ドラマや映画の感想を書いてみるブログ

観た韓国ドラマや映画の感想を書いてみます。誰かの参考にでもなれば…。

韓国ドラマ 死の賛美 (感想)

おすすめ度:71% ♡ 忘れた頃に出現するジョンソクさん度:90% ♡ 日本語度:40%

ドラマ1話60分、全3話

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韓国で有名な実話を元にソプラノ歌手と劇作家2人の悲劇を描いた、2018年公開ドラマ作品。

 あらすじ・キャスト

(主人公の両者とも実在した人物であり、実話をもとにした有名なお話とのことです。)
日本統治下の韓国(朝鮮)が舞台。
ソプラノ歌手のユン・シムドク(シン・ヘソンさん)と劇作家キム・ウジン(イ・ジョンソクさん)は共に日本留学中に出会い、お互いが惹かれあう。しかしそんなウジンには2人の関係を進められない事情があった。

一度は気持ちを封印した2人でしたが、”同志”として、離れた場所にいても常にお互いに忘れず過ごしていたのだった。
時代背景やそれぞれの家庭の事情もあり、2人はだんだんと自分の居場所に疲労しはじめ、”別の生き方”を考え始めるのであった…。

韓国ではこの悲哀に満ちたお話が非常に知られていて、今までに演劇などでも何度も演じられているそうです。

感想

このお話、韓国では有名ということですが、確かに時代背景や2人の状況と最後の決断がいわゆるわかりやすい悲劇になっていて、演劇や映画などの作品に仕立てやすいストーリーだなと感じました。

Netflixでは全3話となっていて、時間数でもちょっとした映画ぐらいの感じで集中して観ることができました。

このドラマ作品では全体的にシーンの背景、特に屋外のロケーション(海、木々、湖)が秀逸で、2人が「たった2人だけで安心してホッとできる」場所として、上手くこの自然の中の静かな場面が効いていました。
2人がなかなか普段安らげない状況に置かれ、消耗しつつ、この自然の中での安寧を感じる印象的な描写となっていて画面が美しかったです。

イ・ジョンソクさんインスタグラムアカウントより

個人的にレトロな雰囲気が好きなのですが、今作では残念ながら街のセットや小道具が妙に適当な印象を受け、かなりチープさを感じました。
そういう点で期待していたレトロな雰囲気がほぼ感じられなかったので、そこは相当残念でした。
ただ、シムドク(シン・ヘソンさん)の衣装とヘアスタイルがとっても美しかった!

ウジン役のイ・ジョンソクさんですが、素敵でした…。こういう時代の雰囲気にもお似合いでした。
今作では、ジョンソクさん綺麗に涙を流すシーンが割と多かったのですが、そのツーっと涙を流す姿が綺麗すぎでしょ…と思いました。
ちょっと女性泣かせな男性かなと思わせる役柄でしたが、ジョンソクさんなら許せてしまうかもしれません…。

シムドク役のシン・ヘソンさんですが、この時代の衣装とメイクにご本人が本当に似合う!とても素敵でした。
アイメイクのアイラインも跳ねて描いてあり、すごい可愛らしかったです。
ただ、お家が裕福でない設定ですが、やたら着ている服が良さそうなのが若干気になりましたが…。

ゆるいネタバレありの感想

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実話がベースとなっている有名なストーリーなので、あれこれ言いにくいというか、言うのも無粋とだとは思いますが、あくまでも”ドラマ作品”として個人的な感想を書きたいと思います。

まずですね、

ウジン・・・もしや典型的なダメ既婚者男では・・・?(結論)

シムドクの気持ちに気付いて、惹かれあう気持ち。
既婚者でもそうなる時はあるでしょうし、女性が自分に好意を持っていると知ったら、既婚を隠したい気持ちもわかります。

その後、自ら既婚者だとばらしたのですが(罪悪感もあったのでしょう)、シムドクはショックを受け自ら身を引きます。
その後・・・。

ウジン、こっちが忘れた頃に電話してくる元カレか~!!(キレ気味)

シムドクが気持ちを切り替えようとしていたタイミングを見計らったかのように出てくる、ズルい男、それがウジン…そんなようにも感じてしまいました。

再びイ・ジョンソク沼…ではなく、ウジンの元に気持ちが引き戻されてしまうシムドク。
こうなるともう後には戻れません。

ただ、この作品を観ていると、全体的にウジンが”ただのズルい男”としか思えなくなるんですよね。
ウジン君は大して苦労してないのでは?っていうね…。
シムドクの方がどう考えても、やはり置かれた状況的にも時代的にも可哀想でした。

 
 
 
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シン・ヘソンさんインスタグラムアカウントより

そして冒頭に描かれている通り、最終的に心中という選択をする2人。
ドラマ中で作家、有島武郎のエピソードが数回出てくるのですが、シムドクが当初は有島武郎が恋人と心中したことについて”理解できない”、と発言します。
他に別の方法があっただろう、と。


婦人公論』記者で人妻であった波多野秋子と知り合い、
恋愛感情を抱く(有島は妻・安子と死別後は再婚せず独身を通した)。
ところが秋子の夫春房に知られる所となり、脅迫を受けて苦しむことになる。
そして6月9日、2人は長野県軽井沢の別荘(浄月荘)で縊死を遂げた。

有島武郎 - Wikipediaより

しかしそんな2人も、日々の生活と状況にだんだんと疲労し始めます。
終盤ウジンと会った際にシムドクが「今なら有島武郎の選択が理解できる」と、ふと呟く場面がとても印象的でした。
有島武郎と同じ”方法”しか、シムドクも思い浮かばなかったのかもしれません。
彼女の気持ちの変化と数々の気苦労、八方塞がりな様子がうかがい知れて、ここは大変切ないシーンとなりました。

そして最終的には死を2人の結論としてしまったシムドクとジョンソク。
乗船した時、何となく映画『タイタニック』を彷彿させるBGMとカメラワークだなと思いました。(全く関係ないですが…)

ということで、全3話で短くまとまっているドラマなので、長さもちょうどよく大変観やすく良かったです。
悲劇のお話ですが、結末がはっきりしているため分かりやすく、だからこそ有名なお話なんだろうと納得しました。

イ・ジョンソクさん、この作品はノーギャラで出演されたとのことで、スゴイなあと思いました。俳優陣も皆さん、結構日本語も頑張ってました。

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