おすすめ度:95% ♡ 怖い度:98% ♡ 騙し騙され度:100%
映画、1時間48分
仲の良い兄弟、しかし何かがおかしい…。2017年公開のサスペンス・スリラー映画。
あらすじ・キャスト
とても仲の良い兄弟は家族とともに、新居へ引っ越す。
兄(キム・ムヨルさん)はいわば天才肌で成績優秀で優しく、また弟(カン・ハヌルさん)は精神疾患もあり、浪人中の身だが家族とも仲が良く、次の受験に向けて猛勉強中。
そんな兄弟にある日事件が起こる…。
夜に兄が何者かに拉致をされてしまい、弟はそれを目撃することになる。
そこから大きく家族の歯車が狂っていくのですが、それは想像もつかないことだった…。
ゆるめのネタバレ感想
この作品、不気味で怖いのですが、最後は「ああ……」となる作品でした。
序盤の最初から「あれ?何となくおかしい」と感じながらも物語は進みます。
ただ、その”何がおかしいのか”がわからない、それが観ながらこちらに緊張感とストレスを与えてきます。
話が進むうちに不気味さと怖い感覚が一層引き立てる感じで、観ながらドキドキレベルがどんどん上がっていくのがわかります。
話が大きく明かされる部分が一番のピークというか、盛り上がりました。
この警察署でのシーンですが、撮影の仕方(カメラワーク)がBGMと共に、こちらの気持ちも一緒にもっていくタイミングが上手くて「うわああああ・・・」となりました。
この展開はあまり予想していませんでしたが、観終わってからポスターをよくよく見ると
確かに盛大にネタバレしている感…。(いいのか!?)
しかし男性なので髭を剃ったりすると思うのですが(役柄も髭は伸ばしていませんでしたし)
そのあたりはどうなっていたのかは若干気になりますが・・・。
カン・ハヌルさんはこの作品でも純粋で内気な青年という感じを、とても非常に上手く演じていらっしゃいました。(そしてご本人の雰囲気もそれに似合っていました)
だからこそ、だまされるというかこの二面性が恐ろしいというか、視聴者を裏切る状態になっていました。
観ながら一体誰を信じてよいのかわからない構成になっているのが大変面白かったです。
カン・ハヌルさんが色々なタイプの作品に積極的に出演されていて、演じる幅が広くて良い俳優さんだなあと思います。
お兄さん役のキム・ムヨルさんもちょっとクセのある役柄をよく演じられています。
(『ウンギョ青い密』や『密偵』など)
ただ、いつもクセのある役のため、今回も「再び」という感はしました。
ストーリー的に後半からは色々と説明がされているので、あまり謎が大きく残る部分はありませんでした。(設定的にツッコミたい部分もありますが)
このストーリーの結論としては、
時代が、貧乏が悪かったんだ…という背景になっていました。情に訴える部分もありました。
もう少しとんでもない振り切った理由が背景にあったとしたら、この作品もう少し化けていたとういか、かなり大きく違った印象の作品になっていたかもしれません。
とはいえ、個人的にはあまり細かいことを気にせずに、純粋に怖くなりましたし割と楽しめた作品でしたが、後半がちょっとお涙頂戴系に寄りすぎかな?とも思いました。
前半のテンションを考えると、最後はもう少し韓国作品らしい絶望感を与えてくれても良かったかもしれません。
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