ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国映画 隠された時間 感想

おすすめ度:40%
カン・ドンウォンさんでギリギリセーフ度:99%
ジェル状度:100%

原題:가려진 시간 129分

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森で見つけた不思議なたまごは時間を止めるものだった…少年と少女の不思議な経験とは。2016年公開のファンタジー/ヒューマン系映画。

 あらすじ・キャスト

母を亡くし義理の父と島へ引っ越してきたスリン(シン・ウンスさん)は、身寄りのない少年ソンミンと仲良くなる。
ある日、ソンミンと友達2人、そしてスリンは山へ遊びに出かける。

不思議なたまごを見つけた3人の少年が”消え”、スリンだけが残る。
後日少年の1人の死体発見され、島は大騒ぎとなる。
少年たちの捜査が進むある日、謎の青年(カン・ドンウォンさん)が自分はソンミンだと言ってスリンの元に現れるが・・・。

感想

まず、観始めて想像以上にファンタジー物で正直ビックリしました。

森に遊びに行った3人の男子と1人の女子。3人の少年たちは、不思議な”卵型”の何かを見つけ、興味本位で割ると…彼ら3人以外の時間が止まってしまっていた、というお話。

正直、この「時間の卵」の設定が個人的にちょっとひっかかりました。ややわざとらしすぎるというか…あまりにも子供っぽいファンタジーというか…。
しかし、この映画のポイントとして、いかに子供(中身)がそのまま大人になってしまったが、という部分を強調させるためには重要な要素だったのかもしれません。

というのも、意地悪な目でみると「ヤバイ大人と子供」の話になる
ギリギリの線でしたので…。
(しかしここは、カン・ドンウォンさんの雰囲気と演技がさすがという感じでした)
とはいえ正直に言うと、個人的には観終わった後は「なんだかな…」と思った作品でした。

スリン役のシン・ウンスさん:
スリンだけ完全にずっと子役のままで映画に出演していましたが、
演技がとっても上手い!びっくりしました。
今作がオーディションで勝ち取ったデビュー作…すごい堂々とした演技でした。子役の層がすごい。

ソンミン役のカン・ドンウォンさん
この映画撮影時は35歳前後ということですが、なかなか素敵でした。
独特の少しミステリアスな雰囲気をお持ちの俳優さんだと思うのですが、この作品でもそれがかなり…相当、活きていると思います。

13歳の少女と逃げたりする役でしたが、あまり変な印象にならなかったのは、ドンウォンさんだからこそだと思います。
あまり男性的ないやらしさを感じない不思議な印象がドンウォンさんんは持っていらっしゃると思うのですが、これに関しては本当に役柄に似合っていました。

ゆるいネタバレありの感想

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彼ら3人以外の時間は全て止まってしまった島。
当初は遊びまわって楽しく過ごしますが、やがてそんな時間も過ぎ、現実に戻りたくなります。
しかし島から出ようにも、出れない3人。

一方の現実社会では、彼ら3人が失踪したことになっています。
1人だけ無事帰ってきたスリン。警察含む大人たちから質問攻撃を受けますが、彼女も混乱し何が何だかわかりません。

少年3人の時が止まった島と現実社会はリンクもしているようで、
3人の内の1名が持病が原因で死んでしまいます。残りの2人が亡くなった少年を土に埋めると、現実社会でも彼の遺体が発見されます。

そんな時が止まった島に残された少年2人ですが、その中では時間の経過が異常に速いようです。彼らは見た目的には20代の青年となっていて、いつの間にか体だけが成長していました。

ただ、この時が止まった世界ですが、よく設定が理解できませんでした。
まず海水を含め、水分はやわらかいジェル状に変化しているようです。が、この3人どうやって水分を摂取していたのか…。
食べ物は時が止まった世界のまま残っているようで、適当に好き勝手に食べ歩いているようでしたが、食べ物にも水分は当然含まれていますし…。
流水がないので、もちろんお風呂なども無理かと思います。

また、時間が経過した世界で急に外見は大人になった2人の”少年”ですが、特にソンミン(カン・ドンウォンさん)はオシャレ風くせ毛の長髪だったのが気になりました。
ソンミン、子供の頃は特にくせ毛ではなさそうでしたが…。

服も選びたい放題、着放題のはずが、妙に汚い服を着て過ごしていたりするのも謎でした。(止まった世界で服を選んでいるシーンがあるだけに)

このような事をいちいち指摘するのは野暮だとは思いますが、何となく設定に関して「うーん」と思って世界に入り込めませんでした。

そして、ソンミンだけ遂に現実の世界に戻ってきます。
最初はスリンを驚かせてしまいますが、2人の「秘密の暗号」が役立ちます。スリンはこの謎の青年はソンミンだと確信し、彼を助けようとします。

が、当然のことながら、大人にはそう見えません。(そりゃそうですよね)
誘拐犯の容疑者として青年ソンミンは追われることになり、またそんな青年をかばうスリンは、デタラメを言っている、カウンセリングが必要な子という扱いになってしまいます。

この謎の青年がソンミンかどうか…という部分ですが、この映画の時代背景は古い時代設定のお話では決してありません。
普通に指紋鑑定や歯形、DNAなど、色々確認できる方法はいくらでもあるのでは…?と思いました。
小さい島だし、なおさらそんなに難しいことでもないと思います。
ただただ、スリンの証言だけを元に判断している警察や大人に少し違和感。

そして最後のシーン…。
何となく明るい未来を感じさせるように描かれていましたが、そのあたりも「ほんとに?」と正直疑問に思ってしまいました。

つまり、物語の根底にあるスリンとソンミンの13歳の初恋。
しかしソンミンの見た目は、もうかなりの年齢になっています。
他人から見ると、ただのヤバイおじさん状態なので、結局そこは変えられない事実というか、どうしようもなさそうな気がしました。

これはカン・ドンウォンさんの演技や見た目は一切関係なく、お話の設定的に最初に恋愛要素を絡ませてしまったのがそもそも良くない気が正直しました。

ただの強い友情ストーリーならば、観ている側も不穏な気持ちをあまり感じさせずに、そのまま素直にファンタジーとして観れたかもしれません。
しかし、ラブストーリーを匂わせてしまったために、制作側の想定とは違う”気持ち”をこちらに持たせてしまっているように残念に思いました。
その部分が個人的には妙に引っかかり、最後のシーンも「なんだかなあ」と思ってしまいました。
だってどう見ても、世間的には純粋で明るいラブストーリーにはならないでしょう…。

しかしながら、最後まで観れたのは主演のカン・ドンウォンさんが”その危ないライン”をかなりギリギリで持ちこたえさせている、彼が生命線状態の映像だなと本当に思いました。

ドンウォンさんの独特の不思議な雰囲気がないと、マジで危ないおじさんになりかけていましたので、キャスティングの妙というか、俳優さんの力というか、色々そこは良かったなと良い意味でも悪い意味でも思いました。

ということで、どうせならもっと100%ファンタジーの世界に連れて行ってほしかった…と残念に思った映画でした。
設定、エピソードや各要素も少々粗い感じの作品かなと思い、気持ち集中して持っていかれるようなお話には残念ながらなりませんでした。

しかしながらカン・ドンウォンさんのおかげでギリギリセーフ!そんな映画でした。

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