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韓国映画 男と女(感想)

おすすめ度:81% ♡ セクシー・コン・ユ度:5000% ♡ 男女の考え方の違い度:95%
映画、115分

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美しいフィンランドで出会ってしまった2人の止められない愛の行方とは。2016年公開作品。

 あらすじ・キャスト

お互いの子供をフィンランドのインターナショナル・キャンプに送り届ける際に出会った、
サンミン(チョン・ドヨンさん)とギホン(コン・ユさん)。
天候のせいでフィンランドの雪の中で足止めされ、そのまま2人は成り行きで、体の関係を持ってしまう。
韓国へ帰国後、出会うはずがなかった2人ですが再会。どうしようもなく惹かれ合ってしまう2人の止められない関係は…。

感想

完全に短編小説を読んでいるような作品で、この映画ではフィンランドのロケーション風景やが本当によく合っているというか、上手く効いているなと感じました。

この映画のストーリーですが、一言で片づけると、配偶者と子供がいる2人のW不倫の話です。
しかし、脚本や監督、俳優陣が上手いのもあり、あまりドロドロした映像(コン・ユさんとチョン・ドヨンさんのなかなかドキドキするベッドシーンはありますが!)にならず、下世話な感じでもなく、まさにタイトル通りただ、ただ、「男と女」でした。

そんな男女の考え方の違いも描いていましたが、子を持ち配偶者を持つ妻や夫も、あくまでもやはり1人の人、男と女なんだという部分も描いていましたし、切なくもいじらしくもありました。
観終わってから、思ったよりも深い余韻を感じたのが割と印象的な映画でした。

 コン・ユさんマネジメント事務所SOOPのインスタグラムアカウントより

コン・ユさんですが、この映画では今までの雰囲気(個人的にラブコメの印象)と180度変わってすごいオトナの雰囲気(もちろんコン・ユさんは立派な大人なんですが)とオトナの色気…というか完全に”セクシーコン・ユ”状態になっていたので、観ていて照れてしまうというか、何故か関係ない自分が大変ドギマギしてしまいました。

いつもの(?)キスしかしないコン・ユ先輩に戻って~(でも戻らないで!)という謎の気持ちを持ちつつ観ていました。

チョン・ドヨンさんですが、素顔風のメイクの時(主にフィンランド)とバッチリのメイクの時(主にソウル)では完全に人が違ったように見えたので、かなり驚きました。
最初フィンランドのノーメイク的なお顔からソウルに戻ってきて、ギホン(コン・ユさん)がばっちりのサンミン(チョン・ドヨンさん)を見つけるのですが、「(調べてたとはいえ)よく分かったなあ…」と思いました。

このドヨンさんも、演技と落ち着いてしっとりとした雰囲気が大変良かったです。それとあまり声が甲高くないところも個人的に良かったです。
あと適度にセクシーというか、そういう点でもコン・ユさんと合っていたなと思います。
もう少し若い方ですと、もっと生々しいというか、いやらしさが前面に出てしまって、方向性がブレて良くなかったと思いますので…。

ゆるいネタバレありの感想

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始まりのフィンランドのシーン、一面雪が降り積もったこの白い雪景色が、人を無にさせるというか、せめてこの時この土地にいる時だけでも、日常のしがらみからこの主人公2人が解放された1人の人間ということを表現しているとも思わせました。

このサンミン(チョン・ドヨンさん)とギホン(コン・ユさん)ですが、お2人ともお子さんや配偶者に問題がある訳です。
その育児の大変さや疲労感と配偶者との不安定な関係、そういう部分から、子供をキャンプの送り届けた後の束の間の解放感を、この非日常感ある雪景色のフィンランドで感じたのだと思います。
普段のやり場のない気持ちと疲労、そこからほっと気が抜けた気持ち、ピッタリのタイミングで出会ってしまったのが、この2人なんですよね。

ソウルに戻った2人ですがお互いの家庭問題(育児、配偶者への不満)も再び色々とありそうです。
上手いなと思うのが、夫婦間の派手なケンカシーンがあまりないので、「何となく妻/夫と歯車が噛み合っていない、不満が底辺にずっと残っている」という鬱々とした膠着状態をこの2組みの夫婦に対して両方ともを上手く描き出しているなと思いました。

そんな憂鬱な日常から解放されるように、”非日常”に溺れるサンミンとギホン。
しかしそう長くは続きません。

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で、この映画が面白いなと思ったのが、『男と女』というだけあって、この盛り上がってゆく2人、そして終わってゆく2人の関係部分の男女の対比があります。

2人の関係の始まり:
少し引き気味なサンミンと、最初からストーカー気味にグイグイ関係を押し進めようとするギホン。(コン・ユ先輩以外は完全にアウトな行動ですよ…)
男性の性急な様子、少し子供っぽくもあり、好きな人には年齢をも忘れて夢中になる様子。
一方で女性はあくまでも湧きあがった感情に対して、少し冷静に対処しようとします。
状況を判断しつつ、自制を試みているようにも思えました。

配偶者との関係:
盛り上がる2人、止められない気持ち…
自分の気持ちを確認し、腹をくくって夫との別れを決意するサンミンと、煮え切らないギホン。
自分の気持ちを理解して、行動に移す女性、ダメなものはダメという感じ。
一方でいざ判断を迫られると尻込みしてしまい、優柔不断、決断を後回しにしてしまう男性。

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で、最後のシーン!
これは本当に素晴らしいシーンだと感じました。
雪景色に1本の道。これがまるで”人生”を表しているのではと思います。この道(人生)でギホンとサンミンが再びすれ違うのです。

1年後、サンミンはおそらく再びギホンと会えることを願ってか、(おそらくキャンプの頃)再度フィンランドの同じ場所へ、家族を捨ててたった1人で向かいます。
そして偶然見かける訳です、ギホンを!
しかしギホンは妻と子供と一緒にいます。それを見て悟り、静かに去るサンミン。
ギホンは遅れてサンミンに気付き追いかけようとしますが、自分の置かれた状況にハッとし、立ちすくみます。

 この雪の1本道。
サンミンはタクシーでこの道を進みますが、途中元夫と息子からの電話もあって、車中で静かに泣き出し始めます。本当に切ない…!

タクシーの女性運転手(女優さんの雰囲気がすごいよかった)。
彼女が何かを察して(携帯の電波も悪いのですが)車を止め、サンミンを車内に残し、一人で泣く時間を与えてくれます。

その時に、この1本道をギボンの車が通りかかります。
ここの車内のコン・ユさんの演技が史上最強に良かった!!!
すれ違う(タクシーは停車中)時、手が届く範囲に今サンミンがいるという動揺。
しかし「絶対にもう側には行けない」状態にしてしまった自分。今一緒にいる家族とそしてサンミンに対する両者への罪悪感と消えない後悔。涙がうっすら浮かびます。
こちらもタクシーの中で泣いたサンミン同様に、とっても切ない!!!!

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この1本道が2人の人生を表していると解釈しましたが、この部分でもギホンはきっとこの先この道(人生)をこの動揺と後悔、そして罪悪感を抱え続けて進むと暗示していると思いました。
一方でサンミンは暫くタクシーで泣いたのち、少しサッパリした表情になっていました。再びそのまま「知る必要はない」と進むことを決めます。
恐らく彼女はこのまま気持ちを整理し、この先後ろを振り向かずに強く生きていくのではないでしょうか。そんなことを感じ取りました。

こう書くと、サンミンが正しく、ギホンが非情と思われるかもしれません。
が、別の見方をすると、サンミンは家庭を捨てたという後ろめたさや、孤独、レッテルを抱えながら今後生きていくことになるでしょう。
しかしまた、ギホンも家庭を守り平安な気持ちがあるものの、一生愛を失ったままかもしれません。

つまり、どちらの側にも”そうする”理由があり、そのどちらの選択に対しても正があり、誤がある。
生まれてしまった感情に対して、正解などは決して存在せず、常に人は表裏一体になった感情を抱えて「あの時こうしていれば、どうだったか?」と常に悩みながら生きるしかない…そんな風に捉えました。

この作品では男女の正しくない関係についてがテーマでしたが、何となくこれは一例で、普段の一つ一つの小さな人生の選択において、常に私たちは過去を振り返って悩む訳ですが、それに対しては答えは絶対に無いのだ、と言いたかったのではないかなと個人的に思いました。

ただ、ギホンもサンミンも、彼らの”選択”に対して寄り添ってくれていたのが、いつも「我が子」だったのが、良いなと思いました。

恋愛の気持ちというものは時に複雑怪奇であり、理屈で説明がつかない感情であり、また一概に判断できるものではないなというようにも思えました。

 ということで、多少ステレオタイプな男女感を描写しているとも思いますが、この映画では緩やかに上手く対比されていて、特に最後のシーンの描き方は、何もかもが上手くまとまっていて、タイトル通りの作品の象徴シーンで余韻が残るとても良いシーンだな…と強く印象に残りました。


「コン・ユ先輩の大人の恋愛映画かな!?」とかなり適当に見始めたのですが、思ったよりも描写が興味深く色々考察できて、想像を超えて面白い作品でした。
ただ何度も見返すタイプの映画ではないかなと思いますが、割と色々考えながら見れたので、印象が強く残った作品でした。

もちろん、コン・ユ先輩のセクシーなシーンにドキドキできますので、コン・ユ先輩に興味ある方は必見です。
(個人的には体より、コン・ユ先輩の手の指が長く美しくてウットリしました)

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