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韓国映画 国際市場で逢いましょう(感想)

おすすめ度:90% ♡ 1人の男の人生度:100% ♡ 時代の流れ度:100%

映画、127分

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朝鮮戦争ベトナム戦争を経験したある一人の男性の人生を描いた、2015年公開の映画。

 あらすじ

幼少期を朝鮮戦争のために父と妹と離れ離れになってしまう男性(ファン・ジョンミンさん)の人生を、舞台となったプサンに国際市場のとある一角にあるお店を舞台に描く。戦争などの時代の流れに翻弄され、家族との繋がりを年老いた今再度振り返る……。

感想

ネタバレとして語れるタイプの映画ではなく、上記のように生涯がほぼ終わりに近づいてきた男性の人生を振り返りながら描かれるタイプの作品。なので、気になった方はまず観てみて下さい。

主人公のドグス(ファン・ジョンミンさん)は、ちょっと怒りっぽいけど、不器用で真っ直ぐな性格。父親に代わって一家を支えようと自分のことよりもまず家族のためを思って……とただただ一生懸命にその日その日を生きてきた。
朝鮮戦争ベトナム戦争、ドイツへの出稼ぎと、父親と幼少期に生き別れてから、家族の為に必死に働く様子は非常に過酷で、想像を超えて大変そうでした。
また、戦争など自分ではどうにもできない時代の流れに翻弄されながらも、生きるのにひたすら一生懸命な人たち、そういう時代を考えさせられました。

この年代生きた方々は、生活がものすごく大きく変化していく時代を生きた人だと思うのですが、その様子も描かれていて、その変化と自分が経験した辛い苦しい部分が常に芯にある感じを受けました。(そりゃそうですよね……)
一方で自分の子供たちや孫たちの気楽な様子の対比、世代間の違いの描き方も効いていました。
歳をとって周囲にそろそろ市場のお店を売ってはどうかと言われるのに、お店に何故ここまで固執するかという部分など、このお店を売る/売らないの部分は切ないエピソードが関係するので、十分ドクスの気持ちが理解できました。

最後にかなりドラマチックな演出が入るのですが、この作品で一番際立ってとっても良かったです。ドクスが「長かった」というセリフは本当に重みがありました。
ラストシーンの終わり方も余韻を残しつつ、ある種爽やかなシーンで非常に心に残りました。

どの国にも戦争や経済情勢が元で辛く悲しい歴史があるのはもちろんですが、このようなごく普通の一家族の歴史としても相当な傷跡があるということを思い知らされた、そしていかに今が良い時代になっているのか、色々考えさせられた良い映画でした。

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