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韓国映画 ザ・コール(感想)

おすすめ度:93% ♡ 最後までちゃんと観て度:100% ♡ 電話恐怖症度:99%

映画、1時間52分

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鳴り響く電話…それは過去からの着信だった。2020年公開の不気味なサスペンス映画。

 あらすじ・キャスト

母親が入院中のため実家に戻ったソヨン(パク・シネさん)は、途中携帯電話を紛失したため、仕方なく物置に片付けてあった古いコードレス電話機を再び電話線に繋ぐ。
待っていたように鳴り始める電話、それは”過去”からの着信だった。
電話相手は1999年を生きているヨンスク(チョン・ジョンソさん)、20年前にソヨンの実家に住んでいたソヨンと同い年の女性だった・・・。

感想

とにかくストーリーのテンポと展開が非常に良くて、グズグズせずに話が進むので、観ていて気持ちが良いタイプの映画でした。(内容はなかなか恐ろしかったですが!)
また内容と俳優陣(特にチョン・ジョンソさん!!)が良く、最後も含めてかなり面白いと思いました。

また、この作品の監督さん(イ・チュンヒョンさん)ですが何と若干31歳ということです。
韓国映画界の層の厚さというか、過去の実績関係なく面白そうな作品にはスポンサーがちゃんと付くんだなと感じました。だから若手もどんどん新しい作品も試せるんでしょうね。

本来は2020年3月に公開予定でしたが、コロナウィルスの為11月にNetflix公開となったそうです。

 
 
 
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パク・シネさんインスタグラムアカウントより

鍵となるアイテムが、スマートフォンではなく、ちょっと古い電話機をネタにしているのが面白いと思いました。
電話機に表示ディスプレイがないのもポイントかもしれません。電話に応答するまで、誰からの着信なのかわからないですから…。

また、スマートフォンの呼び出し音よりも、鳴る音が大きく(その設定はおかしくないですし)、家中に鳴り響く電話の不気味さとドキッとする感覚がより効果的で面白かったです。

ソヨン(パク・シネさん)が自身の携帯電話を紛失し、実家に戻ってこの電話機を繋いだ時から、この不気味な過去=ヨンスク(チョン・ジョンソさん)との関係ができるわけです。
1軒の家に繋がる1本の電話、過去の同じ電話から現在の同じ電話に繋がっているのがポイントです。

2人は最初は純粋に面白がって色々と話し、まるで友達のようになります。
ある日、ソヨンの父親が火事で亡くなったと知ったヨンスクは、その事故を未然に防げるかもしれないと思いつき自分の行動で試します。
その過去のヨンソクの行動は成功し、未来が変わってソヨンの父親が現在も存命していることになり、ソヨンの現在が書き換わります。…そこから2人の関係が崩れてゆきます。

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パク・シネさんですが、今回泣き叫ぶ演技が多くて大変だったのでは、と思いました。
瞳がとても大きくて魅力的な方なのですが、それが活かされて恐怖を感じる表情がよく出てて良いなあと思いました。
『#生きている』でも好演されていましたが、恋愛系ではなくこういったタイプの作品を敢えて選んで出演されているのかな?
ただ、今作は相手役が男性ではなく、同性のチョン・ジョンソさんという点で少々インパクトが弱かったかもしれません。

このヨンスク役のチョン・ジョンソさんですが、相当怖かったです。
狡猾、不気味、狂気、残忍、粘着質…と嫌な部分と少女のような部分も持ち合わせたヨンスクさんですが、全体的に目つきや食べ方、笑い方、姿勢、ファッションセンスと全てが怖すぎました。
このような演技ができる女優さん、なかなかいないと思いますので、ただただスゴイなと驚きました。
ジョンソさんですが、村上春樹氏の小説を原作にした映画『バーニング』で鮮烈にデビューされた女優さんです。

もちろんパク・シネさんも良かったのですが、ジョンソさんがとにかくこの作品ではかなり怪演されていましたので、彼女の演技:不気味さ、迫りくる気迫に観ていてかなり圧倒され、目が離せない演技をされていました。

ゆるめのネタバレ感想

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過去の行動が未来(現在)に影響するので、この部分で不利なのが未来(現在)にいるソヨンです。
彼女は過去のヨンスクの行動で、状況がどんどん”書き換わり”ます。つまり、過去のヨンスクに自分を含めみんなを人質に取られている状態です。

不利な現在からソヨンは何とか”未来”を別のものになるよう、電話だけが武器の状態でヨンスクと”闘い”ます。
後半盛り上がる部分として、過去のヨンスクと現在のソヨンが遂に”重なる”のですが、ここからが恐怖のターンとなります。(このあたりの話の設定が上手かった!)

これ以上は大きくネタバレになるので書きませんが(是非観て確認してください!)、ちょっと気になった部分を書き出してみます。

不可解な点:

そもそも最初の頃ヨンスクが電話してきた時は、「ソニ?」「ソニの店では?」と聞いてくるんですよね。確かに近所にソニのお店があり、ソニさんも彼女に火傷を負わされていました。
ソニさんとあの家の電話との繋がりは一体…。

ヨンスクの養母(イエルさん)は「あなたは沢山の人を殺す…」とヨンスクの将来を知っているようでした。単に予知夢的な感じかとも思いましたが、なんとなくですが彼女も未来を知っていて、何とか彼女なりにヨンスクを止めようとしていたのでは…。

ソヨンが紛失した携帯電話。電話に出た女性(と近くの男性)は何か妙によそよそしいというか、台本通りというか。しかも急ぎ気味に「かけ直します」と不自然に電話を切ります。謝礼を要求したいなら、急いで電話をきる必要はないですよね…。

これらの謎ですが、一番最後のエピソードと結局関係しているのかな、とも思いました。

Netflix Koreaインスタグラムアカウントより

あとですね・・・ちょっと本筋から離れますが、
ヨンスクさんは1999年に生きていました。で、序盤ソヨンさんと「今はスマホって物があってね」的な会話をするシーンがあります。
そのシーンでヨンスクさんが「音楽はカセットテープで聴く」と言っているのですが、カセット?!と疑問に思いました。

1999年の日本の音楽芸能事情を調べますと、

  • 前年に続きCDセールスのピーク時。ミリオンセラーはシングル12作、アルバム22作。
  • シングルCDでは12cm型が発売されてゆくようになる。

1999年の音楽 - Wikipedia 参照

とあり、浜崎あゆみさん、宇多田ヒカルさん、GLAYさんなどなどが売り上げ上位、そして嵐さんのデビュー年ということです。
あくまでも日本の事情ですが、音楽を聴くのは「カセットテープ」が主流ではなさそうな気がします…。ただ、もちろん韓国の状況はわかりませんが…、すみません。

あと99年に生きている設定の方々、特にイチゴ農家のおじさん、ソンホ(オ・ジョンセさん)のヘアスタイルが70年代ぐらいじゃないでしょうか?!(レトロスタイルが好きなイチゴ農家の人の設定かもしれませんが…)
この辺りの小道具感や設定について、若干違和感がありました。

と、色々気になる部分や謎もあるものの、意識がそちらに引っ張られるということもなく、話の展開が早いので集中力が途切れたりもせず、かなり夢中で楽しんで観れました。

シーンで使われるBGMや効果音、特に最初にヨンスクが未来を”替えた”時に、電話の着信音がどんどん不穏な音に変わって音が歪むというか、同時に”書き換わった”現在へ場面展開する部分の描写とか、とても凝っていてオシャレでした。

また脇役ですが、警察官役で好きなイ・ドンフィさんが出演されていたので個人的に嬉しかったです。
この映画、意図してか基本的に女性ばかりが中心人物になっているところも興味深かったです。(ポスターでもわかりますね)色々と考察すると面白い映画かもしれません。

とにかく(?)チョン・ジョンソさんの演技と迫力がとっても素晴らしかったです!
最後の終わり方も含めて大変スピード感ある展開で面白く満足しました、結構おすすめ作品。

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