ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ 客-ザ・ゲスト-(感想)

おすすめ度:73%
エクソシスト度:100%
霊媒師度:90%
原題:손 the guest 1話約65分、全16話 

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悪霊”客”は海からやって来る…。過去に繋がりがあった3人が集まり、悪霊の謎を追う。2018年放送のホラー系サスペンスドラマ

 あらすじ・キャスト

小さな海辺の村。
ここには”パク・イルド”と呼ばれる怖い悪霊の伝説があった。

そんな村の霊媒師の一家に生まれたファピョン(キム・ドンウクさん)。
幼少の頃から、霊感が人一倍強く、悪霊を見ることができた。
しかし彼のそんな強い霊感能力のせいで、母親や祖母が次々と亡くなってしまう。
そんなファピョンに悪魔祓いしようと、家族は司祭を呼んで除霊してもらおうとするが、
立ち会った司祭の1人の様子がおかしくなってしまう。
司祭の弟ユン(キム・ジェウクさん)は、そんな兄に殺されそうになるが、そんな時、警察とその娘ギルヨン(チョン・ウンチェさん)が現場を通りかかる…。

感想

悪魔祓いと霊媒師そして警察vs悪霊という構図で描かれる、ホラー系ミステリードラマ。
西洋のエクソシストとしての悪魔祓いと東洋の霊媒師という、2つの世界を取り入れているとことろが興味深かったです。

最初の始まりから、なかなか不気味なムードでしたが、シーンの大半は暗く、雰囲気が満点でした。
ただ、ちょっとお話のテンポが悪いと感じる部分と、描写がややしつこいような点が気になりました。
しかし全体的には面白く、出演者の俳優さんたちも魅力的で観終わった後は満足したドラマでした。

メインの出演者3人の方々です。

ユン・ファピョン役のキム・ドンウクさん
幼少期から非常に強い霊感に悩まされ、母と祖母を自分のせいて失うことに。
そのため、父親はそんな息子のファピョンの存在を疎み、家を出て行方不明に。
そんな悲惨で辛い過去を持つファピョン。
自分の家族を崩壊させた、"パク・イルド"の行方をタクシー運転手をしながら、情報収集している。
少々荒っぽい性格で、自分のカンを頼りに行動するタイプ。

チェ・ユン役のキム・ジェウクさん
幼少期に、悪霊に憑依された兄から殺されそうになる過去を持つ。
優しかった兄を豹変させた"パク・イルド"を、悪魔祓いの補助をしながら密かに追っている。
口数が少なく物静かな性格で、あまり感情を出さないタイプ。

カン・ギルヨン役:チョン・ウンチェさん
熱血で体力には自信がある女性警察官。
警察官だった母と帰宅中に、ユンが憑依された兄から殺されそうになるところを
通りかかる。
ギルヨンの母は、憑依されたユンの兄に殺害されてしまったという辛い過去を持つ。
やや感情的なタイプで、当初は悪霊の存在や悪魔祓いなどは一切信じていなかった。

ゆるいネタバレありの感想

キム・ジェウクさんインスタグラムアカウントより

海に近いギェヤンヂンの村。
海から"客"と呼ばれる悪霊がやって来て、人に憑依。憑依された人は自分を「パク・イルド」と名乗り、次々に村人を殺害。
そして最後には目を自ら刺し、死んでしまったという悪霊の話からストーリーが始まります。

そしてこの3人ですが、幼少期に1度会っているんですね。
この3人共、この村の殺人事件の関係者。

ファピョンは霊感が強くて悪魔祓いされた少年
ユンは、ファピョンの悪魔祓いに同席した司祭の兄が悪霊に取りつかれる
ギルヨンは母をユンの兄の司祭がユンを殺そうとしている所に巻き込まれ、殺害されています。

ストーリーの流れとして、この幼少期のプロローグがあってから、事件が1~4と続きます。
最初の1~3までの事件の頃(といっても、既に10話ぐらい)は、ギルヨンが悪霊の存在をなかなか信じないために、ファピョンやユンに文句ばかり。
ここが少々最初から気になりました。
「最終的にユンに悪魔祓いしてもらう癖に、いい加減信じたら?」とギルヨンの頑固な性格に、序盤は結構イライラしました。

この1~4の序盤から中盤の事件部分が正直、ちょっとクドイと感じてしまいました。
中盤から集中力が戻りましたが、事件2ぐらいからちょっと飽きてしまうというか…ちょっと描写がワンパターンかなという印象です。
(しかしこの後、大きく盛り上がるので、我慢して欲しいです)

ただ、憑依された役を演じた俳優さん達(子役も!)の演技は、なかなか凄まじくて驚きました。
途中意識が戻ったり、また悪霊が声色を変えて話したりする部分は、演技の切り替えがすごい大変そうでした。
後半は海に入ったシーンもあって、俳優さん達大変だなと思って観ていました。

キム・ジェウクさんインスタグラムアカウントより

ちょうど11話ぐらいの中盤で、かなりストーリーが盛り上がってきます。
というのも、「パク・イルド」の憑依している者が絞られてきていて、緊張感が走る部分が多かったです。

当初の標的が、ユンの兄の司祭がパク・イルドとして、追っていた3人でしたが、そんな司祭が土の中から見つかります。
追っていた人物がの線が消えてしまい、その後お互いが疑心暗鬼になったりと、3人の微妙な関係性のバランスが崩れる描写も良かった。

この悪霊パク・イルドと下級の悪霊なのですが、人の弱った心に漬け込むというか、狙って憑依するという部分が面白くもあったのです。
が、最終的には彼の本来の目的は別の部分にあり、今までの憑依としての事件は、ただの遊びという設定が語られ、ちょっと冷めてしまいました。
ちょっとそこは、ご都合主義かなと残念…。

また最終回のエピローグ部分も良かったと思えた反面、「別に黙っている必要もないのでは?」とちょっとわざとらしい気がしました。
まあここはドラマっぽいかもしれないです。

俳優さんで印象的だったのが、ユン(キム・ジェウクさん)でした。
非常に物静かで冷静な役柄でしたが、この司祭の役にジェウクさんが驚く程似合っていて、ちょっとビックリしました。
ほぼ司祭として黒ずくめの衣装でしたが、立ち姿がすごくカッコよかったです。
ちょっと陰がある雰囲気なのが、ジェウクさんに合っていてよかった。それと、ジェウクさん…謎の色気があるのがスゴイ。
このドラマ内ではそのような男女間のお話などは微塵もないのですが…。

特に後半はホラー系というより、一体誰がパク・イルドなのか、というミステリー部分が面白く、上手い裏切りもあったりで面白かったです。

そして一番良かった点は、3人の関係性です。3人とも誰一人として”完全”なタイプがいないという設定が素晴らしかったです。
最終的に除霊する役のユンが目立つ部分も多かったですが、ファピョンがきっかけを掴むという重要な部分を担っていましたし、また社会的秩序を保つためにもギルヨンが必要。
そういった微妙な関係性を、恋愛パート無しで上手く描き切っていた点に好感を持ちました。

若干シーズン2にギリギリ繋げる線を一番最後に入れていましたが、シーズン2や映画化はなさそうな気がします。個人的な予想ですが。
しかし、権力がある者はとことん強いですね…。

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