも思えましたし…。

そんなヘミ母の娘、ヘミさんですが、気付けばグクに夢中になっていきます。
ヘミ母は「あの2人に割り込むな…」と、まるでBL博士的な訳知り顔で、謎のアドバイスを娘にします。
が、そして恋に落ちているヘミはそんなこたぁ聞き入れず、グクと連絡を取り始めます。

 チャン・ウィスさんインスタグラムアカウントより

そんなある日、とても固そうな床で謎に柔道をする2人。
どう見ても柔道に適していない床なので、彼らの腰や首などのダメージを心配しながら観ていました。
しかし、絡み合う(意味深)2人。2人の微妙な関係性をとどめるように、グクはテジュを押さえる手に力を込めてすぎてしまいます。そして案の定(?)、テジュ負傷。

画面で見た限りでは手指を負傷しただけではないかと思ったのですが、テジュは腕を大袈裟にサポーターで釣ってありましたので、結構な怪我になったようです。
そして、シャワーを浴びれないと、だだをこね始めるテジュ…。
普通に左手使えよ…とそこは呆れましたが…でも甘えたい年頃なのでしょう。

テジュはグクに髪を洗ってくれと懇願。グクも嫌がりながらも、一緒にシャワーブースに入って洗ってあげます。
そしてグクに「お前もシャワーを一緒に浴びろ」と誘います。

あのさあ…(呆れ)
一応ちょっとしたサービスシーンが来るのかと思いましたが、皆無。そのせいか正直こじつけ感がハンパなく、観ていて少々困惑しました。

一方で、ヘミとグクの仲は進行していきます。
ある日デートとしてヘミはグクと食事に行くのですが、ジェラシー☆テジュが一緒にレストランまで入ってきて、2人を監視。
その後もテジュは、ホルモンバランスの乱れか?というぐらいにグクに嫌がらせをして、痴話喧嘩状態の2人。

そんなテジュも女性数人と同時進行で付き合ったり、勝手な行動はしているんですよね。
キレて訪ねてきた彼女の1人に、何故か速攻でキスするなど、グクに当てつけなのか何なのか不明ですが、適当に女性とも楽しんでいたようでした。(ひどい・・・)

自分の行動は棚に置いて、ヘミとグクの姿に妙な苛立ちを覚えていく、テジュ。
当初はヘミとグクの仲をむしろ取り持ったり、2人の仲を面白がっていたテジュ。
しかし気付けば、完全に嫉妬の鬼になっていました。

このあたりは、早く好きって認めちゃえばいいのに…と、2人の進展しない関係に正直ちょっとイライラしました。
どう考えても2人はお互い好きなのに…というか、
一緒にダブルベッドに寝ている関係なのに?!

というのも、普段私が好んで視聴する男女のドラマですと、まず一緒のダブルベッドに寝るまでに、ドラマだと最終回、映画だと終盤3分のところまで通常かかります。

しかしこの作品、なんと開始約9分で2人がダブルベッドに寝ている状態!
もうこれは…最初から優勝状態、大勝利では…?なぜ躊躇する!?と少々ここは謎でした。BL様式美みたいなものでしょうか?
男女のラブコメドラマですと、一緒に暮らす/一緒に寝る=最終ゴール!!なんですが…。
なかなか好きだと認められない、テジュとグク。非常にじれったいです。

ハン・ギチャンさんインスタグラムアカウントより

しかし、そんな私の気持ちを見透かしたかのように、テジュがついに(?)素直になってくれました。
夜寝ている時に切ない表情で、グクに甘えるテジュ…。
後ろからグクに抱き着きますが、テジュの手をすかさず払うグク。

グク「刺激するな…」
私「(意味深…)」

グクの言葉の真意を図りかねていましたが、テジュが「俺は悲しい…」とつぶやくと、グクも胸が痛くなったのか、思わず彼を抱き寄せました。
やっと、2人が素直になり、自分たちの気持ちに気が付いたようです。(涙)このシーンはテジュが非常に可愛らしく、本当に良かったと思いました。

しかし、忘れていた刺客ピルヒョン(チョン・ジェヨンさん)がいました。
学校でドッジボールの授業があり、再びトラブルが発生。正直、ドッジボールがダサすぎて、ちょっとオモシロシーンになってしまっていましたが、グクはテジュを守ったり、ヘミを守ったりと攻守共に大忙し。

すっかり忘れていましたが、ボディーガードの役目は、ドッジボール大会でも有効のようでした。
しかし、さすがに2人を同時に守るのは難しかったようで、ボールがテジュに直撃。自分よりもヘミを一番に守ったというグクに、テジュの嫉妬の鬼が再発。テジュは再びホルモンバランスを崩したかのように、拗ねはじめます。

甘えたり、キレたり…テジュのホルモンバランスがジェットコースター状態!思春期は大変です。
この拗ねたテジュの機嫌を取るグクでしたが、場所を考えずにじゃれあっている2人を、タイミングよくピルヒョンが目撃し、テジュの父親に告げ口をしてしまいます…。

やっとテジュへの気持ちを確信したグク。(おせえ)
ヘミにも別れを告げますが、時すでに遅し。テジュは父親の元へ連れ去られていました。

グクはテジュ父の元へ単身乗り込みます。
ですが男子高校生1人対ボディーガード(ボディーガード大量発生問題)。スロー処理されたシーンでボコボコにされてしまい、グクの戦いはここでゲームオーバー。
2人の主従関係はテジュ父によって解消され、テジュはイギリス留学を命じられてしまいます。

速攻で翌日から渡英を言い渡されたテジュ。留学ビザの手配などは大丈夫でしょうか?最後の夜として、再び2人の家で一晩過ごすことを許されたテジュとグク。やっとここで2人は「好きだ」と言い、気持ちを確認します。
さすがにキスするのかな…という雰囲気になったものの、

テジュ「血の付いた唇にキスはしない」(断言)
良い雰囲気だったのですが、まさかのテジュの強い意思表明にちょっと笑ってしまいました。(グクは殴られていたので、口元を怪我していました)

再び健全に過ごす夜。
あのさあ…(呆れ)
そして早朝にはイギリスへ旅立つため、テジュは部屋を後にします。
そして数年後と思われる描写…テジュとグクはどうなるのか…!?それについては、映画をぜひご覧ください。

ヘミ母のトッポッキ店が、最終的にイケメン接客優良店みたいになっていましたが、戦略的に賢いなと思いました。行ってみたいです。

少々テジュの情緒不安定ぶりに無言になる部分も多かったですが、あれぐらいはちゃめちゃキャラでないと、お話が面白くならないと思いますので、良いキャラ設定だったのかもしれません。

ということで、
・BLガチ勢のトッポキ店主(母)
・テジュのホルモンバランス(命の母)
・意味深な眼差しの体育教師
・グクの耳は弱点
以上の4本立ての映画になっていました。

最後エンディングでは、2人の立派に大人になった姿がまた高校生時代とは違っていたので、髪型やメイクで結構変わるなあとびっくりしました。

お話自体はツッコミどころが割とありましたが、独特のストーリー展開がクセになってしまい、かなり面白く観れて良かったです。

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